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ジョジョリオンはなぜつまらないのか

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こんにちは、daimaです。
今回は、ウルトラジャンプで連載中の
ジョジョの奇妙な冒険最新シリーズ、
ジョジョリオン」について物申します。

前提として私は、
ジョジョの奇妙な冒険の大ファンであり、
一方的なアンチではありません。

ミックスは発売後必ず購入し、
自室の本棚の半分は、100巻を超える
ジョジョのコミックスによって
埋め尽くされていております。
外伝やノベライズもの、
ビーティー、バオーといったジョジョ以前の
荒木作品も一通りチェックしています。

学生時代には
友人達とジョジョの強さ議論や
名言ネタで盛り上がった素晴らしい思い出があり、
超像稼働をはじめとするフィギュアや、
かの名作、第3部アーケードをはじめとする
ゲームなどの関連商品も欠かさず購入し、
プレイしてきました。

好きが高じて、
ウン100枚ものドット絵を描いて、
格闘ゲームエンジン向けに
ジョジョのキャラクターを
自作したこともありました。

ですが、正直に言えば、
最新作のジョジョリオンについては、
私のような飼いならされた信者としても、
ちょっとこれは…と
思わざるを得ない箇所が多々あります。

そこで当記事では、
私がなぜジョジョリオンを楽しめないのか、
その理由を整理する意味も込めて、
他の方のamazonレビューや
外部サイトのレビューも参考にしつつ、
一つづつ考えていきたいと思います。

最新刊17巻から見る問題点

そもそも、私がこの記事を
書こうと思ったきっかけは、
最新刊17巻を読んで、
その後、上記amazonレビューに
目を通した時でした。

低い…低すぎる。
30件以上集まったレビューのうち、
星1レビューが3割、
星2レビューが2割を占め、
現時点でのレビュー平均は
2.5点という低さです。

これは、これまでの
ジョジョリオンのコミックス
評価平均と比較しても明らかに低く、
「カーズっち」「ナランチャUボート
九十九十九」などの舞城節で
ジョジョファンの脳をかき乱した
伝説的珍作ノベライズ、
JORGE JOESTARと同レベルの低評価です。

JORGE JOESTAR (JUMP j BOOKS)

JORGE JOESTAR (JUMP j BOOKS)

↑ネタとしてみれば面白い、舞城氏はある意味天才かもしれない


なぜ、17巻に限って
こうなってしまったのでしょうか?


ミックスが薄い!

まず、薄い。
ページ数にして168ページ。
前巻の16巻は192ページ収録であり、
その差24ページ。
実質一話弱分ボリュームが少ないのに、
ミックスの値段は同じなのです。

amazonレビューではこの点に対し、
「出せばどうせ買うんだろ?
というファンを舐めた心理が透けて見える」
という辛辣な指摘がありました。
…まぁ、実際私などは
まんまと買ってるわけですが。


展開がワンパターン

もっとも、コミックス
多少薄い程度のことは、
ファンからすれば瑣末なことです。
思い返せば、SBR18巻など
これまでにも薄い巻が
無かったわけではありません。
冊子が薄かろうとも、最終的に
中身が十分に面白ければ
それでよかろうなのです。

しかし、ジョジョリオン17巻は、
その肝心の内容が、これまでの悪い点を
全て詰め込んだかのような内容でした。

第一に展開がとにかくワンパータンです。
「新たな敵スタンド使いが登場」
→「主人公、または味方が敵スタンドの能力に巻き込まれる」
→「ピンチを能力で切り抜ける」
→「敵スタンド使いを倒す」
→「新たな敵スタンド使いが登場」…
ずっとこの繰り返しです。

この方程式を17巻の
内容に当てはめると…
「アーバン・ゲリラ&岩生物が登場」
→「定助&康穂が敵スタンドの能力に巻き込まれる」
→「ピンチを能力で切り抜ける」
→「アーバン・ゲリラ&岩生物を倒す」
→「新たな敵、プアー・トムが登場」
と、このように綺麗に当てはまってしまいます。

ここで、ジョジョがスタンドバトルの
繰り返しなのは昔から同じだろ
というご指摘があるかもしれません。

ですが、例えば第四部であれば、
ストーリーの縦軸として、物語の中盤から
吉良吉影という魅力的な悪役が登場し、
第五部であれば、途中でボスの娘の護衛から、
ボスの撃破に目的がシフトすると言った
物語の大きな転回があって、
ジョジョリオンのようなマンネリ感を
感じることはありませんでした。

では、ジョジョリオンではどうか?
この点について、次項でより詳しく
確認していきます。


物語のゴールが一向に見えてこない

ジョジョリオンの場合、
17巻に至っても未だラスボスの正体はおろか、
その目的すら明らかにされていません。

17巻といえば、
ジョジョで最長の連載となった
SBRですら、既に最大の敵である
ヴァレンタイン大統領との
対決に入っていた時期であり、
そもそも六部以前であれば、全て17巻以内で
ひとつの部が完結していたものです。

