圧倒的センス!タイトルが格好良すぎる小説・哲学書34選

読書

ブログ記事にせよ本にせよ
優れたタイトルは
私たちの想像力を掻き立て
その中身を読んでみたいと
思わせる役割を果たします。

本日は私の心に響いた
格好良すぎる名タイトルの本を
32選ピックアップしてみました。

個人的に思い入れのある本には
手短な感想&解説も併記してます。

それでは、どうぞ。

  1. タイトルが格好良すぎる本X選
    1. 『流れよわが涙、と警官は言った』
      著者 : フィリップ・K・ディック
      原題 : Flow My Tears, the Policeman Said
    2. 存在の耐えられない軽さ
      著者 : ミラン・クンデラ
      原題 : The Unbearable Lightness of Being
    3. 永遠も半ばを過ぎて
      著者 : 中島らも
    4. 『百年の孤独』
      著者 : ガブリエル・ガルシア=マルケス
      原題 : Cien años de soledad
    5. アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
      著者 : フィリップ・K・ディック
      原題 : Do Androids Dream of Electric Sheep?
    6. たったひとつの冴えたやり方
      著者 : ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
      原題 : The Only Neat Thing to Do
    7. 世界の中心で愛を叫んだけもの
      著者 : ハーラン・エリスン
      原題 : The Beast that Shouted Love at the Heart of the World
    8. 天の光は全て星
      著者 : フレドリック・ブラウン
      原題 : The Lights in the Sky Are Stars
    9. 月は無慈悲な夜の女王
      著者 : ロバート A ハインライン
      原題 : Do Androids Dream of Electric Sheep?
    10. ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを
      著者 : カート・ヴォネガット・ジュニア
      原題 : God Bless You, Mr. Rosewater
    11. 誰がために鐘は鳴る
      著者 : アーネスト・ヘミングウェイ
      原題 : For Whom the Bell Tolls
    12. 一粒の麦もし死なずば
      著者 : アンドレ・ジッド
      原題 : Si le grain ne meurt
    13. ツァラトゥストラかく語りき
      著者 : フリードリヒ・W. ニーチェ
      原題 : Do Androids Dream of Electric Sheep?
    14. 愛はさだめ、さだめは死
      著者 : ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
      原題 : Love Is the Plan the Plan Is Death
    15. 銃・病原菌・鉄
      著者 : ジャレド・ダイアモンド
      原題 : Guns, Germs, and Steel: the Fates of Human Societies
    16. ロング・グッドバイ(長いお別れ)
      著者 : レイモンド・チャンドラー
      原題 : The Long Goodbye
    17. 限りなく透明に近いブルー
      著者 : 村上龍
    18. 八月の光
      著者 :
      フォークナー 原題 : Light in August
    19. 夜と霧
      著者 : ヴィクトール・E・フランクル
      原題 : A MAN SEARCH FOR MEANING
    20. 敗れざる者たち
      著者 : 沢木耕太郎
    21. 最後から二番目の真実
      著者 : フィリップ・K・ディック
      原題 : The Penultimate Truth
    22. アルジャーノンに花束を
      著者 : ダニエル・キイス
      原題 : Flowers for Algernon
    23. ずぶぬれて犬ころ
      著者 : 住宅 顕信
    24. 永遠平和のために
      著者 : イマヌエル・カント
      原題 : Zum Ewigen Frieden
    25. 死に至る病
      著者 : セーレン・キェルケゴール
      原題 : Sygdommen til Døden
    26. 論理哲学論考
      著者 : ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
      原題 : Logisch-Philosophische Abhandlung
    27. 蒼穹の昴
      著者 : 浅田次郎
    28. 死にゆく者への祈り
      著者 : ジャック・ビギンズ
      原題 : A Prayer for the Dying
    29. 亡国のイージス
      著者 : 福井 晴敏
    30. 罪と罰
      著者 : ドストエフスキー
      原題 : Преступление и наказание
    31. 星の海に魂の帆をかけた女
      著者 : コードウェイナー・スミス
      原題 : The Lady Who Sailed the Soul
    32. 10月はたそがれの国
      著者 : レイ・ブラッドベリ
      原題 : The October Country
    33. 老いたる霊長類の星への賛歌
      著者 : ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
      原題 : Star Songs of an Old Primate
    34. 夜の果てへの旅
      著者 : セリーヌ
      原題 : Voyage au bout de la nuit
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タイトルが格好良すぎる本X選

