初読時の衝撃が凄まじかったおすすめの漫画ベスト8

はじめに

こんにちは、
漫画無しの人生は考えられない
漫画好きのdaimaです。

本日は私の知る漫画の中から
巻数が15巻以下と短めで
かつ初読時の衝撃度が高かったものを
極力ネタバレ無しの書評を添えて
8作品ご紹介させていただきます。

中には少々アクの強い作品もありますが
どれも私が自信を持って
人にオススメできる作品ばかりです。

それでは、どうぞ。

衝撃度で選んだおすすめ漫画8選!

灼熱カバディ

灼熱カバディの表紙画像

【作者:武蔵野創 発表期間:2015年 – 連載中】

概要

灼熱カバディは2015年から現在まで
小学館の漫画アプリ「マンガワン」にて
連載が継続しているウェブコミックです。

同アプリの中でも
常にトップ10に入る高い人気を誇り、
2017年の「このマンガがすごい!」では
マイナースポーツを扱ったウェブ漫画ながら
オトコ編で19位にランクインする
快挙を成し遂げています。

さて、この漫画が扱う
スポーツはずばり「カバディ」

インドの国民的スポーツとして
知られるカバディですが、
そのルールや競技内容を知っている日本人は
かなり希少な存在であると思われます。

それは書き手側ももちろん承知のことで、
漫画の導入部では元サッカー選手で
カバディ未経験の主人公、
宵越 竜哉(よいごし たつや)
カバディ部に入部する際に
読者に向けた基本な
カバディのルール解説がなされています。

ずばり!灼熱カバディの魅力とは

この灼熱カバディは
ただマイナースポーツを
題材にしたという物珍しさだけで
話題となったわけではありません。

この漫画の最大の魅力は
思わず感情移入してしまう
個性が際立ったキャラクターたちと
そんな彼らが繰り広げる、
逆転に次ぐ大逆転の熱すぎる
カバディの試合の面白さにこそあります。

まずキャラクターの面で言えば
主人公、宵越の魅力が特に際立っています。

宵越は運動神経抜群の
元サッカーのスター選手でありながら
あるきっかけでスポーツの世界を離れ、
その後は「ナイトエンド」という恥ずかしい
ハンドルネームで元生放送主になるなど
長い間スポーツとは無縁の生活を送っていましたが
紆余曲折を経てカバディ部に入部することとなり、
そこで少しづつカバディの面白さに目覚めていきます。

このようなに
最初はカバディを侮っていた宵越が
他の選手に刺激されて
次第にカバディにのめり込んでいく様子は
見ていてとてもワクワクさせられますし、
基本ハイスペックなのにどこか抜けていて
だけど決めるところはしっかり決めてくれる
宵越のキャラクターには
思わず応援したくなる主人公らしさがあります。

また主人公以外のキャラクターも個性派ぞろいで
華奢な体格ながら世界組でもトップクラスの
攻撃手である王城先輩や
チームのきっての頭脳派で
特技は他人の弱みを握ることという井浦先輩、
敵チームにも王城の元後輩かつ
現在はライバル校のエースで
試合を通じて自分の弱さを克服していく佐倉など
魅力的なキャラが次々と登場します。

そしてもう一つ、
キャラの良さと合わせて
本作の大きな魅力となっているのが
スポーツマンガの肝とも言うべき
試合シーンの面白さです。

カバディとは例えるなら
狭いコートで行われる交代制の
チーム対抗鬼ごっことでも言うべき競技であり、
攻撃側が得点を得るためには
まず敵陣深くに入る必要があるのですが
あまり深くまで進みすぎると
今度は自陣に帰るまでの距離が遠くなり、
途中で敵に倒される(=攻撃失敗)リスクが増えてしまいます。

灼熱カバディではこうした
カバディ特有の駆け引きを
マンガの中に上手く落とし込んでいて、
ページ単位どころかコマ単位で
互いの有利不利が目まぐるしく入れ替わります。

そんなわけだから
例え作中で主人公側のキャラが
ちょっとうまいプレーをしても
「次のページで逆転されんじゃないか」と
終始ハラハラしながら
ページをめくり続けることになるのです。

