退屈ブレイキング

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クズなヒーロー達を一般人が討伐する海外ドラマ『ザ・ボーイズ』が面白すぎる件


久々にガツンとやられた海外ドラマ

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休日や仕事帰りに気軽に見られる
海外ドラマがないか探していたところ
Amazonプライムビデオで2019年に
配信されたばかりの海外ドラマ
「ザ・ボーイズ」が色々な意味で
面白いとの噂をキャッチ。

早速第一話から
視聴を開始したところ
これが久々の大ヒット

海外ドラマならではの
たっぷり予算をかけたド迫力映像あり、
息を呑むような緊張感あり、
キレッキレのブラックジョークあり、
誰もが知るあれやこれやのパロディあり、
抜群のBGMチョイスセンスありで
1シーズン8話を3日で
一気見してしまいました。

特に前半4話の衝撃は凄まじく、
個人的に受けた衝撃はあの
ブレイキング・バッド」と同等かそれ以上※。
(※比較対象として適切かどうかはともかく)

本記事ではそんな「ザ・ボーイズ」の
あらすじやみどころを、
視聴の楽しみを損なわない範囲で
事細かにご紹介します。

それではどうぞ!


「ザ・ボーイズ」の前知識

ザ・ボーイズは
ライターのガース・エニス
アーティストのダリック・ロバートソンによる
同盟のアメリカンコミックを原作とする
シリーズドラマです。

ライターのガース・エニス
大人向けのシリアスで
バイオレンスな作風を特徴としていて、
その傾向は本作でも遺憾無く発揮されています。

ドラマの制作総指揮には
「スーパーナチュラル」の
原案者エリック・クリプキ
ワイルド・スピード」シリーズの
プロデューサーニール・H・モリッツらを起用。

2019年6月に
米国のプライムビデオで配信が開始されると
本作は即座に大きな反響を呼び、
数千件を超える高評価レビューを集めた他
Amazon Studiosの責任者
Jennifer Salkeは「ザ・ボーイズが
私たちの視聴予想を二週間で上回り、
現在最も注目されている
Amazonオリジナルシリーズの
一つになった」
というを声明を発表しました。
(ソース:https://en.wikipedia.org/wiki/The_Boys_(2019_TV_series)

日本では2019年7月から配信を開始、
現在プライムビデオ上で
字幕版と吹き替え版を
視聴することが可能です。

「ザ・ボーイズ」のあらすじ


欲と名声にとりつかれたスーパーヒーローたち。非公式に「ザ・ボーイズ」と呼ばれるグループが腐敗したスーパーヒーローたちを倒そうとする。特殊能力を持たない彼らは根性と信念で悪しきヒーローに立ち向かう。

Amazonプライムビデオ「ザ・ボーイズ」ページより

ザ・ボーイズの物語の中心となるのは
200名を超えるスーパーヒーローを抱え、
そのヒーロー達を様々な現場に
派遣することで多額の利益を生み出し
今や国政にも影響を及ぼすまでになった
ニューヨークの超巨大企業ヴォート。

中でもセブンと呼ばれる
上位七名のヒーロー達の影響力は甚大で、
ヴォート社は彼らを巧みなメディア戦略で
"プロデュース"することによって
一般市民からの圧倒的な支持を
獲得することに成功しました。

…しかし、
ここからが本作が他の
平凡なヒーローものと
一線を画する部分なのですが
実は本作に登場するヒーロー達の多くは
揃いも揃ってクズばかり。

パワハラ、セクハラ、
ドラッグ依存、イメージ作りのための
メディア捏造などは日常茶飯事。

それどころか自分たちや
ヴォート社にとって
不利益と判断した相手に対しては
暗殺も辞さないという
およそヒーローという言葉から
連想されるイメージとはかけ離れた
悪事の数々に手を染めているのです。

そして、本作の主人公である
電気店勤めの平凡な青年ヒューイが
ある日セブンメンバーの一人、
Aトレインの過失によって
恋人のロビンを失ったことから
「ザ・ボーイズ」の物語は動き始めます。

「ザ・ボーイズ」の主要登場人物

ヒューイ・キャンベル

ヴォート社近くの
電気店で働くごく普通の青年。

ある日セブンメンバーの一人
Aトレインの過失で
ロビンが目の前で惨死し
それ以降ヒーローの存在に対し
強い疑問を抱くことになりました。

その後はロビンの死を聞きつけた
元FBI捜査官を名乗る
ビリー・ブッチャーの誘いを受け、
ヴォート社とスーパーヒーロー達への
復讐の戦いに身を投じることとなります。

性格は常識的でやや優柔不断。
ミュージシャンのビリー・ジョエルを敬愛している他、
部屋にヒーローのポスターやフィギュアが多数あり
かつては大のヒーロー好きだったことが伺えます。