『流れよわが涙、と警官は言った』
著者 : フィリップ・K・ディック
原題 : Flow My Tears, the Policeman Said

流れよわが涙、と警官は言った

流れよわが涙、と警官は言った

三千万人のファンから愛されるマルチタレント、ジェイスン・タヴァナーは、安ホテルの不潔なベッドで目覚めた。昨夜番組のあと、思わぬ事故で意識不明となり、ここに収容されたらしい。体は回復したものの、恐るべき事実が判明した。身分証明書が消えていたばかりか、国家の膨大なデータバンクから、彼に関する全記録が消え失せていたのだ。友人や恋人も、彼をまったく覚えていない。“存在しない男”となったタヴァナーは、警察から追われながらも、悪夢の突破口を必死に探し求めるが…。現実の裏側に潜む不条理を描くディック最大の問題作。キャンベル記念賞受賞。

「BOOK」データベースより

劇中の一場面を切り取ったような
臨場感あふれるタイトルセンスに脱帽です。

存在の耐えられない軽さ
著者 : ミラン・クンデラ
原題 : The Unbearable Lightness of Being

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)

本書はチェコ出身の現代ヨーロッパ最大の作家ミラン・クンデラが、パリ亡命時代に発表、たちまち全世界を興奮の渦に巻き込んだ、衝撃的傑作。「プラハの春」とその凋落の時代を背景に、ドン・ファンで優秀な外科医トマーシュと田舎娘テレザ、奔放な画家サビナが辿る、愛の悲劇―。たった一回限りの人生の、かぎりない軽さは、本当に耐えがたいのだろうか?甘美にして哀切。究極の恋愛小説。

「BOOK」データベースより

一目見て痺れた名タイトル。
先の「流れよわが涙〜」もそうですが
体言止めが絶妙な余韻を生んでいます。

ちなみにこちらの本、
私も文庫版を所有していますが
実は個人的に恋愛小説は少々苦手で
まだ最後まで読めていなかったりします。。。

永遠も半ばを過ぎて
著者 : 中島らも

永遠も半ばを過ぎて (文春文庫)

永遠も半ばを過ぎて (文春文庫)

「えっ。ユーレイが小説を書いたの!?」巨大タニシの母貝1個1億円の商談をしくじった三流詐欺師の俺にも、運がめぐってきたようだ。謎の原稿を出版社に持ち込んだところ、文壇の大事件に発展し…。うふふ。ここは腕の見せどころ。輪舞するコメディ。あふれ出る言霊。待ってましたの痛快らもワールド。

「BOOK」データベースより

放送作家、小説家、ミュージシャンなど
幅広い活動で知られた中島らもの長編小説。
「永遠」に「半ば」という言葉が続く
ユーモアが効いたタイトルセンスが秀逸。

内容は「詐欺」と「稀覯本」をテーマとして
シニカルで痛快な"らも節"が随所に発揮されています。

百年の孤独
著者 : ガブリエル・ガルシア=マルケス
原題 : Cien años de soledad

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底なしの孤独は、絶望と野望、苦悶と悦楽、現実と幻想、死と生、すなわち人間であることの葛藤をことごとく呑み尽しながら…。20世紀が生んだ、物語の豊潤な奇蹟。

「BOOK」データベースより

1982年にノーベル文学賞を受賞した
南アメリカ文学を代表する作家
ガブリエル・ガルシア=マルケスの代表作。

架空の街マコンドを舞台とする本書は
ある一族の百年の盛衰を描き、
そのタイトルに反して多くの人物が登場する
壮大な大河小説です。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
著者 : フィリップ・K・ディック
原題 : Do Androids Dream of Electric Sheep?

