なぜ流行った!?海外の人気・有名なインターネットミーム11例

WEB

はじめに

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こんにちは、damaです。

本日は、世界中で
異常なまでのブームを巻き起こした
海外のインターネット・ミーム11種を、
人気が出た理由と実例付きでご紹介します。

ご紹介するミームは
人気が高じてその名前を冠した
会社まで設立された一匹の猫
や、
作者の意図しないブームに利用されて
最終的に作者の手で葬られてしまった
漫画のキャラクター
など
どれも一癖も二癖もあるものばかり。

それでは、お楽しみください!

2021/07/04 一部表記ミスを修正

海外のインターネット・ミーム11選

rage comics(レイジ・コミックス)

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rage comicsとは、
Microsoft paintで書き殴ったような
荒っぽい線が特徴的な
Webコミックのシリーズです。

内容は、人生における不条理や
切ない瞬間、または怒りを感じる瞬間を
パンチの効いたオチ着きで漫画化したものであり、
作品中でしばしば登場する印象的な表情
FFFFFUUUUUUUU-」や
Coolface」、「Me Gusta
などもまた、それぞれ単独に
インターネット・ミームとして認知されています。

rage comicsとその派生作品は
レスに使いやすい汎用性の高さから
4chやredditで重宝されており、
日本においてもまとめサイトなどを中心に
その存在感を高めつつあります。

参考資料

ragecomicsサンプル
(引用元 : http://joyreactor.com/post/555483)

※読み順 : 1行目左 → 1行目右 → 2行目左…

2コマ目 : RING RING(時計の鳴る音)

3コマ目 :「 7時だ!」

4コマ目 : 「学校へ行く準備をしないと!」

5コマ目 :「 まじかよ…」

6コマ目 :「 土曜日じゃねぇか!」

7コマ目 :「 俺は四年前に学校を卒業していた」

解説 : 学校はとっくの昔に卒業したのに、
遅刻したと勘違いして焦った朝の経験を描いた
日本人にも伝わりやすいあるあるネタです。

Nyan Cat / Pop Tart Cat(ニャンキャット)

概要

Nyan Catとは、
2011年にイラストレーターの
PRguitarma氏が製作した、
体がポップタルト(ケロッグ社の
トースターに乗せて食べるお菓子)
になっている猫のキャラクターおよび、
その猫がdaniwellP氏のボーカロイド楽曲
Nyanyanyanyanyanyanya!」を
バックに、宇宙空間を全力疾走する
Youtube上の動画を指します。

元々はPRguitarma氏が
自身のサイトに投稿したGIF動画に
saraj00n氏が「Nyanyanyanyanyanyanya!」
をBGMとしてYoutubeにアップしたところ、
その可愛らしさとシュールさ、
そして楽曲の中毒性が人気を呼び、
投稿後わずか2ヶ月で2000万再生を達成

その人気から大量の派生動画や
グッズ商品が作られ、最終的には
2011年の「Youtubeで再生数が
多かった動画ランキング」で5位に
入賞するという快挙を成し遂げました。

その影響力は
インターネットのみにとどまらず、
Nexus S™のCM(後述)や
映画「帰ってきたヒトラー」にも
代表的なネットミームの一例として
NyanCatが登場しています。

参考資料

Sprint - Nexus S™ 4G Cats - YouTube

Nyan catが登場したNexus S™ 4GのCM

Yao Ming Face / Bitch Please(ヤオ・ミンの顔)

Yao Ming Face
(引用元 : http://www.memegen.com/meme/c609z8)

概要

Yao Ming Face(ヤオ・ミンの顔)とは、
上海出身のバスケットボールプレーヤー
ヤオ・ミン(姚明)選手の朗らかな笑顔を
rage comics風に白黒トレースして
そこに文章を加えたり漫画風に加工した
インターネット・ミームです。

Bitch Pleaseとは
英語のスラングで、下らないことを
発言した相手に対して「馬鹿言うなよ
と突っ込むような意味合いがあり、
主に4chやredditで
相手の書き込みに対する
否定的なリアクションに使われています。

SCP Foundation(SCP財団)

SCP財団
(引用元 : http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im4782038)

当サイトでも何度か
まとめ記事を投稿している
投稿型創作SFホラーサイト、
SCP Foundation(SCP財団)もまた
有名なインターネット・ミームのひとつです。