ウィリアム・”ビリー”・ブッチャー

あごひげをたくわえた
厳つい風体の中年男。
イギリス出身で自称元FBI捜査官。

ヴォート社に所属する
あるスーパーヒーローと因縁があり、
同じくヒーローに恨みを持つヒューイを
自らのチーム「ザ・ボーイズ」へと勧誘します。

フレンチー

「ザ・ボーイズ」の元メンバー。
フランス出身。

ドラッグの常用者で
生業は武器の密輸という
一見粗暴な人物ですが
実は繊細なところもあり、
シーズン1の中盤では
彼のある意外な行動が
物語に大きな影響を与えることになります。

マザーズミルク

「ザ・ボーイズ」の元メンバー。

家族を守るため
一時ブッチャーとは縁を切り、
非行少年の指導・更生の
仕事に就いていましたが
再び復讐を開始したブッチャーに
チームへと勧誘されることとなります。

キミコ

シーズン1中盤から登場する
アジア系の少女。

国外からの密入国者であり、
人間を軽くミンチにするほどの
凄まじい身体能力を持っています。

ちなみに演じているのは
スーサイド・スクワッドにも出演した
日系アメリカ人の福原 かれん女史です。

マデリン・スティルウェル

ヴォート社の副社長であり、
セブンのトップ、ホームランダーの担当者。

本作の黒幕とも言える存在で、
ヴォート社発展のため
あの手この手の裏工作を行います。

Aトレイン(A-TRAIN)

超高速で走るこ能力を持つ
黒人のスーパーヒーロー。
元ネタはフラッシュ。

こいつがヒューイの彼女を
"事故で"轢殺したことから
全ての歯車が狂い始めます。

トランスルーセント(TRANSLUCENT)

皮膚を炭素系メタ物質に
変化させることで光を屈折させ
透明化することができるヒーロー。
元ネタかは微妙ですが
同じく透明化能力を持つ
アメコミヒーローとしては
ファンタスティック・フォー
インヴィジブル・ウーマンが有名ですね。

トランスルーセントの能力は
ただ透明になるだけでなく
皮膚を硬質化させることで
同時に非常に高い防御力を得ている点がミソ。
拳銃やチェーンソー程度では
傷ひとつつけることもできません

しかし一方で
その性格は軽薄かつ傲慢。

ドラマでは
透明能力で女子トイレを覗く
というベタな悪事を繰り返し、
新人女性ヒーローのスターライトが
ヒューイからトランスルーセント
印象を聞かれた際には
「自分と他者との線引きができない
図々しい人物」と苦言を呈していました。

ディープ(THE DEEP)

魚、イルカ、海老などの
海生生物と会話する能力を持つ
イチローに激似な顔立ちのスーパーヒーロー。
元ネタは分かりやすくアクアマン。

第一話でスターライトのセブン就任初日に
新人と先輩の力関係を背景としたセクハラ行為を強要し
視聴者に「ザ・ボーイズ」世界の
ヒーローのモラルの程度を知らしめた人物でもあります。

しかしその反面で
能力のショボさから
仲間内で発言権の弱い自分に
劣等感を感じて悩んだり、
水族館でひどい扱いを受ける
イルカ達を強引に救い出そうとしたりと
妙な人間臭さも感じられるキャラクターです。

ブラック・ノワール(BLACK NOIR)

全身黒ずくめの寡黙なヒーロー。

シーズン1での出番は少なかったものの
キミコとの交戦時はナイフなどの
暗器を使った肉弾戦を披露。

元ネタはコスチュームと戦い方から
バットマンあたりではないかと推測されます。

ホームランダー(HOMELANDER)

飛行能力、透視能力、
常人を遥かの超えた知能、
銃弾をも跳ね返す鋼鉄の肉体、
そして両目から放つ必殺の光線など
様々な能力をその身に宿した
完全無欠のスーパーヒーロー。
元ネタは(言うまでもないですが)スーパーマン

曲者揃いのセブンの中にあって
まとめ役的な存在であり、
腐敗したスーパーヒーローたちの中でも
唯一高潔を貫く立派な人物。



というのは真っ赤な


実のところ
このホームランダーこそが
本作で最も強く、
そして最も外道な存在であり、
特に第四話で見せたある行動は
ドラマといはいえここまでやるのかと
ドン引きするほど清々しいクズっぷりでした。

色々な意味で
「ザ・ボーイズ」という作品を
象徴する存在であり、
ヴォートと対立するブッチャー達も
ホームランダーを
最大の脅威と認識しています。

またそうした彼の人格形成には
様々な裏事情が絡んでおり、
シーズン1最終話では彼にまつわる
ある衝撃の真実が明かされます。

クイーン・メイヴ(QUEEN MAEVE)

ウェーブのかかった長髪と
アマゾネス風のスーツを身につけた
女性ヒーロー。空は飛べないものの
トラックが衝突しても
傷ひとつつかない驚異的な
身体能力を有しています。