身体能力だけでなく頭脳が勝敗を分ける
カバディの持つ戦略的な面白さも
非常によく描かれていましたし、
この漫画を読むことで
実際のカバディにも大変興味が湧きました。

このようにカバディという未知のスポーツを
誰もが読みやすい漫画作品に昇華し、
現実のカバディ人口をも増やすという(→ソース)
ウルトラCを達成した「灼熱カバディ」

「スラムダンク」や
「アイシールド21」などの
熱いスポーツマンガが好きだった方なら
きっとこの作品もご満足いただけることでしょう。

ナンバーファイブ 吾

ナンバー吾の表紙画像

【作者:松本大洋 発表期間:2001年 – 2005年(完結済み)】

鬼才、松本大洋が描く「詩的な」バトルマンガ

一般的に松本大洋の代表作といえば
アニメ化&映画化を果たした
「ピンポン」や「鉄コン筋クリート」の名を
挙げる人が多いかと思いますし
これらは私も大好きな作品なのですが
今回は初読時の衝撃度の高さが基準ということで
この「ナンバーファイブ」を推薦します。

「ナンバーファイブ」の舞台は
人類によって生態系のバランスが破壊され、
世界が崩壊の危機に瀕した遠い未来の世界。

そこでこの危機から人類を救うために
超人的な能力を持つ9人の幹部「虹組」を頂点とする
「国際平和隊」が結成されますが
ある時、虹組の一人「No.吾(ナンバーファイブ)」が
一人の女を伴って組織への叛逆を表明。
物語はこの吾の視点から
吾を粛清せんとする
虹組メンバーらとの死闘を描いてます。

深いテーマ性と独自の世界観

上記のあらすじを読むと、
なんだか「北斗の拳」や「ドラゴンボール」のような
少年誌的バトル漫画を連想させてしまいますが、
「ナンバーファイブ」の真の魅力は
作者が作品を通じて表現する強烈なメッセージ性
もはや芸術と言っても差し支えない
独創的な漫画表現の妙にこそあります。

「人間は自然から離れて生きていけるのか?」
「理想だけでこの世を変えることはできるのか?」

といった問いかけは、多少青臭くありつつも
読んでいて強く心に響くものがありましたし、
物語の中心となる虹組メンバーらは
そのデザイン、アクション、セリフの
全てにおいて非常に魅力的。

描かれる戦いは悲壮ですが、
読む側としては次はどんな奴がでてくるのだろうと
ワクワクしながら読み進めることができます。

そしてこの漫画はなにより
最終巻で描かれる怒涛の展開と
その絵に込められた表現者としての執念の凄さに
とにかく読んでいて圧倒されました。

感情がにじみ出るキャラクターの表情、
空気感が伝わるような風景の描写、
斬新でスタイリッシュなコマ割りなど、
全てにおいて鬼気迫る表現の連続と
深い余韻を残すラストシーンの描写に
読後は半分放心状態に
なってしまったほどでした。

読み慣れるまではその独特な作風に
読みづらさを感じることも否めない本作ですが
漫画というメディアの可能性の広さを知る上でも
ぜひ読んでいただきたい一作です。

ブルーピリオド

ブルーピリオド1巻の表紙画像

【作者:山口つばさ 発表期間:2017年 – 連載中】

「芸大受験」を漫画に!?

私が最近読んだ漫画の中でも
特に好印象だったのが
この「ブルーピリオド」です。

キャンプ、数学、筋トレ、狩猟など
あらゆるものが漫画の昨今において
ブルーピリオドがテーマに選んだのは「芸大受験」

人間関係も勉強も全てを器用にこなし、
「少し高めの社会のレールの上」が
心地いいと考えて生きていた
高校2年生の矢口八虎が、
ある日偶然目にした
美術部員の描いた天使の絵に心を打たれ、
実質倍率200倍とも言われる
東京藝術大学合格に挑む姿を描きます。

心から「好き」なことに挑戦する大切さを描く作品

そのテーマから
上手い絵を描くための基礎知識や
芸大を目指す人が行う練習法など
ハウツー的な内容ももちろん
取り上げられているのですが、
それ以上にもっと普遍的な
自分の「好き」に全力で取り組むことの
大切さが描かれていて、
その点で強く心に響くものがありました。