長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。そのため異星での植民計画が重要視されるが、過酷で危険を伴う労働は、もっぱらアンドロイドを用いて行われている。また、多くの生物が絶滅し稀少なため、生物を所有することが一種のステータスとなっている。そんななか、火星で植民奴隷として使われていた8人のアンドロイドが逃亡し、地球に逃げ込むという事件が発生。人工の電気羊しか飼えず、本物の動物を手に入れたいと願っているリックは、多額の懸賞金のため「アンドロイド狩り」の仕事を引き受けるのだが…。

「BOOK」データベースより

映画『ブレードランナー』の
原作としても有名なSF小説の金字塔。

とはいえ映画版とはかなり違いが多く、
映画を既に見た方も楽しめる内容となっています。

たったひとつの冴えたやり方
著者 : ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
原題 : The Only Neat Thing to Do

やった!これでようやく宇宙に行ける!16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型スペースクーペを改造し、連邦基地のチェックもすり抜けて、そばかす娘コーティーはあこがれの星空へ飛びたった。だが冷凍睡眠から覚めた彼女を、意外な驚きが待っていた。頭の中に、イーアというエイリアンが住みついてしまったのだ!ふたりは意気投合して〈失われた植民地〉探険にのりだすが、この脳寄生体には恐ろしい秘密があった…。

「BOOK」データベースより

アメリカの女流作家、
ジェイムズ・ティプトリー・JrSF小説

タイトルの「たったひとつの冴えたやり方」が
何を意味するのか、それは本書を
最後まで読み終えたとき明らかになります。

世界の中心で愛を叫んだけもの
著者 : ハーラン・エリスン
原題 : The Beast that Shouted Love at the Heart of the World

人間の思考を超えた心的跳躍のかなた、究極の中心クロスホエン。この世界の中心より暴力の網は広がり、全世界をおおっていく……暴力の神話、現代のパンドラの箱を描いた表題作など、短篇十五篇を収録。米SF界きっての鬼才による、めくるめくウルトラ・ヴァイオレンスの世界

ハヤカワオンラインより

アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』最終話のサブタイトル
及び一斉を風靡した恋愛小説
世界の中心で、愛をさけぶ』の
ネタ元としても有名なSF短編集。

哲学的でバイオレンス色も強く、
読み手を選ぶのが珠に傷ですが
ハマる人はとことんハマる一冊。
ちなみに個人的なオススメは「少年と犬」です。

天の光は全て星
著者 : フレドリック・ブラウン
原題 : The Lights in the Sky Are Stars

1997年、人類は星々に対する情熱を失い、宇宙開発計画は長い中断の時期に入っていた。星にとり憑かれた57歳のもと宇宙飛行士マックス・アンドルーズは、そんな世界で無為の日々を過ごしていた。しかし、木星探査計画を公約に立候補した女性上院議員候補の存在を知ったとき、彼の人生の歯車は再び動き始める。もう一度、宇宙へ―老境に差しかかりつつも夢のために奮闘する男を、奇才ブラウンが情感豊かに描く古典的名作。

「BOOK」データベースより

アニメ『天元突破グレンラガン
第27話のサブタイトルになり、
そのことで一時期中古価格が高騰した
逸話を持つフレドリック・ブラウンの長編SF小説

これに限らず海外SF小説の邦訳って
なぜか名タイトルが多いんですよね。

月は無慈悲な夜の女王
著者 : ロバート A ハインライン
原題 : Do Androids Dream of Electric Sheep?

月は無慈悲な夜の女王

月は無慈悲な夜の女王

2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した! 流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取され続けてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイク。だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには……ヒューゴー賞受賞に輝くハインライン渾身の傑作SF巨篇。

「BOOK」データベースより

夏の扉」でも有名なハインラインSF小説

この作品は未読ですが
漫画のタイトルや某ネット掲示板のSF板の
デフォルト名がこのタイトルのもじりだったりと
そのインパクトから様々なところでパロられています。

ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを
著者 : カート・ヴォネガット・ジュニア
原題 : God Bless You, Mr. Rosewater

聞きたまえ! 億万長者にして浮浪者、財団総裁にしてユートピア夢想家、慈善事業家にしてアル中である、エリオット・ローズウォーター氏の愚かしくも美しい魂の声を。隣人愛に憑かれた一人の大富豪があなたに贈る、暖かくもほろ苦い愛のメッセージ……現代最高の寓話作家が描く、黒い笑いに満ちた感動の名作!

