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仕事に疲れた大人に贈る、サン=テグジュペリの名言集

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はじめに

こんにちは。今年で26になり、子供時代が
すっかり遠くなってしまったDAIMAです。
本日は、星の王子さまで広く知られる
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
生涯と作品内の名言をご紹介します。

サン=テグジュペリの生涯

サン=テグジュペリ第一次大戦開戦14年前の1900年、
フランスのリヨンに伯爵の子として生まれます。

幼い頃から母に音楽や芸術の手ほどきを受け、
夢想好きの、少しぼんやりした子どもだったそうです。

ただ、机に向かうことが嫌いだったようで、
3年間頑張って勉強して挑んだ
軍学校の受験には一度失敗しています。

成人後は陸軍飛行連隊に所属し、
21歳で飛行士の免許を取得します。
除隊後は、タイル会社の事務員や
トラックのセールスマンなどの仕事を経て
1926年にラテコエール航空会社に入社し、
フランス、アフリカ、アメリカの航路で
郵便物を空輸する仕事に従事しました。

また、アグレッシブな性格を活かした
報道作家としての一面も持ち合わせ、
1930年代には、記者として世界中の
あらゆる地域へ赴きました。
この経験が、後に人間の土地を
生み出す原動力となります。

1940年にドイツがフランスを占領すると、
テグジュペリはアメリカへ亡命しますが、
英語を話せないテグジュペリはアメリカに馴染めず、
さらに、その裏表のない生き方が災いして、
フランス移民同士の権力争いに巻き込まれ、
日に日に身も心も疲弊していきます。

(残された当時の手記には、この当時の心境を
「ぼくは石のように不幸だ」と書き綴っています。)

その後、アメリカが第二次大戦に参戦すると、
40代の肉体に鞭打って連合国側の偵察任務に就きます。
しかし、1944年7月31日、地中海へ偵察に出たのを最後に
消息を絶ち、二度と帰らぬ人となりました。
(近年になって、海中に沈んだ
テグジュペリの愛機が確認されています。)

テグジュペリの作品は、
彼の死後も世界中の国々で広く愛読され、
日本では、アニメ作家の宮崎駿氏が
テグジュペリ作品の大ファンとして有名です。

星の王子さま」の名言集

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星の王子さま」の基本情報

フランスがドイツに占領された後、
ニューヨークへ亡命したテグジュペリが
1943年に出版した児童小説です。

飛行機の故障で砂漠に不時着した「ぼく」が、
遠くにある自分の星から地球にやって来た、
不思議な王子さまと出会うお話です。

現在までに累計1億5千万冊以上が販売され、
翻訳は200以上の国と地域の言葉に及び、
いまでも世界中で愛読され続けています。
(各数値はWikipediaより)

子供だった頃のレオン・ウェルトに

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

テグジュペリは献辞で、
友人であるジャーナリスト、
レオン・ウェルトにこの本を捧げています。

短い言葉ですが、
これ以上「星の王子さまにピッタリの
献辞の言葉もないように思います。


友だちを忘れるというのは、かなしいことです。
だれもが、友だちらしい友だちを、
もっているわけではありません。

子どもは、大人の人を、
うんと大目に見てやらなくてはいけないのです。

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

この言葉にドキッとした大人は
案外少なくないかもしれません。

大人になった自分と、子どものころの自分を比べて、
新しい友だちを作る事だけは、
本当に下手になったなぁとしみじみ思います。


ぼくは、あの時、なんにもわからなかったんだよ。
あの花のいうことなんか、とりあげずに、
することで品定めしなけりゃあ、いけなかったんだ。
ぼくは、あの花のおかげで、いいにおいに包まれていた。
明るい光の中にいた。だから、ぼくはどんなことになっても、
花からにげたりしちゃいけなかったんだ。

ずるそうなふるまいはしているけど、
根は、やさしいんだということを
汲み取らなきゃいけなかったんだ。

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

あの花とは、王子さまの星に咲いていた
気むずかしいバラの花のことを指しています。

ちなみに、バラのモデルになった女性は、
テグジュペリがブエノスアイレスで結婚した
妻コンスエロだとも言われています。


おとなって、ほんとにへんなものだなぁ

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

自分一人(とネズミ)しかいない星に住み、
自分が宇宙の星全てを支配しているのだという
王さまに対して、王子さまが抱いた印象です。

おとなはみんな、自分だけの星の
王様なのかもしれませんね。


ほめることばでなくてなくては、
うぬぼれ男の耳には、
けっしてはいらないのです。

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

自分を美しく、かしこいとうぬぼれている
うぬぼれ男と出会った場面での一文です。

いつも自分が一番だと思っていて、
都合のいい話しか聞こうとしないこんな人、
案外あなたの近くにもいるんじゃないでしょうか?