例えば作中で
美術部に入る決心がつかない八虎に対し
美術部顧問の先生が口にした
「好きなことは趣味でいい
これは大人の発想だと思いますよ」
「頑張れない子は
好きなことがない子でしたよ」
「好きなことに
人生の一番大きな
ウエイトを置くのって
普通のことじゃないでしょうか?」

という一連のセリフのように、
所々で思わずハッとさせられるような
鋭いセリフが出てきます。

また絵画をテーマとしているだけあって
作画のクオリティも相当に高く、
コマ割りや構図も工夫があって
単純に漫画としての完成度が
高かった点も高評価ですね。

既刊6巻と
まだ始まって間もない作品ですので
今後の展開が非常に楽しみです。

殺し屋1

殺し屋1 1巻の表紙画像

【作者:山本英夫 発表期間:1998年 – 2001年(完結済み)】

過激すぎて面白すぎるバイオレンス漫画

記事タイトルに反するようで恐縮ですが、
この漫画は非常におすすめする人を選びます。

なぜならとにくグロいから。

それも読み手に強烈に
痛みを想像させるタイプのグロさなのです。

しかし私にとって
全10巻が一瞬に感じられるほど
あれほどにページをめくる手が
止まらなくなった漫画も
この殺し屋1が初めてでした。

殺し屋1の舞台は新宿歌舞伎町。

様々な悪意が闇にうごめくの街で
謎の男「ジジイ」と彼が作り上げた
殺人マーシン「イチ」を含む
数名の裏社会のはぐれ者集団が
金目的に武闘派暴力団「安生組」の
組長を殺害したことをきっかけに火蓋を切った
血で血を洗う抗争の顛末を描きます。

絶対に関わりたくない奴らが目白押し

私が考える殺し屋1の最大の魅力は
「現実にギリギリいそうなイカれたキャラクター」
「一切の中だるみがないスピーディな物語展開」の二点です。

まず、本作のキャラクターといえば
標的を殺しながら射○する主人公のイチや
安生組の若頭で常軌を逸したドMの「垣原雅雄」、
そして多くの読者にトラウマを植え付けた二郎三郎兄弟など
どこかネジの外れた異常者たちが続々登場します。

しかしながら
この漫画が本当にすごいと思うのは
そういった常識はずれの変態たちを
「もしかしたら、日本のどこかに
こんな奴が潜んでいるかもしれない」
と思わせるだけのリアリティーが
作品の中に内在していることです。

言い換えると、明らかにやりすぎなはずなのに
どこか地に足がついているんですよね。

これは作品を書くにあたって
まず実際にその舞台となった世界に
自分自身の身を置くという
著者の徹底した制作スタイルに
由来するものだと思うのですが、
この「リアリティ」が
圧倒的な「暴力描写」と結びついた時、
「殺し屋1」の物語は絵空事の範疇を超えて
まるで自分が漫画の登場人物になったかのような
恐怖と高揚感を読み手に感じさせてくるのです。

次に「展開のスピーディさ」ですが
これも実に見事。

全10巻の中に
無駄な内容が一切なく、
最初から最後まで
一気に読まされてしまいます。

一瞬あっさりして見えるラストシーンも
作品のテーマを考えると
逆にこれしかないと思えてしまうのだから
なんとも不思議。

このようなわけで
おすすめする人は選ぶものの、
エログロに嫌悪感がなければ
ぜひ読んでみてほしいこの殺し屋1。

平和な日常に退屈を感じている方は
この期に一度、この漫画が描くに
刺激的な血みどろ変態ワールド
足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

働かないふたり

働かないふたり1巻の表紙画像

【作者:吉田覚 発表期間:2013年 – 連載中】

ニート兄妹の日常を描くほっこり系ギャグマンガ

この辺でひとつ趣向を変えて
ほのぼのとしたギャグマンガをご紹介します。

「働かないふたり」は
4コマ漫画と通常のストーリー漫画が
交互に組み合わさったような形式の
日常系ギャグ漫画です。

主人公は守と春子という
どちらも20代前半のニート兄妹。

守はニートでありながら
一人で世界旅行をするほど
コミニュケーション能力が高く、
他にも様々な特技を持っている
エリートニート、所謂「エニート」であり
一方の春子は守るとは対照的に
極度の対人恐怖症かつ
一切身なりに気を使わない
マイペースな女の子です。