ところが8部では、
岩人間という敵グループこそ
登場していますが、その規模や
組織の実態、そしてリーダーが誰かなど
読者にとって最大の関心事については
一切が明かされないまま物語が続いています。

17巻で新たに
登場したプアー・トムも
岩人間のリーダーなのか、
組織でどういう役割なのかなど
一切不明です。

過去作であれば、「DIOを倒す」、
「吉良を追い詰める」、「ボス(ディアボロ)を倒す」
、「プッチ神父を倒す」、
「レースに優勝する or 聖人の遺体を揃える」
といった明確な物語のゴールが示されていました。

第八部にはそれがないので、
読んでいて今物語が全体的にどのくらい
進んでいるのかわからず、そのため
読んでいる方としては
今ひとつモチベーションが湧かないのです


主人公、東方定助に感情移入しづらい

これは、完全に個人的な意見ですが、
ジョジョリオンの主人公定助は、
歴代主人公と比べて、
自然に感情移入できる魅力に
欠けているように感じます。

その理由はいくつかあって、
第一には、定助の目的意識に
いまいち共感し辛いという点です。

まず、序盤の目的は
失った自分の記憶と
正体を見つけることでした。

失った記憶を取り戻したいという
気持ち自体はわかるのですが、
例えば第二部の「祖父の世代の因縁と
地球の危機に立ち向かう」
あるいは七部の「レースに優勝して
無実の少年を救う」、「マイナスから
0に戻りたい」という明快で
強い動機と比べると、どうしても
訴求力に欠けているように思えます。

作中中盤で自分の正体を知った後は、
定助の目的は、吉良の母親であり、
仗世文の命の恩人でもある、
ホリィさんの命を救うことにシフトします。

「母親(恩人)の命を救いたい」
という目的自体は、記憶喪失者の
自分探しに比べて、シンプルで
想像しやすい状況であり、
感情移入しやすいテーマかもしれません。

ですが、なにせ定助が
この決意をしたタイミングが
14巻も経過した物語中盤であり、
またホリィさんの人物描写や
定助、吉良との絆を感じさせる
挿話もほとんどなく、
物語を動かすほどの目的としては
まだ弱いように感じられます。

ちなみに、母親を救うという目的は、
第三部の空条承太郎も同じでしたが、
あちらは三部当初から目的が明確であり、
ホリーさんの承太郎に対する
愛情がきちんと描かれていて、
さらにバリバリに不良の承太郎が、
母の命を救うために立ち上がるという
ギャップもあって、物語の動機としては
ジョジョリオンよりずっと
強力であったように思います。


名脇役、名悪役の不在

ジョジョリオンには、
今までの部には必ずいた
名脇役、名悪役が圧倒的に不足しています。

作中のバトルはほとんど定助が行い、
他はあったとしても広瀬康穂が
ちょろっと戦うか、東方常秀が
本筋に絡まないところで
戦う程度です。

しかも、バトルが
定助に偏ることで
必然的にソフト・アンド・ウェットが
万能にならざるを得ず、後述の
ソフト・アンド・ウェット万能すぎ
問題にも繋がっています。


ジョジョリオンの味方不足について

ジョジョリオンにおける
味方キャラは、康穂を除けば
東方家の面々かと思いますが、
例えば、大弥やつるぎの場合は
能力が限定的で戦闘に向かず、
鳩や常秀は性格的に
定助の目的のために
戦闘に参加するとは思えません。

長兄の常敏に至っては現状、
常助に敵対的な立場を取っており、
母花都はまだ具体的な行動が
描写されていません。

東方家の家長憲助は、
一家の中では一番定助に協力的であり、
戦闘にも使えるスタンドを持っていますが、
立場上、家を離れて
動き回ることは難しいでしょう。

また、定助の半身である
仗世文を慕っていた作並カレラは、
スタンドが「毛を生やす」という
これまた戦闘向きでないこと、
加えて自己中な性格であることから
やはりバトル描写は難しいでしょう。

このように、
かつてのポルナレフや康一のように、
主人公並みに活躍できる脇役がおらず、
そのため定助のバトルが
多くなってしまっている部分もあります。


ジョジョリオンの敵役について

ジョジョリオンの最大の敵役は、
やはり岩人間ですが、
彼らが敵役として良い
役割を果たしているかといえばそれも疑問です。

人間と違う種族、という
不気味さはよく伝わってくるのですが、
現在のところその目的は「金儲け」や
「人間社会に溶け込むこと」という、
どうにもこぢんまりしたものであり、
どうしても倒さなければならない敵
という必然性にかけています。

五部のホルマジオや
プロシュート兄貴、六部のリキエルのような
熱さがあるわけでもなく、四部の小林玉美や
山岸由花子のように再登場もしないため、
どうにも個々の印象が
薄くなってしまいがちな点も残念。

ただし、ラスボスが未登場ですので、
もしかしたら今後、DIOや吉良、
ヴァレンタイン大統領脳のような、
魅力あるラスボスが
登場する可能性が残されています。
そこは、期待したいところですね。


