退屈ブレイキング

ジョジョ、SCP、映画、ゲームなどの話題が中心の趣味ブログ。おおむね週一更新です。

超難解!SCP-4972 Something is Wrong(なにかおかしい)の翻訳と解説

読めば読むほど不安になる難解SCP

こんにちは、daimaです。
本日は今年8月に投稿されたばかりで
かつ本国サイトで100を超えるup voteを獲得した
SCP-4972 Something is Wrong(なにかおかしい)
を解説付きでご紹介します。

それではどうぞ。

余談:
当記事の訳文は私が
英語版の記事を独自に翻訳したものですが
訳文の作成中に日本支部訳文が公開されたため、
記事中の固有名詞はそちらに準拠しています。


SCP-4972 Something is Wrong(なにかおかしい)

アイテム番号: SCP-4972
オブジェクトクラス:Unknown

f:id:ama46572222:20190916234146j:plain
カレ博士

特別収容プロトコル:
内部にSCP-4972が存在するとみなされている
適応収容チャンバー( The Adaptive Containment Chamber、以下ACC)
はそれが最初に発見されたサイト-22※の区画内に留められています。
(補足: サイト=一般施設に偽装した財団の関連施設)

ACCは常に10人以上で
構成される収容チームによって
保護されなければなりません。

承認済みの試験プロトコルを除き、
ACC内部への観察及びアクセスが
行われることはありません。

既に承認されている
ACC内部へのアクセスの試みは
以下の手順に従って実施されます。

  • すべての試験はDクラス職員1名のみを用いて実施されます
  • 試験の経過を監視する記録装置はありません。
  • 全てのセキュリティ担当者は
    入室時にACCから視線を外す必要があり、
    ACCが再び閉じられるまで
    防音ヘッドギアを装着します。
  • Dクラス職員がACC内部に留まる時間は
    事前に指定する必要があります。
    Dクラス職員はこの時間が経過するまで解放されません。
    時間になってもDクラス職員が退出しようとしない場合、
    ACCは封じ込められたままになります。
  • ACCから退出した後Dクラス職員は除染され、
    身体に異常がないか遠隔スキャンを受けたのち
    カレ博士によるインタビューを受けます。
    インタビューは密閉されたインタビュールーム内で実施され、
    インタビュアーと被験者は別々の区画に分けられます。
  • インタビューが終了し、
    対象のDクラス職員に問題がないと十分に確認されるまで、
    いかなる個人も対象に直接接触してはいけません。
  • 検査が終了し、
    関連するすべての情報が記録された後、
    DクラスにはクラスA記憶処理が施され、
    実験に関する記憶が消去されます。

Dクラス職員のテストから
得られたすべての情報は
カレ博士のみがアクセスできます。

博士が死亡した場合
もしくはその他の理由で
職務を遂行できなくなった場合、
アクセス権は博士の次に
最高位の権限を持つ研究員に移譲されます。

概要: SCP-4972はサイト-22にある
適応収容チャンバー内に存在すると推定される
物体、実体または現象です。

発見: SCP-4972はサイト22の
定期的なシステムスキャンによって発見されました。

以前のチェック実行時、
未使用の区域がサイトの発電機から
大量の電力を消費していることが発覚し、
続く調査の結果
問題の区域でACCが発見され、
さらにそのACCの側面には
内部にSCP-4972が収容されていたことを
示す表示が確認されました。

ACCは脅威レベル:赤の異常物を
安全に保管するために設計された実験収容チャンバーです。

SCP-4972の発見時、
ACCのプロトタイプはまだ完成して
いなかったことに注意してください。

サイト-22に配置されている人員は
ACCがどのようにサイト-22に
運ばれたかを説明することができず、
多数の職員を対象に実施された記憶処理は
誰にもACC到着時の記憶が
存在していないことを証明しました。

またACCが発見された
サイト22のセクションが
長期間使用されていなかった理由を
説明できる者もいませんでした。

その後財団アーカイブ内の
SCP-4972関する情報の調査を実施したところ
次のメッセージのみが発見されました。

適応収容室の封鎖を
解除しようとしないでください。
チャンバー内部に立ち入ろうとしないでください 。
チャンバーから何も取り出そうとしないでください 。
チャンバーの内のものを推測しようとしないでください。
チャンバーの内のものを憶測することもしないでください。
これ以上の情報を明かすことはできません。
すみません。

O5-6(コマンドコード ████-████-████-████)

サイト22の職員と同様に
O5-6に対して行われた記憶療法は
彼らが過去のいかなる時点においても
SCP-4972やACCの出現に関する記憶を
一切所持していなかったことを明らかにしました。

また、メッセージに添付されていた
コマンドコードは数年前には既に
期限切れになっていたものでした。

SCP-4972の性質を確認するために
考案された現在の試験手順は
上記メッセージの大部分に従う形で
カレ博士によって作成されたものであり、
O5-6による承認を受けています。

テストログ 4972-1:

被験者: D-29102。
ACCでの滞在時間: 120秒。

被験者はテスト手順に従って
ACCに入り120秒後に出てきました。
検査結果は彼女の体内に一
切の異常を示しませんでした。
被験者がACCを退出してから5分後に
インタビューが行われました。


<ログ開始>

カレ博士:こんばんは。気分はどうですか?