「BOOK」データベースより

本の内容も含めて選出。

カート・ヴォネガットといえば
シニカルで素直じゃない(良い意味で)
独特な作風がよく知られていますが
この「ローズウォーターさん」もその例に漏れず。

狂人・エリオット・ローズウォーターの姿を通じて
金に縛られた現代社会とそこに生きる
人々の姿を冷たく笑い飛ばしてくれます。

誰がために鐘は鳴る
著者 : アーネスト・ヘミングウェイ
原題 : For Whom the Bell Tolls

誰がために鐘は鳴る(上) (新潮文庫)

誰がために鐘は鳴る(上) (新潮文庫)

1930年代後半、スペイン内戦。共和国側の義勇兵であるアメリカ人ジョーダンは、山峡の橋の爆破を命ぜられる。協力するゲリラ隊には、腹の読めないパブロ、女傑ピラール、そして敵側に両親を殺された娘、マリアらがいた。無垢なマリアと恋に落ちたジョーダンだが、死を賭した作戦決行が数日後に迫っていた。内戦取材を元に、激動する運命と愛を生々しく描き切る、ヘミングウェイ畢生の大作。

「BOOK」データベースより

ヘミングウェイの小説も
邦題が素晴らしいものが多くありますが
私的にはこれが一番好き。

本作の内容とは全く関係ないですが
昔GBで「カエルの為に鐘は鳴る」という
本作のタイトルをパロったゲームがありましたね。

一粒の麦もし死なずば
著者 : アンドレ・ジッド
原題 : Si le grain ne meurt

一粒の麦もし死なずば (新潮文庫 シ 2-8)

一粒の麦もし死なずば (新潮文庫 シ 2-8)

フランスの作家アンドレ・ジッドの自叙伝。1920年に上巻12部、翌年に下巻13部が著者秘蔵本としてつくられたが、26年にようやく公刊された。幼年期から26歳で婚約するまでの回想で、自分の欠点や悪癖が吐露されているので、周囲の者は極力刊行中止を勧めたが、彼は敢然として公刊した。彼の自己愛や同性愛の趣味がいささかのためらいもなく語られていると同時に、彼の一生を通じて変わることのなかった美しいものや弱い者に対する共感や憐憫(れんびん)などが、その萌芽(ほうが)の状態において語られている。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説 より

ノーベル文学賞の受賞歴もある
フランスの作家アンドレ・ジッドが
過去の同性愛の経験も含めて
自分の人生を赤裸々に暴露した自叙伝。

そんな本なのにあえて
「一粒の麦もし地に落ちて死なずば、
ただ一つにてあらん、死なば多くの実を結ぶべし」
という聖書(ヨハネ伝)にちなんだ
タイトルをつけているところがなんとも素晴らしいセンスです。

ツァラトゥストラかく語りき
著者 : フリードリヒ・W. ニーチェ
原題 : Do Androids Dream of Electric Sheep?

ツァラトゥストラかく語りき (河出文庫)

ツァラトゥストラかく語りき (河出文庫)

「わたしはこの本で人類への最大の贈り物をした」(ニーチェ)。あかるく澄み切った日本語による正確無比な翻訳で、いま、ツァラトゥストラが蘇る。現在もっとも信頼に足るグロイター版ニーチェ全集原典からの初の文庫完全新訳。読みやすく、しかもこれ以上なく哲学的に厳密な、ツァラトゥストラ訳の新標準が、遂にあらわれた。―この危機の時代のために。ふたたび。諸君、ニーチェは、ここにいる。

「BOOK」データベースより

おそらく日本で一番有名な
西洋の哲学書

ニーチェほど私たちの厨二心を
巧みに刺激する哲学者も他にないですね(笑)