2007年に誕生したこのサイトは
今や数万のミーム(=SCP)の親であり、
今なお、世界中で新たなミームを
生み出し続けています。

参考資料

www.taikutsu-breaking.com

手前味噌ですが…
当サイトのSCPまとめ記事です。
SCPの中でも特に人気の高いものを
解説付きでまとめています。

Grumpycat(グランピーキャット)

grumpycat

Grumpycatは、アメリカの
アリゾナ州郊外で飼われている、
とてつもなく不機嫌そうな顔をした
メスの飼い猫です。

2012年ごろに飼い主の兄である
Bryan氏がGrumpycatの写真を
redditでアップしたところ
その絶妙な表情が大ウケし、
ネットやSNS上で人気が爆発。

Tシャツやぬいぐるみなどの
グッズ展開、Grumpycat名義の
本の出版なども行われ、
一躍Grumpycatは
アメリカでもっとも有名な
ネコとなったのでした。

ちなみに現在Grumpycat
(本名はTardar Souce)は5歳になり、
飼い主のタバサ・バンセデンさんは
「Grumpycat」という
そのまんまな名前の会社を立ち上げ
メーカーへのライセンス契約などで
利益を得ているそうです。

参考資料

grumpycatサンプル
(引用元 : https://www.50-best.com/grumpy_cat_memes/pics/the_titanic_movie.htm)

「僕は映画のタイタニックが好き。
中でもお気に入りのキャラクターは
アイスバーグ(氷山)だね。」

Slender Man (スレンダーマン)

スレンダーマン

Slender Man (スレンダーマン)
真っ白な顔と黒いスーツ、
そして8フィート(約2.4m)を超える
長身を特徴とする、都市伝説型の
インターネット・ミームです。

スレンダーマンの初出は
2009年にアメリカの掲示板サイト
「Something Awful」で行われた
超常現象写真コンテストに、
Victor Surgeという利用者が
投稿した、子供たちの遊ぶ風景に
長身の真っ黒な男性を合成加工した
一枚の写真です。

スレンダーマンの写真
(Something Awfulに投稿された最初の写真)

その写真には、作者による
スレンダーマンが子供たちを
攫うのを目撃した
」という体の
巧妙な体験談が添えられており、
それを面白がった人々の手によって
スレンダーマンは一気にネット上へ拡散し、
多数のファンアートや
二次創作が生まれました。

そして映像作品化(Marble Hornets)や
ゲーム化(Slender: The Eight Pages)
なども行われ、結果としてスレンダーマンは
誕生からわずか数ヶ月で、
世界有数のインターネット・ミームに
登りつめることとなったのです。

神話の形成のモデルケースとして、
社会学者も注目する興味深いこの事例。
しかしながら、そのムーブメントの
最大の原動力が何だったかといえば、
やはり最初に、見るものの想像力を
掻き立てる写真とストーリーを投稿した、
Victor Surge氏のセンスの良さにこそ
あったと思われます。

ちなみに現在、スレンダーマンは
Victor Surge氏によって
正式に著作権登録されており、
実際にTVや映画の
差し止めも起きていたりします。

ですので、万が一本記事を読んで、
自分の創作物にスレンダーマンを
登場させたいと思われた方は
その辺くれぐれもご注意ください…

Yee (イー)

Yee - YouTube

Pap.. Pap.. Pap.. Pap.. Pap..
Pap.. Pap.. Pap.. Pap.. Pap.. Pap..
Pap.. Pap.. Pap.. Pap.. Pap.. Pap..

YEE

YEEEはアンキロサウルス風の恐竜が歌い、
ティラノサウルス風の恐竜が唐突に
気の抜けた声と表情で『Yee』と発声する
シュールなアニメーションビデオです。

元ネタは、2000年に放映された
ドイツの『The little Dinosaur』という
低予算アニメのイタリア語吹き替え版。

動画は、その登場キャラクターである
ティラノサウルスの先生(Oro)が
アンキロサウルスの生徒(Peek)の
名前を読んだ場面だったのです。

そのあまりに低品質なアニメーションと
不思議な中毒性を持つ内容から、
YEEEの動画は現在までに
六千万を超える再生回数を記録しており、
コメント欄には「毎日欠かさず観ている」と
語る熱心なファンも出現しています。

Leeroy Jenkins (リロイ・ジェンキンス)

Leeroy Jenkins HD 1080p - YouTube

Leeroy Jenkins
オンラインゲーム
「World of Warcraft」
の同名プレーヤーおよび、
2005年にYoutubeに投稿された
彼のプレイ動画を指します。

動画の内容を説明すると、
卵を踏むとチビドラゴンが
大量発生するボス部屋の前で
ギルドメンバーが作戦会議をする中、
途中退席から戻ってきた
リロイ(作戦内容を聞いていない)が
Time's up, let's do this!(もういいだろ、始めようぜ!)
と言い放ち、自分の名前を叫びながら単身突撃。
当然ながら部屋の罠が一気に作動し、
ギルドメンバーはあえなく
全滅することとなった…というもの。