酒のむのが、
はずかしいんだよ

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

王子さまは、うぬぼれ男の
次の星で、吞み助と出会います。

吞み助は王子さまから、
「なぜ、酒なんかのむの?」と尋ねられ、
「忘れたいからさ」と答えます。
さらに、「忘れるって、なにを?」と尋ねられ、
「はずかしいのを忘れるんだ」と答えます。
そこで、王子さまが
「はずかしいって、なにが?」と聞くと、
吞み助は「酒のむのが、はずかしいんだよ」
と答えるのです。

吞み助の行動は病的で、矛盾していますね。
私は、この呑み助の話を読むと、
仕事帰りにいつも浴びるように焼酎を飲んでいた
父を思い出して少し胸が痛みます。

無邪気な王子さまも、これには参った様子で、
ほんのちょっとたずねただけで
ひどく気持ちが沈んでしまいました。


ぼくが火山や花を持っていると、
それがすこしは、
火山や花のためになるんだ。
だけど、きみは、星のためには、
なってやしない。

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

吞み助の次に訪ねた
実業屋の星で、星の勘定をする実業屋に、
王子さまが言ったセリフです。

私も、日ごろ仕事をして感じるのですが、
自分の利益だけを考えて働くより、
自分の仕事が誰かの役に立つことを考えて
はたらくほうが、ずっと気持ちよく働けます。

王子さまがいいたかったことも、
畢竟、そのようなことではないでしょうか。


あの男は、王様からも、うぬぼれ男からも、
呑み助からも、実業屋からも、けいべつされそうだ。
でも、ぼくにこっけいにみえない人といったら、
あのひときりだ。
それも、あのひとが、じぶんのことでなく、
ほかのことを考えているからだろう。

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

一分間に一度、火を付けたり消したりする
点燈夫にあった王子さまの感想です。

王子さまは、自分の事ばかり考えている
王様や実業家やうぬぼれ男たちよりも、
仕事を通じて誰かのために役立っている
点燈夫のことを高く評価しています。


ぼくの花は、はかない花なのか、
身の守りといったら、
四つのトゲしか持っていない。
それなのに、あの花を僕の星に、
ひとりぽっちにしてきたんだ!

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

王子さまが、6つめの星で出会った地理学者から、
王子さまの星のバラの花もいつか
消えてなくなってしまうことを
教えられた王子さまのセリフです。

おとなになると、
生き物が死んでいなくなることは
当然なことだと理解できますが、
死が何かを知らないこどものうちは、
簡単には理解できない事ですね。


おれの目からみると、
あんたは、まだ、いまじゃ、
ほかの十万もの男の子と、
べつに変わりない男の子なのさ。
だから、おれは、あんたがいなくたっていいんだ。
あんたもやっぱり、おれがいなくたっていいんだ。
あんたの目から見ると、
おれは、十万ものキツネとおんなじなんだ。
だけど、あんたが、おれを飼いならすと、
おれたちは、もう、
おたがいに、はなれちゃいられなくなるよ。
あんたは、おれにとって、
この世でたったひとりのひとになるし、
おれは、あんたにとって、
かけがえのないものになるんだよ…

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

王子さまが、砂漠で出会ったキツネのセリフ。
だれかがだれかにとって特別な存在になる過程を、
素朴なことばで上手に表現しています。

ちなみに、星の王子様に登場するキツネは
砂漠にすむ狐の一種、
フェネックがモデルだと言われています。

あんたたちは美しいけど、
ただ咲いているだけなんだね。
あんたたちのためには、
死ぬ気になんかなれないよ。

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

キツネのことばを聞いた王子さまが、
自分の星のバラにそっくりな、
地球のバラたちに言ったセリフ。

王子さまにとって、特別なバラは、
自分が世話してあげた
自分のバラだけだと確認する重要なセリフですが、
言われた側の無関係のバラたちにとっては
ちょっとキツいセリフかもしれませんね(笑)。