愛はさだめ、さだめは死
著者 : ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
原題 : Love Is the Plan the Plan Is Death

自然と本能のまえにとまどう異星生物のライフサイクルを、斬新なスタイルで描き、1973年度ネビュラ賞に輝く表題作ほか、コンピュータによって他人の肉体とつながれた女の悲劇を通して、熾烈な未来社会をかいま見せ、1974年度ヒューゴー賞を獲得したサイバーパンクSFの先駆的作品「接続された女」、ユカタン半島に不時着した飛行機の乗客が体験した意外な事件を軸に、男女の性の落差を鋭くえぐった問題作「男たちの知らない女」など、つねにアメリカSF界の話題を独占し、注目をあつめつづけたティプトリーが、現代SFの頂点をきわめた華麗なる傑作中短篇全12篇を結集!

「BOOK」データベースより

銃・病原菌・鉄
著者 : ジャレド・ダイアモンド
原題 : Guns, Germs, and Steel: the Fates of Human Societies

なぜ人類は五つの大陸で異なる発展をとげたのか。分子生物学から言語学に至るまでの最新の知見を編み上げて人類史の壮大な謎に挑む。ピュリッツァー賞受賞作。

「BOOK」データベースより

この本、大陸ごとの
文明の発展の差という着眼点や
その問いに対する答えの出し方など
内容自体も非常に興味深いものでしたが
なんといっても秀逸なのがこのタイトル。

銃、病原菌、鉄という
一見脈絡のない3ワードを並べて
読者の興味を引きつけるセンスの良さは
一朝一夕で真似できるものではないですね。

ロング・グッドバイ(長いお別れ)
著者 : レイモンド・チャンドラー
原題 : The Long Goodbye

私立探偵のフィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。
あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。
何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。
しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。
が、その裏には悲しくも奥深い真相が隠されていた……

Amazon 内容紹介 より

タフで義理堅い
永遠のハードボイルド・ヒーロー
フィリップ・マーロウを生んだ長編探偵小説。

一見シンプルですが
本を読み終えてから改めて見返すと
このタイトルの良さがしみじみ感じられるんですよね。

限りなく透明に近いブルー
著者 : 村上龍

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。群像新人賞芥川賞受賞。

Amazon 内容紹介 より

戦後日本の小説で一番
タイトルセンスの良い一冊を選べと言われたら
私は迷わずこれを選びます。

そしてその内容も
タイトルに負けず劣らずインパクト抜群。
これと、同著者の「イン・ザ・ミソスープ」を
最初に読んだときの衝撃は今も忘れられません。

八月の光
著者 :
フォークナー 原題 : Light in August

八月の光 (新潮文庫)

八月の光 (新潮文庫)

臨月の 田舎娘リーナ・グローヴが自分を置き去りにした男を求めてやってきた南部の町ジェファスン。そこでは白い肌の中に黒い血が流れているという噂の中で育ち、「自分が何者か分からぬ」悲劇を生きた男ジョー・クリスマスがリンチを受けて殺される—素朴で健康な娘と、南部の因習と偏見に反逆して自滅する男を交互に描き、現代における人間の阻害と孤立を扱った著者の代表的な作品である。

文庫版裏 内容紹介 より

フォークナーはあまりとっつきやすい
作家ではないですがこれは登場人物も限られていて
比較的読みやすかったですね。

作品の舞台である南アメリカを照らす8月の光、
そして輝く光のような健康さと希望に満ち溢れた
リーナを暗示するタイトルもシンプルながら素敵です。

夜と霧
著者 : ヴィクトール・E・フランクル
原題 : A MAN SEARCH FOR MEANING

夜と霧 新版

夜と霧 新版

本書は、みずからユダヤ人としてアウシュヴィッツに囚われ、奇蹟的に生還した著者の「強制収容所における一心理学者の体験」(原題)である。
「この本は冷静な心理学者の眼でみられた、限界状況における人間の姿の記録である。
そしてそこには、人間の精神の高さと人間の善意への限りない信仰があふれている。
だがまたそれは、まだ生々しい現代史の断面であり、政治や戦争の病誌である。
そしてこの病誌はまた別な形で繰り返されないと誰がいえよう」