D-29102:ええ、悪くはないわ。
ところでなんであんたは
私をあの場所に入らせたわけ?
何もさせなかったのに。

カレ博士:ただの定期検査ですよ。
あなたがそこで見たものを正確に教えてもらえますか?

D-29102:まあ、何の変哲も無い
ただの部屋だったわ。これでいい?

(一時停止)

カレ博士:もう少し具体的にお願いします。

D-29102:ああ、そうね。
まあ、おおむね四角い部屋で、
天井についた一個の照明が
部屋全体を照らしていたわ。
壁は…ええと、
妙なもので覆われていたんだけど
私にはそれをどう説明すればいいかわからない。
プチプチ(=エアパッキン)みたいな?

カレ博士:それは適応膜(adaptive membrane)でしょう、
構成図にも一致します。他には?

D-29102:特に面白いものはなかったわ。
私は2分くらい立ち止まって、
それからあんたが言ったようにドアをノックした。
ちょっとひどい朝食の騒音が
した気がしたけれどそれだけよ。
(一時停止)

カレ博士:え、なんですって?

D-29102: ひどい朝食の騒音。なんで聴くの?

カレ博士:ああ、すみません。
あなたが別のことを言ったと思ったんです。

D-29102:それで、他に何かある?(笑う)
言わせてもらうなら、これは大した検査じゃないんでしょ。
あんたたちは私をペテンにかけようとしてるんじゃない、違う?

カレ博士:あなたが気付いたことがそれだけなら、
私からこれ以上質問することはありません。
すべてが正常であることを確認するために
さらなる検査を受けてもらいます。
それから、あなたは同意のとおり釈放されます。

D-29102:最高ね。

(カレ博士は立ち上がり、
インタビュールームの彼の側のドアから退出しました。
D-29102は立ち上がり、奥の壁を通過して退出しました。)<ログ終了>

444/5000
テストログ4972-2:

被験者:D-39112。
ACCでの滞在時間 :5分。

ACCに入る前に被験者は
通常の人間の能力を超えた現象の
知覚を可能にするための
認知療法を数回受けました。
被験者は試験手順に従ってACCに入り、
5分後に再出現しました。
検査結果は被験者の体に異常を示しませんでした。
対象者がACCを退出してから
5分後にインタビューが行われました。

<ログ開始>

カレ博士:こんにちは、D-39112。
気分はいかがですか?

D-39112:いちいち
その番号で呼ぶのは大変じゃねぇか?
例えば"スティーブ"みたいに、
普通に俺の名前を呼ぶことはできねぇのか?

カレ博士:結構です。
ティーブ、気分はいかがですか ?

D-39112:ヤバいね。

カレ博士:気分が優れないのですか?

D-39112:いやいやいや、
いい意味でヤバいってこと。

(一時停止)

カレ博士:わかりました、元気そうで何よりです。
あなたがACCで見たものについて教えてください。

D-39112:何のこと?

カレ博士:(ため息)さっきあなたが入った
部屋のことですよ、スティーブン。

D-39112:そうそうそう、
俺はあんたに言われた通りそこに入って、
周りを見渡して、それで俺はガキの頃よく
バーナード・ザ・バウンシング・バニーっていう
テレビ番組を見てたんだ。
あんたは見たことあるかい?

(カレ博士は10秒間メモを取ります。)

カレ博士:いいえ、ありませんが。

D-39112:この番組は
あんたが想像している通り
元気ウサギのバーナードっていう
キャラクターを中心に回っている。
バーナードは両耳に同じ斑点がある
遊び心のあるウサギだ。
バーナードは、警察犬のパーシーや
プロデューサーが今日まで名前を付けてない
巨大なクモのキャラクターとかに、
いつもいろんな悪戯をするんだ。

(カレ博士が1分間メモを取る。)

カレ博士:、続けてください。

D-39112:俺がガキの頃、
この番組をテレビで見ていた。
あんた理解してるか?
俺のテレビでだ。
空中はアイスクリームのように
空気からそれをすくい上げていた
それはまるで空の夢のような気分だったよ。
あんた、自分のテレビは持ってるか?

(Dr.Carèは7分間メモを取る )

カレ博士:持っていますよ。なぜ聞くのですか?

