究極の時間ドロボウ。プレイ配信等で話題のゲーム『KENSHI』とは?

ゲーム

あなたは「KENSHI」というゲームをご存知でしょうか?

kenshiサムネ

store.steampowered.com

KENSHIはChris Hunt氏を中心とする
社員たった4人のゲーム開発会社
「Lo-Fi Games」が12年間かけて制作した※
PC向けのRTS RPGです。
(※その内最初の6年はChris Hunt氏が1人で制作)

長らく開発が続けられていた本作は
2018年12月6日に正式リリースを果たし
その後わずか1か月の間に
Steam内レビューにおいて1073件もの
高評価レビューを獲得しています。

私も以前からその噂を聞いていて
ずっと遊んでみたいと思っていた本作でしたが
つい最近念願のゲーミングPCを手に入れ
ようやくプレイすることが叶いました。

本記事ではそのプレイ体験に基づき、
本作の魅力や基本システム
要求スペック、MODについてなど
KENSHI未プレイ者向けの
ゲームレビューをお届けします。

それではどうぞ。

どんなゲームなの?

ジャンルはRTS RPG

フィールド

本作はRTS(リアルタイムストラテジー)という
ジャンルに分類されるゲームです。

RTSとはその名の通り
状況がリアルタイムに変化する
ストラテジー(戦略)ゲームのこと。

RTSではプレイ中常に
ゲーム内で時間が流れていて、
それに応じてプレイヤーが空腹になったり
NPCが動き回ってアクションを起こしたりします。

そしてそうした状況の変化に対し
プレイヤーが適時指示を与えることで
ゲームを思い通りの方向へ
コントロールすることが主な目的となります。

国王、盗賊、賞金稼ぎ… なんでも成りたいモノになれるゲーム

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本作が他のRTSと一線を画すポイントは
第一にその圧倒的な自由度にあります。

直線的なストーリーよりも、オープンワールドにおける自由探索がメインテーマのパーティーベースRPG商人、盗賊、反乱分子、将軍、冒険家、農民、奴隷、果ては人食い人種の食糧と成り下がるのかはあなた次第。

新しい装置を研究して、新たな装備を作り出せ。状況が不利になったときに避難することができる自分だけの要塞を建造し、アップグレードしよう。新しいビジネスをここから始めることもできる。この荒涼とした砂漠を生き抜くための力と富を渇望せよ。その中で様々な勢力に加担、または対峙していくことになる。パーティーを訓練し、哀れな犠牲者から熟練の戦士になるのだ。傷ついたパーティーメンバーは安全な場所に退避させ、全員で生きて帰還しよう。

あなたは選ばれし者ではない。偉大で力強くもない。他者より多くの「ヒットポイント」をもっているわけではない。世界の中心にいるわけではない、ごく平凡な存在なのだ。何の努力もしなければの話だが。

上記の公式説明文を読めば
本作のスタンスの9割は理解できるはず。

アイテムを売買して金持ちになるのも良し、
店の商品を盗んで売りさばくのも良し、
賞金首を狩る賞金稼ぎになるのも良し、
軍勢を率いる将軍になるのも良し、
建築資材を集めて自分の拠点を作るのもよし、
奴隷商人につかまって奴隷の身に堕ちるのも良し。

あなたがこうしたいと思った生き方が
そのままKENSHIのストーリーになるのです。

面白いの?

ハマれば1000時間は遊べる

まず、本作は決して
万人向けのゲームではありません。

「魔王を倒す」「ポケモンマスターになる」
といった分かりやすい目標は何もなく、
頼れるもののない荒涼とした世界に
プレイヤーはただの何も持たない
一般人として突如放り出されます。

そしていざゲームを開始すれば
飢えた野党はおろか
ヤギ一匹にすら惨殺される
自キャラの弱さに頭を抱えるハメになるのです。

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▲私が20分かけてセッティングした最初のキャラは開始1時間で野党に殺されてしまった

ですが、そうした苦渋に耐え、
いつ来るとも知らない敵の襲撃に怯えながら
なんとかキャット(ゲーム内の通貨)を稼ぎ、
酒場で仲間を雇い、
外の世界へ出て育成や建設など
本作独自のシステムに親しんでいくにつれて
このゲームは加速度的にその面白さを増していきます。

「メンバーを二手に分けて採掘した方が捗るな」
「ここに小屋を建てて研究施設を作ろう」
「敵を別のNPCと戦わせれば漁夫の利が狙えるぞ」
そんなことを考えながらあれも、
これもと試してみるうちに
2、3時間はあっという間に過ぎていきます。