訳者あとがき より

敗れざる者たち
著者 : 沢木耕太郎

敗れざる者たち (文春文庫)

敗れざる者たち (文春文庫)

目次 クレイになれなかった男 三人の三塁手 長距離ランナーの遺書 イシヒカル、おまえは走った! さらば、宝石 ドランカー<酔いどれ>
人生でただ一度だけの青春の時を菖蒲の世界に賭けて燃え尽きていった者たちの姿を、若きノンフィクションライターが哀惜こめて描く情熱的スポーツロマン。<br>無人のリングやグラウンドに、ボクサーが、ランナーが、バッターが、サラブレッドが、騎手がたたずむ。彼らの曳く長い影が、あなたにははたして見えるだろうか。
ここに収められた六篇の作品は「勝負の世界に何かを賭け、喪った者たち」という主題に沿い五年間にわたってかきつづけられてきたものだ。それぞれが独立し完結してはいるが、その意味ではひとつのまとまった長篇と考えられなくもない。いや、むしろそう読まれることを望んでいるといった方が正直だろう。

あとがき より

ボクシング、野球、競馬など様々な世界の
勝者ではなく、あえて栄光を掴めなかった
敗者の側に焦点を当てたノンフィクション短編集。

時代こそ一昔前ですが、
勝負の世界に生きた男たちの熱さ、
そして報われないことの切なさなど
様々な情念が詰まったお気に入りの一冊です。

最後から二番目の真実
著者 : フィリップ・K・ディック
原題 : The Penultimate Truth

最後から二番目の真実 (創元SF文庫)

最後から二番目の真実 (創元SF文庫)

世界を二分して終わりなくつづく核戦争。地上を汚染する放射能をのがれて人々は無数の巨大な地下塔にひそみ、過酷な生活を送りつつ戦闘用ロボットの生産に追われている。ときおり地上の模様が上映されるが、戦争は帰趨を決する気配もない―だが、これはすべてまやかしだった。戦争は10年以上前に終結しており、少数の特権階級の支配する世界ができあがっていたのだ。新訳決定版。

「BOOK」データベース より

最後から"二"番目…?と
一瞬考えさせるタイトルが面白い。

内容はディックらしさの詰まった
シュールで想像力溢れるSF小説です。

アルジャーノンに花束を
著者 : ダニエル・キイス
原題 : Flowers for Algernon

32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していく…天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは?全世界が涙した不朽の名作。著者追悼の訳者あとがきを付した新版。

「BOOK」データベース より

既読者にとっては、
もうこのタイトルを目にしただけで
涙腺が刺激されてしょうがありません。

著者の心理学に対する深い造詣、
卓越したストーリーテリング能力、
そして魅力的なキャラクター造形力という
3点が完璧に調和した稀有な小説作品です。

ずぶぬれて犬ころ
著者 : 住宅 顕信

ずぶぬれて犬ころ

ずぶぬれて犬ころ

空色の地に、胴の短いとぼけた顔の犬と水たまり、その犬を見つめる少年と遠くに白い雲が線描きされた表紙。少年の首に巻かれた赤い布が妙に目をひく、小さな絵本のような俳句版画集。
句の作者は住宅顕信(すみたくけんしん)という珍しい名前の俳人。彼は浄土真宗本願寺派の僧侶だった。1961年岡山市に生まれ、1987年白血病で死去。享年25歳。短い句作人生を全速力で駆け抜けた。
Amazon 商品説明 より

住宅 顕信という人は
16歳で5歳年上の女性と同棲し子供を儲け、
22歳のときには出家し僧侶になり、
そして25歳という若さで
白血病で他界した異色の経歴を持つ俳人です。

その句は病床の哀しみを滲ませつつも
読む者の心を強く打つ鋭い感性が光ります。

永遠平和のために
著者 : イマヌエル・カント
原題 : Zum Ewigen Frieden

永遠平和のために (岩波文庫)