この顛末がYoutubeへ公開されると
その愛すべきバカとでも言うべき
リロイのキャラクターが大受けし、
現在までに4600万回を超える
驚異的な再生回数を記録。

さらにその後、
World of Warcraftの世界観を
ベースとしたオンラインカードゲーム
ハースストーンに、彼の偉業(?)を讃えた
その名も「Leeroy Jenkins」が
まさかの実装を果たしました

ハースストーンのリロイ
(カード化されたリロイ・ジェンキンス
引用元 : https://hearthstone.gamepedia.com/Leeroy_Jenkins )

ちなみにハースのリロイは
必要なマナに対する火力が高く
なかなかにガチな性能を持つものの、
極端に体力が低く、さらに相手の場に
2体のちびドラゴンを召喚する
デメリットを持つため返しのターンで
ほぼ確実に死ぬ
という、ネタ元に
非常に忠実な性能となっています。

HEYYEYAAEYAAAEYAEYAA (ヒーマンの歌)

HEYYEYAAEYAAAEYAEYAA - YouTube

ストⅡのケンそっくりの
濃ゆいおっさんが、甲高い声で
ノリノリに歌う摩訶不思議なミーム。

おっさんの正体は、
80年代にアメリカで放映されたアニメ、
He-Man and the Masters of the Universeの
主人公HE-MAN(ヒーマン)であり、
歌われている曲はアメリカの
オルタナティブロックバンド
4 Non BlondesのWhat's Up?
という楽曲です。

事の発端は、
80年代のアニメ映像を使って
どれだけ面白い動画が作れるかという
チャレンジに取り憑かれた二人組の
アニメーターグループ、
SlackcircusがSomething Awfulの
フォーラム内に投稿した
Fabulous Secret Powers
という動画であり、それが後に
Youtubeへ転載されて爆発的な人気を獲得。

こうしてHe-manは晴れて
初期の最も有名なインターネット・ミームの
仲間入りを果たしたのです。

ちなみに、
動画内のヒーマンの歌声は全て
Slackcircusの肉声によるものです。

Poland Ball (ポーランドボール)

ポーランドボールマップ
(引用元 : https://www.reddit.com/r/polandball/comments/7hgur3/official_polandball_world_map_2017/)

Poland Ball (ポーランドボール)とは
ポーランドの国旗と同じ赤と白の
配色をしたボール状のキャラクターおよび、
そのキャラクターが登場する
国をテーマとした自由参加型の
ウェブコミック群を指します。

ポーランドボールに登場する
国家たちは、その配色や小物で
それぞれの国の特徴が表現されており、
その性質から漫画内では主に
歴史ネタ、政治ネタ、
国あるあるネタなどが
好んで取り上げられます。

また、ポーランドボールには
投稿に関するいくつかのルールがあり、
作品を読む前はそれらをある程
度把握しておくことをおすすめします。
以下、決まりごとの一例です。

  • ポーランドは宇宙へ行けない
  • ラトビア・アイルランド・ベラルーシはポテトを手に入れられない
  • ボールに手足や鼻などを追加しては行けない
  • エストニアを北欧に含めてはいけない
  • ボリビアは海に行けない

ポーランドボールは現在、
redditに大規模で活発な掲示板の
コミュニティが存在しています。

漫画の形式で読みやすく
なおかつ時事ネタ、国際ネタに強くなれるので
(ところどころ偏った知識もありますが)
空き時間などに勉強がてら
読んでみるのもおすすめですよ。

参考資料

ポーランドボールサンプル

1コマ目 : (アイルランド・イギリス・ドイツ・ベルギー) 「私たちはビールが大好きだ!」

2コマ目 : (フランス・イタリア・スペイン)「ワインは洗練されていてビールよりもっと良いぞ」「そうだ」

3コマ目 : (ロシア・フィンランド・ポーランド・ウクライナ)「 俺たちはウォッカを飲む」

4コマ目 : (イギリス)「チェコ君はどれが好き?ビールだよね?」(ロシア)「ウォッカだろ?」(フランス)「ワインだよな?