さっきの秘密をいおうかね。
なに、なんでもないことだよ。
心で見なくちゃ、
ものごとはよく見えないってことさ。
かんじんなことは、目に見えないんだよ。

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

キツネが王子さまに教えた「秘密」であり、
星の王子さま」という作品を象徴する、
一番重要なセリフでもあります。

"たいせつなものは、目に見えない"
じっくりと噛みしめたい言葉です。


人間っていうものは、
このたいせつなことを忘れてるんだよ。
だけど、あんたは、このことを忘れちゃいけない。
めんどうみたあいてには、
いつまでも責任があるんだ。

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

星の王子さまの名言メーカである、
キツネからもうひとつ名言をご紹介します。

古風な言葉で言えば、義理と人情でしょうか。
人間同士で一度できた関りというのは、
めったなことでは切れないものです。


人間ってやつぁ、
いるところが気にいることなんて、
ありゃしないよ

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

人を乗せた機関車を振り分ける、
スイッチ・マンのセリフ。

たしかに、人はどこまでいっても
満足できない生き物です。


砂漠が美しいのは、
どこかに井戸をかくしているからだよ…

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

「ぼく」と一緒に、飲み水のある
井戸を探しに行く場面での王子さまのセリフです。

砂漠は、厳しいだけではなく、
隠された優しさがあるからこそ美しく見えるのだ、
とでも解釈すべきでしょうか。
砂漠を愛したテグジュペリらしい名言です。


ともし火は、
たいせつにしましょう。
風がさっと吹いてきたら、
その灯が消えるかもしれませんからね…

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

眠りかけた王子さまを抱えた「ぼく」が、
その、いまにも壊れてしまいそうな心もとなさに
心をゆさぶられた場面での一文です。

これが後の、「虐殺されたモーツァルト」の
名言にもつながっているように思います。


仲のよいあいてができると、
ひとは、なにかしら
泣きたくなるのかもしれません。

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

王子さまと「ぼく」との
別れが近づいた場面でのセリフ。

だれかと仲良くなればなるほど、
別れの時が辛くなるものです。
(わたしも、ついこの間14年連れ添った愛犬と
お別れしたときは心底辛かった…)


王子さまは、ちょっとのあいだ
身動きもしないでいました。
声ひとつ、たてませんでした。
そして、一本の木が倒れでもするように、
しずかに倒れました。
音ひとつ、しませんでした。
あたりが、砂だったものですから。

(出典:星の王子さま 岩波少年文庫)

とうとう王子さまが「ぼく」と別れ、
自分の星へ帰った場面での一文です。
湿っぽい別れではなく、あっさりとした
表現だからこそ、かえって胸に染みます。

「あたりが、砂だったものですから」の
微妙な唐突感も、なんとも味わい深いですね。

「人間の土地」の名言集

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「人間の土地」の基本情報

人間の土地は、テグジュペリが
1939年に発表した短編小説です。
ラテコエール社での郵便飛行士の経験や、
リポーターとして多くの国々を渡り歩いた体験が
随所に散りばめられています。

死と隣り合わせの孤独の中で鍛えられた
テグジュペリならではの人間観が凝縮された、
日々を懸命に生きる大人に向けた傑作小説です。


ぼくら人間について、大地が、万巻の書より多くを教える。
理由は、大地が人間に抵抗するがためだ。
人間というのは、障害物に対して闘う場合に、
はじめて実力を発揮するものなのだ。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

本書の冒頭を飾る、記念すべき一文です。
飛行士として、常に自然と闘い続けてきた
テグジュペリらしいことばですね。


努めなければならないのは、自分を完成することだ。
試みなければならないのは、山野の間に、
ぽつりぽつりと光っているあのともしびたちと、
心を通じ合う事だ

(出典:人間の土地 新潮文庫)

自分を完成しなければならないというストイックな姿勢は、
どこか東洋的な思想の匂いも感じられます。

「ぽつりぽつりと光っているあのともしびたち」は
飛行士の目から見た地上の家々の光のこと。
なんともロマンチックな、情景の浮かぶ表現です。


早くもぼくは、ある一つの景観は、
それを見る人の教養と、文化と、
職能を通じて、はじめて意義を
もちうるにすぎないと、察知した。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

例えば同じ雲を見ても、
ある人は雲の形がゴジラに似ていると思い、
また別のある人は、あと数時間以内に
雨が降ると察知するかもしれません。
世界の見え方は、その人次第で
いかようにも変化するということでしょう。


雷雨や、濃霧や、雪などが、
ときどききみに難儀をさせるかもしれないが、
そんなとききみは、自分以前に
これに出会った人たちのことを思い出すのだ、
そして自分に言ってきかせるのだ。
他人がやりとげたことは、自分にも必ずできるはずだと

(出典:人間の土地 新潮文庫)