永遠平和のために (岩波文庫)

世界の恒久的平和はいかにしてもたらされるべきか。カント(1724‐1804)は、常備軍の全廃、諸国家の民主化国際連合の創設などの具体的提起を行ない、さらに人類の最高善=永遠平和の実現が決して空論にとどまらぬ根拠を明らかにして、人間ひとりひとりに平和への努力を厳粛に義務づける。あらためて熟読されるべき平和論の古典。
「BOOK」データベース より

18世紀プロイセン王国(ドイツ)の哲学者
イマヌエル・カントの著書。

永遠平和というなんとも大仰なタイトルに
まったく名前負けしないところが
近代哲学の山場たるカントの凄いところですね。

死に至る病
著者 : セーレン・キェルケゴール
原題 : Sygdommen til Døden

死にいたる病 (ちくま学芸文庫)

死にいたる病 (ちくま学芸文庫)

死に至る病」とは絶望のことである。憂愁孤独の哲学者キェルケゴール(1813‐55)は、絶望におちいった人間の心理を奥ふかいひだにまで分けいって考察する。読者はここに人間精神の柔軟な探索者、無類の人間通の手を感じるであろう。後にくる実存哲学への道をひらいた歴史的著作でもある。
「BOOK」データベース より

エヴァのタイトルにも引用された
実存主義の哲学者
キェルケゴールの代表的著書。

私もそのタイトルから興味をもち
ページをめくったことがありましたが
言い回しのあまりの難解さに耐えられず
最初の数ページで脱落してしまいました(泣き)

論理哲学論考
著者 : ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
原題 : Logisch-Philosophische Abhandlung

論理哲学論考 (岩波文庫)

論理哲学論考 (岩波文庫)

「語りえぬものについては,沈黙せねばならない」という衝撃的な言葉で終わる本書は,ウィトゲンシュタイン(1889-1951)が生前に刊行した唯一の哲学書である.体系的に番号づけられた短い命題の集積から成る,極限にまで凝縮された独自な構成,そして天才的な内容.まさに底知れぬ魅力と危険をはらんだ著作と言えよう.
Amazon 内容紹介 より

のちの言語哲学分析哲学
多大な影響を及ぼした20世紀を代表する哲学者、
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの前期の著書。
漢字六文字のみという無愛想さが
かえって硬派な格好よさを感じさせます。

ちなみにこの本を出版した後、
ウィトゲンシュタインはこれで
「すべての哲学的問題は解かれた」として
哲学会から身を引き、以降は
母国オーストリアで小学校教師に転身したそうです。
(とはいえ、後年に自分でこの「論考」を否定して
再び新たな模索を始めることになるのですが)

蒼穹の昴
著者 : 浅田次郎

蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう――中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児(チュンル)は、占い師の予言を信じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀(ウェンシウ)に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた2人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつベストセラー大作!
Amazon 内容紹介 より

清朝中国を舞台とする
浅田次郎歴史小説

格調がありつつも重くなりすぎない
絶妙なタイトルの響きが気に入りました。

死にゆく者への祈り
著者 : ジャック・ビギンズ
原題 : A Prayer for the Dying

死にゆく者への祈り (ハヤカワ文庫 NV 266)

死にゆく者への祈り (ハヤカワ文庫 NV 266)

スクールバスを誤爆したことに罪悪感を持つアイルランド共和軍IRA)の元テロリスト・マーティンは神父と盲目の娘が暮らす教会へ身を寄せ、ギャングとIRAの元同僚に命を狙われながら神に罪の許しを請う。
Wikipedia より

未読ですが
想像が膨らむ良いタイトルです。

亡国のイージス
著者 : 福井 晴敏

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

在日米軍基地で発生した未曾有(みぞう)の惨事。最新のシステム護衛艦いそかぜ》は、真相をめぐる国家間の策謀にまきこまれ暴走を始める。交わるはずのない男たちの人生が交錯し、ついに守るべき国の形を見失った《楯(イージス)》が、日本にもたらす恐怖とは。日本推理作家協会賞日本冒険小説協会大賞大藪春彦賞をトリプル受賞した長編海洋冒険小説の傑作。(講談社文庫)
Amazon 内容紹介 より