漫画はそんな二人の生活ぶりを中心に
二人の両親、友人たち、隣人さんなどを巻き込んで
ゆっくりまったりと小規模に展開されます。

読んでいて元気がもらえる漫画

主人公がニートというと
どうしても「ウシジマくん」みたいな
悲惨で暗い内容がイメージされがちですが
この漫画の斬新なところは
ニートであるはずの二人がポジティブに
ニートライフをエンジョイしていて、
かつ両親も(母は時折苦言を呈すものの)
基本的にはそんな二人の選択を尊重して
信じて見守るという姿勢をとっているので
暗いどころかむしろ明るく
優しい作風となっているところです。

脇を固める登場人物たちも
お調子者で三枚目な役回りの丸山や
彼女持ちだが自分にユーモアがないことに悩む遠藤、
ニート兄妹をウォッチすることにハマる
お隣のOLの倉木さんなど粒ぞろい。

彼らのちょっとずれた日常にクスリとさせられつつも、
時として「生き方」について考えさせられるような
深いセリフも登場する、なかなかに味わい深い作品です。

今ならプライム会員特典で
1巻が無料で読めるので
プライム会員の方はとりあえず読んでみてください。
読むと自然と明るい気持ちになれる、
とても心地よい作品ですよ。

ダンジョン飯

ダンジョン飯1巻の表紙画像

【作者:九井諒子 発表期間:2014年 – 連載中】

あらゆる点でハイセンスなモンスターグルメ漫画

ある程度の漫画好きなら
新刊が出るたびに
ランキング上位に顔を出す
この作品を見かけたことがない人はいないでしょう。

ダンジョン飯は九井諒子による
RPGの世界とグルメを融合させた
ファンタジーグルメ漫画です。

レッドドラゴンや歩き蕈などの
危険なモンスターが徘徊する
広大なダンジョンを、
戦士ライオス率いるパーティが
ダンジョンに取り残された
ライオスの妹ファリンを救い出すために
モンスターだけでなく
お財布事情やそこから来る食料問題という
現実的な問題とも戦いつつ冒険するお話です。

RPGという素材をそう料理してくるとは

この漫画はコミックス第1巻発翌年の
2016年の「この漫画がすごい!」で
オトコ編1位に輝くなど
登場直後から大きく注目されていた漫画で
私もその評判を知って手に取りましたが
読んでみるとそのセンスの良さに
改めて驚かされることになりました。

まず、RPGの世界観を「食」という
現実的なテーマで再構築した点が斬新で、
しかもそのアイディアを十分に生かすだけの
画力や小ネタの上手さが伴っています。

例えば最初のお話で早速
「大サソリと歩き茸の水炊き」という
モンスター料理が登場するのですが
よくみると料理の絵の横に
料理本によくある材料の一覧や
栄養表示のレーダーチャートが載っていたりする。

またある回では
人の顔をした植物「マンドラゴラ」が
出てくるのですが、
これを採集する際に首を落とさずに
採集することで味が良くなる
なんていう話が描かれたりする。

このようにファンタジーの世界の話なのに
描かれる話に妙な「生活臭」があって、
その落差が妙な可笑しさを生んでいます。

既存の型にはまらないキャラクターの魅力

またダンジョン飯は
その世界観だけでなく
キャラクター描写においても
非常に優れた作品です。

ひとつ主人公のライオスを例にとると
彼はパーティのリーダー的存在であり、
基本的には穏やかで冷静沈着な
頼れる人物なのですが
一方で極度のモンスターオタクでもあり、
モンスターのことになると
周囲が引いているのにも気付かずに
延々と専門的な話を語り続ける
オタク特有の気質を持っていたり、
その独特な感性から
サイコパス扱いされることもある
一筋縄ではいかないキャラクターです。