5コマ目 :(チェコ)「 うぅ…」

6コマ目 :(チェコ)「 ううううううう」

6コマ目 :(チェコ)「 あああああああああああああああ」

7コマ目 :(チェコ)「 ぐび ぐび ぐび(ビール、ウォッカ、ワインを一気飲み)」

8コマ目 :(イギリス)「 なんて変わったやつだ」

※補足 チェコのアルコール消費量が世界一であることを利用したネタ。
チェコ君はどれか一つを選ぶなんてことはできなかったのです。

www.reddit.com

redditのポーランドボールフォーラム。

polandball.blog.fc2.com

ポーランドボールの
日本語翻訳を掲載しているサイト。
入門編にどうぞ。

pepe the frog(カエルのペペ)

ぺぺ
(引用元 : http://knowyourmeme.com/memes/pepe-the-frog)

pepe the frogは、
マット・フュリーの漫画作品、
「ボーイズ・クラブ」に登場する、
擬人化されたカエルのキャラクターです。

元々は平和なキャラクター
という位置付けのペペでしたが、
2008年ごろから4chを中心に
コラ画像が流行し、2015年頃には
何故かオルタナ右翼による
ヘイト活動の象徴に祀り挙げられる

というとんでもない事態に陥ってしまいます。

トランプ風のぺぺ
(引用元 :http://knowyourmeme.com/photos/1028931-donald-trump )

ルペン風のぺぺ
(引用元 :http://knowyourmeme.com/memes/pepe-the-frog )

4chにはドナルド・トランプや
フランスの極右政党代表、ル・ペン氏と
ぺぺのコラ画像が大量に投下され、
挙げ句の果てに、ぺぺの旗を持って
右翼活動に参加する人物まで出る始末。

その影響は大きく、Facebookが
ぺぺを悪用した投稿を強制的に削除したり、
米国のユダヤ団体名誉毀損防止同盟(ADL)が、
ぺぺをヘイトの象徴として
データベースに登録するなど
社会的にもぺぺを排除する運動が強化。

そして2017年、
事態を重く見た原作者のフュリー氏は、
仲間たちがぺぺの葬式を行うストーリーを
ボーイズ・クラブに掲載するという形で
ぺぺの存在を完全に葬る決断を
するに至ったのです。

ぺぺの葬式
(ボーイズ・クラブに掲載されたぺぺの葬式の場面。
引用元 : https://thenib.com/rest-in-peace-pepe)

ミームが一人歩きして制御不能となり、
最後には生みの親に殺されるという、
あまりに悲惨な運命を辿ったカエルのぺぺ。
インターネット・ミームの持つ負の側面を
象徴するかのような出来事でした…

おまけ1 : 『ミーム』という言葉の由来は?

ミーム(meme)とは
イギリスの進化生物学者
リチャード・ドーキンスが
1970年代に提唱した、
生物の遺伝子のように
自身のコピーを残す性質を持つ
情報全般を指す科学用語であり、
遺伝子を意味する「gene」と
模倣を意味するギリシャ語、
mimeme」を語源に持ちます。

音楽、宗教、ファッション、思想など
人間の記憶に保存されるあらゆる情報が
ミームに該当しますが、ここはより
正確にそのニュアンスが伝わる様に
一つ具体的な例を挙げてみましょう。

例えば、私たちは300年前に行われた
バッハの演奏を聴くことはできませんが、
その譜面自体は今も簡単に入手でき、
自分で演奏するなりCDを聴くなりして、
当時と全く同じものを聴くことができますよね。

このことをミーム的に捉えると、
バッハの音楽というミームが
人間の記憶という乗り物に乗って、
あたかも遺伝子のように
300年後の現代へそのコピー(子孫)を
残すことに成功した

と言い換えることができるわけです。

そしてもしバッハが
記録手段のない時代に生まれていたり、
その音楽が凡庸なものだったのであれば、
環境に適応できなかった動物が絶滅した様に
バッハの音楽は時の流れの中で忘れられ、
現代までそのコピーを残すことは
できなかったはずです。

つまるところミームとは
情報を生命の様に見る考え方であり、
それは例えば「つらたん」「まじ卍
などといった近頃の女子高生の流行語や、
コカコーラ」「ペプシ」などの
飲料水ブランドなど、私たちの身近な
あらゆる事柄に当てはまるものなのです。

おわりに

海外のインターネット・ミームまとめ、
お楽しみいただけたでしょうか。

あくまでも個人の遊びの
延長線上で語られる事の多い
インターネット・ミームですが、
中には今回ご紹介した
「Grumpycat」や「Slender man」のように
うまくビジネス化して利益化したケースも
少なくありません(特にアメリカでは)。

インターネットの重要性が増す今の時代、
ただの面白い読み物としてだけでなく、
情報科学やマーケティングの一環として
インターネット・ミームを研究する

というのも面白いかもしれませんね。

それでは、またのご機会に。

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