イージスとはギリシア神話に登場する
女神アテナが所持する楯の名前であり
そして本作の舞台となる
イージスシステムを搭載した駆逐艦
イージス艦をも指しています

軍事用語が多数登場し、
一見難しそうな印象ですが
その実根幹となるのは親子の絆と
世代を超えた男の友情であり、
最後には心撼わす感動が待ち受ける
最高の海洋軍事サスペンスです。

罪と罰
著者 : ドストエフスキー
原題 : Преступление и наказание

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。
「BOOK」データベースより

あまりにも有名な
ロシアの文豪ドストエフスキーの代表作。

これ以上ないほど短く、
かつ作品の本質をついた
歴史に残る良タイトルですね。

星の海に魂の帆をかけた女
著者 : コードウェイナー・スミス
原題 : The Lady Who Sailed the Soul

1950年、あるSF雑誌に無名の新人の短篇が掲載された。異様な設定、説明なしに使われる用語、なかば機械の体の登場人物が繰り広げる凄まじい物語…この「スキャナーに生きがいはない」以来、“人類補完機構”と名づけられた未来史に属する奇妙で美しく、グロテスクで可憐な物語群は、熱狂的な読者を獲得する。本書はシリーズ全中短篇を初訳・新訳を交え全3巻でお贈りする第1巻。20世紀から130世紀までの名品15篇を収録。
「BOOK」データベースより

覆面作家として
数多くのSF作品を発表した
コードウェイナー・スミスの短編集
「スキャナーに生きがいはない」に
収められた一作品です。

10月はたそがれの国
著者 : レイ・ブラッドベリ
原題 : The October Country

10月はたそがれの国 (創元SF文庫)

10月はたそがれの国 (創元SF文庫)

松尾由美氏推薦――「束の間の明るさが闇の深さをきわだたせるような作品集」
朱川湊人氏推薦――「ページとともに開かれる異界への扉。まさに原点にして究極の作品集です。」
有栖川有栖氏推薦――「いつ読んでも、何度読んでも、ロマンティックで瑞々しい。」

ポオの衣鉢をつぐ幻想文学の第一人者、SFの抒情詩人ブラッドベリの名声を確立した処女短編集『闇のカーニバル』全編に、新たに5つの新作を加えた珠玉の作品集。後期のSFファンタジーを中心とした短編とは異なり、ここには怪異と幻想と夢魔の世界がなまなましく息づいている。ジョー・マグナイニの挿絵12枚を付す決定版。
東京創元社 商品ページより

老いたる霊長類の星への賛歌
著者 : ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
原題 : Star Songs of an Old Primate

理想の植民星を発見した探査船ケンタウルス号。だが、その唯一の帰還者で、異星生物を持ち帰った女性生物学者の報告が明かす恐るべき真実とは?…性心理を探求する「一瞬のいのちの味わい」、太陽フレアにまきこまれ、NASAとの接触を失ったサンバード号の乗務員が見た未来の地球の異様な姿を通して、ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞の栄冠に輝く「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?」など、つねにSF界に衝撃を与えつづけたティプトリーが、現代SFの頂点をきわめた傑作中短篇7篇をここに結集!
「BOOK」データベースより

夜の果てへの旅
著者 : セリーヌ
原題 : Voyage au bout de la nuit

夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫)

夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫)

夜の果てへの旅〈下〉 (中公文庫)

夜の果てへの旅〈下〉 (中公文庫)

全世界の欺瞞を呪詛し、その糾弾に生涯を賭け、ついに絶望的な闘いに傷つき倒れた“呪われた作家”セリーヌの自伝的小説。上巻は、第一次世界大戦に志願入隊し、武勲をたてるも、重傷を負い、強い反戦思想をうえつけられ、各地を遍歴してゆく様を描く。一部改訳の決定版。
「BOOK」データベースより

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