セブンの中では
比較的良識的な人物ですが
会社の意向には逆らえず、
時には自分の良心に
反する決断を迫られることもあり
その度に精神を疲弊させています。

容姿、能力的に
元ネタは間違いなく
DCのワンダーウーマンでしょう。

スターライト(STAR LIGHT)

オーディションで抜擢され、
セブンに新規加入した
若い女性ヒーロー。
人間離れした怪力と耐久力に加え
強烈な光を伴う電撃を
射出する能力を持っています。

性格は年相応の
普通の女の子といった感じで
ドラマでは自分が憧れていた
理想のヒーローと現実のヒーローの
ギャップに葛藤する姿が描かれます。

「ザ・ボーイズ」の見所

強大なヒーロー達に立ち向かう一般人という構図

「ザ・ボーイズ」の
最も分かりやすい大きな魅力の一つが
主役に一般人(銃火器はバンバン使いますが)のチームを置き、
それと敵対する位置に圧倒的な戦闘力と
社会的地位を持つスーパーヒーロー達を置いた構図の斬新さです。

本来なら市民の味方であるはずの
スーパーヒーローがもし組織ごと
自分の敵になったとしたら…
本作ではその恐怖感が
まざまざと描かれます。

例えば劇中でホームランダーが
行方不明になったあるヒーローを追って
ブッチャー達に接触するシーンがありました。

誘拐の犯人はブッチャー達であり、
ホームランダーの疑いをどうかわすか…
という場面なのですが、
ホームランダーの強さ、クズさともに
明らかになっている時点の話でしたので
「バレたら一巻の終わり」という
ホラー映画顔負けの圧倒的な
緊張感に終始ゾクゾクしっぱなしでした。

またヒーロー達の能力を活かした
能力バトル的な側面も同様に
本作の大きな魅力の一つ。

一例として、
ヒューイとブッチャーが
トランスルーセントと交戦した場面では
血を吹き付けて透明な相手の位置をつかんだり、
電気店勤めのヒューイの知識を活かして
堅固な皮膚を持つトランスルーセント
ダメージを与える手段を思いついたりと
漫画で言えば「ジョジョ」あたりに
通じる面白さがあったのも
私が本作を気に入った理由ですね。

社会問題に対する痛烈な皮肉

「ザ・ボーイズ」は
ワインスタイン氏の告発を嚆矢とする
ハリウッドのセクハラ問題や
メディア・コングロマリット問題、
ドラッグ問題、LGBT問題など
アメリカが抱えるありとあらゆる
社会問題をこれでもかと痛切に風刺しています。

これらはアメリカだけでなく
日本にも十分通じるところのある
問題ばかりであり、
ドラマを通じて社会的なメッセージを
広く発信しようという作り手の
意気込みが強く感じられるものです。

思わず「マジかよ!?」と唸る衝撃シーンの数々

一話に一度は訪れる
衝撃シーンも本作の見所の一つ。

シーンの詳細を語ると
ネタバレになってしまいますが
中でも私の心に強く残ったのが
第一話の導入部分と
第四話の旅客機のシーンの二つ。

特に後者は
私が観てきた海外ドラマの中でも
5本の指に入るほどの衝撃でしたね。

潤沢な予算と技術力に支えられた映像のクオリティ

オリジナル作品の制作に
年間45億ドル(約4792億円)※2017年
もの巨額を投資しているamazonプライムビデオ。

その予算の豊富さは
本作も例外ではなかったようで、
ヒーローが能力を披露する場面や
予算によってはっきり差のでやすい
ヴォート社や飛行機内などの
大掛かりなロケーションについても
映画作品と全く遜色のないほどの
クオリティを維持していました。

演者については
日本でも名前が通っているような
超有名俳優こそいないものの※
演技のクオリティは
押し並べてハイレベルであり
各キャラクターの個性をより
際立たせることに成功してたと思います。
(シックスセンスの子役で有名な
ハーレイ・ジョエル・オスメント
ちょい役で出演してましたが)

後半はやや失速!?

これまで肯定的な
内容ばかり書いてきましたが、
最後に個人的に少し
残念に思った点にも触れておきます。

それはシーズン1の後半から
前半にはあったテンポの良さや
物語のキレが少し落ちてしまっていることです。

後半では前半に比べて
キャラクター個人の悩みや葛藤に
焦点が当たる比率が多くなり、
結果として前半にあったスピーディーな
爽快さが失われている印象を受けました。

また最終話で描かれた
シーズン1の落ちについても
衝撃的ではあったのですが
やや駆け足気味であり、
人によっては少々拍子抜けするかもしれません。

現時点ですでに
シーズン2の制作が決定している本作ですが
今後のシリーズの成否の分かれ目は
シーズン1前半で私たちを魅了した
あのキレとスピード感を
保ち続けられるのかに大きく
かかっているのではないでしょうか。