またエルフで魔法担当のマルシルは
女性らしく感情表現豊かで
ライオスが提案したモンスター食には
強い拒否反応を示すなど
パーティの中でも常識的なキャラクターですが
幼少期から引きずるあるトラウマや
ふと見せる精神的な弱さなど
影の部分も同時に描かれており、
そうした陰陽相反する性質が
コントラストとなってキャラクターの
存在感を強く裏付けています。

この二人のほかにも
個性的なキャラクターが数多く登場し、
かつキャラクター間の
関係性の描かれ方も絶妙なので
そんな彼らの掛け合いを見るだけでも
思わず吹き出したり、
場面によっては深く感動させられたりと
強く心揺さぶられるものがあります。

ダンジョンの奥深くに取り残された
ファリンの救出や
ダンジョンのどこかに存在する
黄金の国の存在など
物語を引っ張っていく核の部分にも
読者の興味を引っ張り続ける魅力があり、
既刊8巻を経た現在も
その勢いは衰えるどころか
より一層面白さを増し続けています。

個人的に女性漫画家の描く漫画は
作者の感性が前面に出すぎていて
どうにも肌に合わないことが多かったのですが
この「ダンジョン飯」に関してはむしろ
非常に論理的で一歩引いたクールな
視点が貫かれており、
全くそのようなことはありませんでした。

総じて男女ともに安心してお勧めできる、
ハイレベルにバランスの整った傑作漫画です。

寄生獣

寄生獣1巻の表紙画像

【作者:岩明均 発表期間:1988年 – 1995年(完結済み)】

何度読んでも衝撃的。殿堂入り級の傑作SFマンガ

連載終了後20年近くを経て
アニメ化、実写映画化が始動した
異色の経緯を持つ岩明均のSF漫画。

ある日突如宇宙から飛来した
人間に寄生し、その肉体を乗っ取って
人間を捕食する知的生命体(パラサイト)と
そのパラサイトの一体(ミギー)に
右腕を乗っ取られつつも
脳までは乗っ取られなかったイレギュラー的存在、
泉 新一との生き残りをかけた死闘を描いた作品です。

当たり前の「倫理」や「常識」に疑問を投げかける作風

私がこの「寄生獣」の存在を
最初に知ったのは例の「ぱふぁ」のコマを
アンパンマンか何かでコラした
ネタ画像をネットで見かけたのが最初であり、
私は長い間この漫画に対して
過激な描写が売りのグロ漫画
という印象しか持っていませんでした。

しかしある時、
たまたま中古書店で見かけたこの漫画を
そういえばネットでよく名前を聞いたなと
思い出して何気なく手にとってみたところ
私がそれまで抱いていた浅はかな先入観は
一気に崩れ去ることとなりました。

絵こそ多少古臭さを感じるものの
岩明作品特有の淡泊さと暖かみの同居した空気感
様々な人物の思惑が絡みあう緊張感ある駆け引き
そして読む側の常識や倫理観を揺さぶるような
際どい展開の連続

書き手の深い知性と熱意を感じて
一気に作品世界に引き込まれたのです。

中でも決定的だったのが
寄生獣との戦いに慣れ始めてきた頃の新一が
車に轢かれて道の真ん中で死にかけていた
子犬を助けた後、惜しくも死んでしまった
子犬の亡骸をさも当たり前のように
ゴミ箱へと放り捨てたワンシーンです。

この行動に対し
新一に同行していたヒロインが
「子犬をゴミ箱に捨てるなんて
かわいそうだよ」と
読者の気持ちを代弁するような
セリフで新一を責めるのですが
それに対して新一は
「もう死んだんだよ…
死んだイヌはイヌじゃない イヌの形をした肉だ」

というあまりにも冷酷なセリフを返します。

これは当時の新一が
ミギーの影響を受けて
少しづつ人間性を失いつつあることを
表現した描写なのですが、
私はこの場面を初めて目にした時、
そのあまりに強烈すぎるインパクトに
これはそんじょそこらの漫画とは
全く違った心構えで読まなきゃならないぞと
心底戦慄したことを覚えています。

時代が変わっても通用する深いテーマ性

このようにいろんな意味で
インパクト抜群な「寄生獣」ですが、
しかし単に表面的な
インパクトがあったというだけでは
現在の「誰もが認める不朽の名作漫画」的な
評価は得られていなかったのてはないかと思います。