そしてもうひとつ特筆したいのが
そのコンテンツボリュームの半端なさ

25以上の都市、
30以上スキル、70以上の地域、
90以上の派閥が用意され、
さらにスキル制によるキャラ育成や
建築システムによる拠点育成など
工夫しがいのある各種やり込み要素も完備。

steamレビュアーに
プレイ時間1000時間越えの猛者が
ごろごろしていることも頷ける、
まさに圧倒的大ボリュームです。

ただし、やっぱり人は選ぶ。

繰り返しになりますが
本作は独立系開発ということもあり
ゲームデザインや操作感に癖が強く
少なからず遊ぶ人を選びます。

ですので、プレイを検討されている方は
ネットに上がっているプレイ動画を
(ネタバレにならない程度に)チラ見するなどして
本当に自分の肌に合うか事前に
チェックしておくのが無難でしょう。

  • シミュレーションゲームが好きだ。
  • どちらかといえば凝り性だ。
  • 一本で長く遊べるゲームが欲しい。
  • 大手タイトルとは一味違った癖のあるゲームをプレイしたい。
  • 昔はごっこ遊びが好きだった。
  • 若干のマゾっ気がある

ちなみに私としては
上記項目に合致する方であれば
きっとKENSHIワールドにも
ハマれるんじゃないかな、と思います。

どうすれば遊べるの?

本作は所謂PCゲーです。

PS4などの家庭用ゲーム機向けの展開は
現時点(2019/1/2)ではまだなく
プレイするには要求スペックを
満たしたゲーミングPCを用意した上で
steam内公式ページにて
本ソフトを購入する必要があります。

必要なPCのスペックは以下の通り。

推奨システム構成
OS:Windows 7 64ビット
CPU:クアッドコア 64ビット
メモリ:16 GB RAM
DirectX®:11
ハードドライブ:14GBの空き容量
(記事執筆時のsteam内公式ページより引用)

決して軽いとはいえない本作ですが、
基本的には16GBのメモリと
GeForce GTX 1060を
積んでいれば大概問題はないはず。

ちなみに当方は最近購入した
Dell製のゲーミングノート
Dell G3 17(メモリ16GB、GTX 1060 MAX Q搭載)でプレイしております。

daimaのPCのスペック情報
OS:Windows 10 Home (64ビット)
CPU:インテル® CoreTM i7-8750H プロセッサー (6-コア, 9MB キャッシュ, 最大 4.1GHz まで可能 ターボブースト 付き)
GPU:NVIDIAR GeForceR GTX 1060 NVIDIAR Max Q デザイン テクノロジ , 6GB GDDR5 ビデオ メモリ付き
メモリ:16GB, 2x8GB, DDR4, 2666MHz
ハードドライブ:255GB(SSD)

システムについて

本作の主要なゲームシステムをご紹介します

キャラメイク

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初期ユニットと
プレイ中に仲間にした汎用ユニットは
外見のカスタマイズが可能です。

設定項目は非常に細かく、
背の高さや足の長さはもちろん、
花の高さや唇の厚さ、
首の太さなども自由に変更でき、
初期ユニットについては人種や種族、
性別を選ぶことができます。

種族は「人間」「ハイブ」
「シェク」「スケルトン」の全部で四種があり、
それぞれ見た目だけでなく
得意な能力が違っていたり
回復手段が違ったりといった点で
差別化が図られています。

成長システム

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本作の成長システムはスキル制であり、
特定の行動を繰り返すことで
対応したスキルが成長します。

例えば鉱石の
採取を行うと「労働」スキルが成長し、
敵の攻撃を受けると「打たれ強さ」が成長し、
盗みを働くと「窃盗」スキルが成長する
といった具合です。

こうした自由なキャラメイクもまた
KENSHIの楽しみのひとつであり、
育成を続けるうちに
洋ゲー感100%でとっつき辛い見た目の
キャラクター達にも自然と親しみがわいてきます。

戦闘

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KENSHIの戦闘は基本的に全自動。

「受動戦闘」設定がオンになっていない限り
敵対するユニットが近くにいれば
自動的に戦闘をこなしてくれます。

もっとも本作は非常にバランスがシビアなので
プレイ開始時は草食動物一匹にすら勝てません。

ですので最初のうちは無理に戦わず、
直接戦わないで稼ぐ方法を
考えることをお奨めします。

ダメージと治療

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▲致命傷を受けたユニットは治療しなければじきに死んでしまう