先輩飛行士であるギヨメから、
スペイン航路へ挑むテグジュペリへのアドバイス

他人が成し遂げたことは、
必ず自分にもできるはずだというこの言葉は、
難しい問題に取り組まなければならないとき、
大きな勇気を与えてくれます


あれほど多くの星の中で、
早朝の食事の香り高いひと椀を、
ぼくらのために用意してくれる星は、
ただ一つこの地球しか存在しないのだった。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

広大な宇宙にたったひとつ浮かぶ地球に、
人間が生きていることの奇跡を感じさせる名言。

飛行士として、無数の星々の間を飛び回った
テグジュペリならではの視点ですね。


真の贅沢というものは、ただ一つしかない、
それは人間関係の贅沢だ。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

テグジュペリの言葉の中でも、
私が特に気に入っている一文です。

危険と孤独に闘う飛行士にとって、
人との温かなつながりは、
いっそう貴重なものに感じられたことでしょう。


物質上の財宝だけを追うて働くことは、
われとわが牢獄を築くことになる。
人はそこへ孤独の自分を
閉じ込める結果になる。
生きるに値する何ものをも
贖うことのできない灰の銭をいだいて。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

直前の名言に続くのがこちらの一文。

この言葉は、テグジュペリの時代よりずっと
豊かで恵まれた時代を生きる私たちにとって
より強く心を打つ名句です。

物質的な豊かさよりも、
人間関係の豊かさの方が
はるかに大切だということですね。


完成は付加すべきものが
何ものもなくなった時ではなく、
除去すべき何ものもなくなったときに
達せられるように思われる。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

同時にテグジュペリは、
「発達の極致に達したら、
機械は目立たなくなってくるだろう」
とも語っています。

加速度的に発展するAI技術に対する脅威が叫ばれ、
機械が だんだんと、私たちの生活に
溶け込みつつある21世紀の今、
20世紀当初の、テグジュペリのこの予言は、
恐ろしいほど的を得たものだったと実感できます。


彼は、ぼくらの国へ帰ったら、
砂漠にいたとき以上に不幸になるはずだった。
ただ、彼には、自分の家族のあいだで、
自分自身として存在するという権利があった。

―さあ、老バークよ、行け、そして一人前の人間におなり

(出典:人間の土地 新潮文庫)

テグジュペリはある時、モール人( 北西アフリカのイスラム教徒)の
奴隷になっていた老黒人バークを開放する手伝いをします。
これは、そのバークが自由となった直後の独白です。

バークは仕事を見つけるまでの纏まった金を貰い、
フランスへ戻り自由の身となりますが、
そのしばらく後に、見ず知らずの子供たちに
新品の靴を買い与えて散財してしまいます。

奴隷から自由の身となったことで、
皮肉にも、自分が本当は誰からも
必要とされていないのだと知ったバークは、
人とのつながりを持ちたいという飢えから
このような行為を起こしたのでした。


我慢しろ…ぼくらが駆けつけてやる!…
ぼくらのほうから駆けつけてやる!
ぼくらこそは救援隊だ!

(出典:人間の土地 新潮文庫)

測量士のプレヴォーと共に、
広大な無人の砂漠に不時着し、
不安の中、一夜を明かす場面でのセリフ。

自分たちが遭難から生還する努力をすることで、
自分たちの帰りを心配してくれる人たちを、
逆に救援するのだと表現することで、
死の不安に飲まれまいとする、
テグジュペリの気高い気持ちが伝わります。


悲壮なのは、社会に関することだけだ。
ぼくらに責任がありながらあの人々を、
安心させることができないぼくらの無能力。
これだけが悲壮だった。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

「人間の土地」や「夜間飛行」では、
たびたび「責任」について言及されます。

責任と聞くと、つい避けたいと思いがちですが、
責任があるからこそ、社会とのつながりを
持てるのだという考えもありますね。


飛行機は、目的でなく、手段にしかすぎない。
人が生命をかけるのは飛行機のためではない。
農夫が耕すのは、
けして彼の鋤のためではないと同じように。
ただ飛行機によって、
人は都会とその会計係からのがれて、
農夫の真実を見いだす。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

ここで語られているように、
飛行機にせよ鋤にせよ、
あるいはコンピューターにせよ、
全ては人間のためにあるのであって、
それ自体が目的にはなりえません。

ですが、それでもテグジュペリは、
飛行機と自分の仕事を心から
愛していたのでしょうね。


ぼくらは、食糧さえあれば満足する家畜ではない。
またぼくらにとっては一人の貧しいパスカルの出現が、
らちもない富豪の出現よりずっと価値がある。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