本作への現在の評価を決定した
決定的な要因はやはり、
著者が寄生獣の存在を通して鮮烈に表現した
「人間とは何か」という問いかけであり、
かつそのテーマ性が20年の時を経てもなお
色褪せないくらいない
普遍的なものだったからでしょう。

とりわけ、寄生獣でありながら
人間に興味を持った新一とは
逆のイレギュラー的存在、「田村玲子」は
この漫画のテーマを体現するような
重要な役割を果たしており、その言動には
終始考えさせられるものがありました。

漫画としての面白さも
人生観すら変えてしまうような
深いメッセージ性も兼ね備えた
この寄生獣という漫画。

もし未読の方がいましたら
ぜひ一度手にとってみてください。

風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ1巻の表紙画像

【作者:宮崎駿 発表期間:1982年 – 1994年(完結済み)】

誰もが知るあの映画の意外に知られていない原作マンガ

さて、本日最後にご紹介するのは
1982年から足掛け12年の間
アニメージュ誌上で連載されていた
風の谷のナウシカの漫画版です。

映画版はおそらく
日本人なら誰もが一度は
目にしたことがあるかと思いますが
その原作である本作については
意外に読んだことがないという人も
少なくないのではないでしょうか。

ちなみに映画版の公開は
漫画版の全7巻のうち3巻までしか
発刊されていなかった1984年のことであり、
当然ながら映画では物語全体の
ほんの序章までしか描かれていません。

映画ではナウシカが
王蟲の大軍を喰い止めた後に
トルメキアが風の谷から軍を引き上げて
一応ハッピーエンドとなっていますが
本当はその後にもっとスケールの大きな話が
存在しているわけですね。

宮崎駿だからこそ出せた臨場感とスケール感

私が漫画版ナウシカを初めて読んだのは
20歳も過ぎた頃のこと。

各所での前評判の高さと
なによりあの宮崎監督自ら
手がけた漫画作品ということもあって
読む前から期待値は高かったのですが
実際にこの漫画から受けた衝撃は
予想以上のものでした。

具体的にはまず絵が凄い。

細かいタッチで緻密に描かれた
蟲たちやガンシップには量感があり、
戦争や大海嘯のシーンなどは
執念を感じるほどの描き込み具合で
とにかく圧倒されますし、
静止画なのに
キャラクターの動きが感じられる
躍動感ある描写にも
多くのアニメ映画を手がけてきた
宮崎監督の描写力の高さが伺えます。

そして次に
物語のスケールが凄い。

今回はネタバレ無しなので
詳細は書けませんが、
話が風の谷とトルメキアまでの
範囲に収まっていた映画版と違い、
漫画では世界、ひいては
過去や未来も含む人類全体の領域まで
話が広がっていきます。

特に漫画のラストで
ナウシカが下したある「決断」は
人類全体の未来に関わるものであり、
その行動の是非は今尚既読者の間で
定番の語り草となっています。

私としても、
最初あの場面を読んだ時は
ナウシカの行動に共感こそしたものの
頭のどこかで別の選択肢も
あったのではないかと引っかかる部分があり、
同じく漫画版を読んだ知り合いと
お互いにどう思ったのかと
意見を聞き合ったりしたものでした。

圧倒的な描写力と
深遠なテーマ性で見るものに
優れた問題提起を与えてくれる
この漫画版ナウシカ。

新品で全巻揃えても
3,500円ほどですので
未読の方は是非
この機会にまとめ読みしてみてください。

おわりに

私がセレクトした
衝撃度高めのおすすめ漫画8選、
いかがでしたでしょうか。

今回選出した以外にも
例えば「進撃の巨人」や「カイジ」
「ジョジョ」「GANTZ」「テラフォーマーズ」
あたりも私的には
初読時の衝撃度が高かったのですが
これらはどれも既刊数が多く、
気軽にお勧めしづらかったため
今回は選出を見送りました。

ともあれ、こうした素晴らしい
漫画文化が身近にある日本に住んでいることは
ある意味とてもラッキーなことですね。

それではまたの機会に。

灼熱カバディの表紙画像
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