絵に”凄み”を感じない

これはamazonレビュー内で
特に多かった意見ですが、
絵がごちゃごちゃしていて
何が起こっているのか分かり辛い
という指摘があります。

私としては、ジョジョの絵が
見辛いのは今に始まったことではなく、
そこは大して気になりませんでした。

ですが、これはファンとして
あまり言いたくはないことですが、
主に七部中盤以降、絵から
ジョジョの持ち味でもあった「凄み」が
抜け落ちて、妙に淡白に
なってしまったように思うのです。

これは、ジョジョ展のポスターや
過去作のキャラを見れば一目瞭然であり、
例えばジョジョニウム表示のカーズなど、
ローマの地下遺跡ではなく、
新宿二丁目のバーを探したほうが
よっぽどエンカウントしそうな
オカマに成り果てています。

また、モブキャラの
杜王町の住民たちが、
軒並みできの悪いマネキンのような
虚ろで生気のない表情をしている
点も受け付けません。

ジョジョといえば、
味のあるモブキャラたちも
隠れた見どころであり、
同じ杜王町を舞台とする
第四部であれば、
吉良の同僚や、ムカデ屋の親父、
ジャミラ(莉央ちゃんの隣人)など、
今でも記憶に残る
生き生きとした名脇役たちがいました。

しかし、ジョジョリオンに出てくる脇役は、
カツアゲロードの住人や
常秀をリンチしようとした店長など、
性格が悪い上に可愛げがないという、
どうしようもないやつらばかりで、
読んでいてちょっとした不快感すら感じます。

こうした変化を、作者の成長、
作風の変化として受け止めるのが
ファンとして正しい姿勢かもしれませんが、
第三部後編から第五部にかけての
あのギリシャ彫刻のように美しい
絵に惚れた身としては、
今の枯れ木のような無機質な絵柄に対し、
一抹の無常感を覚えずにはいられません。


主人公のスタンドが万能すぎる

ジョジョの醍醐味といえば、
手に汗握る頭脳戦と、
スタンド能力の駆け引きですが、
ジョジョリオンはこのスタンドバトルも
正直つまらないです。

その最大の原因は、主人公定助の
「ソフト・アンド・ウェット」の能力が
あまりに万能すぎるからでしょう。

そもそも、「奪う」能力というのが曖昧であり、
「〜を奪った」と主張すれば
大概の状況が打開できてしまうため、
本当にこの的に勝てるのか!?という
緊迫感がなく、「どうせ奪う能力で
逆転するんでしょ」という
予定調和的な印象を抱いてしまいます。

例えば、17巻のアーバン・ゲリラ戦を見ても、
・シャボン玉で定助の体重を支える描写には
さすがに無理があるのではないか?
・あれほどの大爆発を間近で受けて
なぜシャボン玉で防御できたのか?
・そもそも合体状態のアーバン・ゲリラに
シャボン玉を送り込めるなら、
なぜもっと早い段階で視力や聴力などを
奪っておかなかったのか
など、様々な疑問が気になって
純粋にバトルを楽しめませんでした。

今更ジョジョに突っ込むのは野暮かもしれませんが、
それにしても粗が多すぎるとは思います。

あと、ヒロイン広瀬康穂の
ペイズリー・パーク。
あれもいただけない。

ペイズリー・パークの能力は、
「自分や他人を行くべき方向や場所に導く能力」
と作中で定義されています。

しかしそれは同時に、
「〜だから〜という行動をとり、
そして〜という結果を得た」という
ジョジョの頭脳戦の結果を
丸ごとの無しにしてしまう能力でもあり、
過程込みでバトルを楽しみたい私としては、
ペイズリー・パークの能力にる逆転は、
どうにも腑に落ちない、
ご都合感のあるものに映ってしまいます。

一方、レギュラーの一人である
常秀の「ナット・キング・コール」などは
触れた部分にナットを設置し解体でき、
違った物体同士を接続することもできる
という面白い能力であり、
こういうスタンドこそ
バリバリ活躍して欲しいものなのですが、
いかんせん本体の常秀が
小物&ヘタレであり、
一向に強敵とのスタンドバトルを
魅せてくれる気配もありません。

「手綱に波紋を流して神砂嵐を封じる」
「イギーの砂を巻き上げて暗黒空間の軌道を読む」
「治す能力で敵の肉体を治し、追跡する」
「老化させる能力を自分に使い、
老人に変装しだまし討ちする」
などといった、かつて私たちを
魅了した熱い頭脳戦を、
スタンド能力を出す以上は
ジョジョリオンにも期待したいものですが、
もうそれは無理なのでしょうかね?


おわりに

以上、私がこれまで
ジョジョリオンを読んで感じた
不満点のすべてでした。
あくまでも個人的見解ですが、
正直な感想です。

色々とキツく書いてしまいましたが、
それでも、今後ジョジョリオン
新刊が出ればやっぱり買うと思います。

好きなシリーズが、自分の好きだった頃と
かけ離れていく姿を見るのは辛いですが、
ファンとして、作品が続く限りは
その動向をチェックし続けていきたいと思います。