本作のダメージと治療の設定は
非常に現実に即したものとなっています。

例えばダメージについては
敵味方含むすべてのキャラクターに
頭部、胸部、腹部、両手両足など
各部位に体力ゲージが設定されており、
ある部位にダメージが蓄積すると
キャラクターがダウンしたり
体が不自由になったりします。

またさらにダメージが深刻になると
腕や足が切断されて回復不能になったり
出血多量で死亡してしまうこともあります。

一方でダメージを受けた時に
それを回復する手段が治療です。

ショップで販売している
治療キットを所持していれば
自分のけがを応急手当てすることができ、
また意識不明の味方を治療することも可能。

ただし、治療を行っても
即座にゲージが回復することはなく、
自然治癒するまで
一定時間待つ必要があります。

また、敵の大群に襲われて
全滅の危険があるときは
けがして動けなくなった味方を見捨てて
逃げ切れるユニットだけ確実に逃がすなど
シビアな判断が要求される場面も少なくありません。

勢力と派閥

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▲ゲーム内に登場する派閥の一つ「奴隷商」。気絶したユニットを攫って自分たちの奴隷にしてしまう。

KENSHIの世界には
「ダスト盗賊」「シェク王国」
「ガッター(敵対的な生物)」
「カニバル(食人族)」「奴隷商」などの派閥と、
派閥の中でも巨大な
勢力と呼ばれるグループ存在し、
それぞれの派閥/勢力には
各派閥間と対プレイヤー向けに
友好度の設定がなされています。

友好度はプレイヤーの行動によって
ある程度操作可能であり、
例えば勢力に属するNPCを
治療すれば友好度が上昇し、
逆にその勢力の要人を
殺害するなどすれば
当然ながら友好度は下がります。

またゲームプレイ中には敵対する
派閥/勢力同士で潰しあいが起きることもあり、
プレイヤーが全く関与しないうちに
一つの集団が壊滅していることもしばしば…

ショップ

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街の酒場や雑貨屋には
アイテムの売買ができるNPCがいます。

KENSHIにおけるアイテムは
インベントリというマス目状の
ウィンドウに収納される仕様であり、
売買も自分と相手のインベントリ間で
アイテムを移動させて行います。

また、アイテムの値段は
地域によって相場が変わるため
その差額を利用した
交易商プレイも可能です。

建設

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フィールド上の他の町に
近すぎない任意の位置に
自分の施設を建設することができます。

建設可能な施設は
研究台や採掘機、
装備品を作る製造場や
外敵の襲撃から拠点を守る
防衛施設など多種多様。

拠点を育てることで
より高ランクの武器を手に入れたり
全自動で食糧が確保出来たりと
たくさんのメリットがあります。

ただし、設営した拠点は常に
盗賊や敵対勢力に襲撃される
リスクに晒されます。

プレイヤーには防衛施設を準備する、
腕の立つ用心棒を雇うなどして
拠点を維持する対策が必要とされるでしょう。

マップ

ゲーム開始直後のマップには
ほとんど情報が書かれていません。

自分の足で歩いて新しい場所を見つけたり、
ショップで販売されている地図を購入して
インベントリで右クリックすることで
始めてマップ上に情報が追加されます。

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これが本作の世界地図。

土地によって気候が大きく異なり、
雨が多く作物が育ちやすい土地や
砂嵐で視界が遮られる土地、
中には酸性雨が降り注ぎ、立っているだけでも
ダメージを受けるような土地もあります。

MODについて

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Steam Community :: Kenshi

KENSHIには日本製を含む
多くのMODが制作されています。

マップを美麗にするものや
難易度を変化させるもの、
中には日本人向けの美形キャラを
追加するMODやパラメーター変化による
体系の変化を無効にするものなども。

私はまだバニラで遊びきれていないので
こうしたMODには手を出していませんが
ゲームにスパイスを加えたい場合は
あると嬉しい選択肢ですね。

最後に

以上、手短ですが
私なりのKNESHIの紹介記事でした。

プレイ環境やヴィジュアルの面で
何かととっつき辛い本作ですが、
12年の歳月をかけた大ボリュームと
独立系開発だからこそ可能だった
尖りまくったゲームデザインは
好きな人には本当にたまらない魅力があります。

続編やヒット作の焼き直しばかりの
大手タイトルのゲームにはもう飽きた、
あるいは一本で何百、千時間遊びまくれるゲームが欲しい
という方はぜひ、このKENSHIをプレイしてみてください。

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