「人はパンのみに生きるに非ず」ですね。
パスカルとは、テグジュペリと同じ
フランス出身の哲学者、数学者の
ブレーズ・パスカルのことを指します。


また経験はぼくらに教えてくれる。
愛するということは、
おたがいに顔を見あうことではなくて、
いっしょに同じ方向を見ることだと。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

本書でも、特に有名な名言です。
友だちでも恋人でも、
二人で同じことに夢中になれる人ほど
一緒にいたいと思える人もないですよね。


戦争を拒まない一人に、
戦争の災害を思い知らせたかったら、
彼を野蛮人扱いしてはいけない。
彼を批判するに先立って、
まず彼を理解しようと試みるべきだ。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

他者を理解することは
容易な事ではありませんが、
それでも理解しようとする姿勢は
忘れずにいたいものです。


イデオロギーを論じあってみたところで、
なんになるだろう?
すべては、立証しうるかもしれないが、
またすべては反証しうるのだ。
しかもこの種の論争は、
人間の幸福を絶望に導くだけだ。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

イデオロギーのぶつけあいは、
人間の幸福を絶望に導く…
私もまったくその通りだと共感しています。

世界中を飛行機で飛び回り、
従軍経験もあるテグジュペリだからこそ
強い説得力のある名言ですね。


なぜ憎みあうのか?
ぼくらは同じ地球によって運ばれる
連帯責任者だ、同じ船の乗組員だ。
新しい総合を生み出すために、
各種の文化が対立するのはいいことかもしれないが、
これがおたがいに憎みあうに至っては言語道断だ。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

上の言葉に近いですが、
こちらでは地球を船、人間を乗組員に例えて、
憎しみ合う事の愚かさを非難しています。

…どこぞの合衆国大統領に
聞かせてやりたくなりますね。


死というものは、
それが正しい秩序の中にある場合、
きわめてやさしいものだ。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

テグジュペリは、息子たちに土地を残して死んだ
プロヴァンスの農夫を引き合いに出して、
人は、後世に残せるものがあるなら、
半分しか死なないのだと語ります。


ぼくを悩ますのは、
その凸でも凹でも、醜さでもない。
言おうなら、それは、
これらの人々の各自の中にある
虐殺されたモーツァルトだ。

精神の風が、粘土の上を吹いてこそ、
はじめて人間は創られる。

(出典:人間の土地 新潮文庫)

「人間の土地」を締めくくる名文です。

例え、モーツァルトのような天才でも、
機会や環境に恵まれなければ、その才能を
開花させる事なく人生を終えてしまいます。

テグジュペリの時代、
人々の中のモーツァルトを虐殺したのは
戦争であったかもしれませんが、
現代における虐殺者はもしかすれば、
家庭の経済力次第で、子どもの
教育環境に大きな差が出てしまっている、
格差社会であるかもしれません。

全ての人が、自分の可能性を十分に
発揮して生きられる社会つくりの為に、
何が必要なのか?考えさせられる名言です。


おわりに

以上、サン=テグジュペリの名言でした。
貴方の心に響く言葉はあったでしょうか?

テグジュペリは、決してロマンチックなだけの作家ではなく、
行動を伴った、信念の作家であったと私は思います。
仕事の意味、人生の意味を見失いかけた時、
いつでもテグジュペリの言葉たちが、
支えとなってくれることでしょう。

最後に、テグジュペリの次の言葉をもって、
この記事の締めくくりとしたいと思います。

『われわれは服従すべきでしょうか、
それとも戦うべきでしょうか?』
生きながらえるためには服従すべきであり、
存在しつづけるためには戦うべきである」

(出典:サン=テグジュペリの言葉 弥生書房)

参考書籍&参考サイト様(敬称略)

テグジュペリ作品に興味を持たれたら…

星の王子さま (岩波少年文庫 (001))

星の王子さま (岩波少年文庫 (001))

岩波版の定番訳本。文学的で、読みやすい訳が特徴です。

星の王子さま

星の王子さま

2005年に岩波の翻訳権が切れたことで新しく登場した訳本。
お手ごろな値段が嬉しいですが、
訳のクオリティは、岩波訳には劣るとの意見もちらほら。

人間の土地 (新潮文庫)

人間の土地 (新潮文庫)

詩人、堀口大學の名訳が光る、大人向けのテグジュペリ作品。
巻末には、宮崎駿氏からの寄せ書き付き。

サン=テグジュペリの言葉 (人生の知恵)

サン=テグジュペリの言葉 (人生の知恵)

テグジュペリの作品やエッセーの言葉を集めた一冊。

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