D-39112:ただの好奇心さ。
俺のテレビには時々
遊び心のあるウサギが現れるんだ。
俺が買い物に行ったときでさえ
両耳に同じ斑点があるあいつの姿が
ガラスの破片の中にいるのが見える。
あいつは俺が一番気に入ってる
テレビ番組の登場人物なんだよ。

(カレ博士は5時間メモを取る)

カレ博士:すみません、
ウサギの名前は何でしたか?

D-39112:バーナードだ。

(Dr.Carèは640年の間メモを取る)

カレ博士:情報ありがとうございます。
とても助かりました。

D-39112:どうってことないぜ。

(カレ博士は立ち上がり、
インタビュールームの彼の側のドアから
インタビュールームを退出する。
D-39112はインタビュールームの
彼の側で同じことをする)<ログ終了>

テストログ4972-3:

被験者: ケア博士
ACCでの滞在時間 : 6時間。

サイト22での収容違反の際
SCP-4972に割り当てられた警備員は
当該違反を止めて施設を確保するための
取り組みを支援するために再配置されました。

ケア博士は、この時点でSCP-4972の
無許可試験を実施するために
ACCに入ったと考えられています。

彼は6時間後に警備員が戻った時に解放されました。
検査では彼の体に異常はありませんでした。

インタビューは、ケア博士がACCを出てから5分後に
レスティ博士によって行われました。


<ログ開始>

レスティ博士:どうして
あんなことをしたのですかジョン?
一体どういうつもりなのですか。

カレ博士:私は知らなければならなかった。
何かがおかしかったんだ。

レスティ博士:それはどういう意味ですか?
何が間違っていたと?
あなたが何を考えていたのか正確に説明してください。
試験手順を考案したのは他の誰でもない、
あなた自身なのですよ!

カレ博士:私はどっちなのだろうか?

レスティ博士:何ですって?

カレ博士:私は私なのか、それとも私はあなたなのか?
私にはできない…伝えることは困難だ。
(笑う)私を助けてくれないだろうか?

(一時停止)

レスティ博士:気分はいいですか、ジョン?

カレ博士:ああ、いやいや、
全く大丈夫なんかじゃない。
私はしなくてはならない…
それが起こる前にあなたに伝えるために、
私はあなたに伝える必要があるんだ。

レスティ博士: 起こる ?何がですか?

カレ博士:私には分からない。
でも何かが、何かが起きるんだ、
私にはそれが何かは分からないんだが、
私は、私はあなたに
そのことを伝えなければならないんだ。

レスティ博士:わかりました。続けてください。

カレ博士:私たちはあれを開くべきではなかった。
そう、開くべきではなかったんだ、ノア。
私は…言葉を見た。
私には言葉が見つからない、
それらはあまりに多すぎる。
もう少しだけ減らす必要がある。
必要なのは10個程度だ。
いったい私は何を話しているんだ?
まるで泡風呂の泡のようだ。

レスティ博士:泡風呂の泡 ?

カレ博士:拡散、拡散、あー、希釈、
そうだ、それが正しい言葉だ。
まさにその通りの。
これを書き留めるな
これを書き留めてはいけないんだ!
近づきすぎてしまう!

レスティ博士:何を言っているのですか?
ジョン、私たちがインタビューの
記録を取る必要があることは
分かっているでしょう。
それが将来の試験に役立つのだから。

(カレ博士が過呼吸を起こし始める)

カレ博士:何かがおかしい。何かが間違っているんだ。
それについて考えるな、それを解決しようとするな、
あなたはそれに近づきすぎている。
私はこれ以上何も言うべきじゃない。
何も言えないんだ、申し訳ない。

(カレ博士は自分の手を見下ろして叫び声をあげる。
レスティ博士が立ち上がる。)

レスティ博士:それは何ですか?
一体どうしたんですか、ジョン?

カレ博士:私に何をしたんだ!?
私の手が!このくそったれの手を見てくれ!
この場所は何なんだ!?
ここはどこなんだ!?どこなんだ!?

(二人目のカレ博士が観察窓に近づき、
身をかがめて大きくニヤリと笑う。
人差し指でガラスをリズミカルに叩き、
7秒後に床に沈んでいった)

(レスティ博士は振り返りインタビュー室の
彼の側のドアを通ってインタビュールームを退出する。
カレ博士はそうしない)<ログ終了>

考察

本篇を読み終えたところで
本SCPを考察するにあたって
特に重要であると感じた個所を
順にピックアップしてみます。

カレ博士の画像が真っ黒

本SCPを読んでいて最初に引っかかる点が
記事内に添付されているカレ博士の画像が
ただの黒一色になっている事ではないでしょうか。

これはカレ博士に関する情報が
何らかの理由で改ざんされた可能性を示唆しています。

オブジェクトクラスがUnknownになっている

普通、SCPオブジェクトは
Safe、Euclid、Keterなどの
オブジェクトクラスに分類されますが
SCP-4972のオブジェクトクラスは
Unknown(不明)となっています。

これはSCP-4972が
「(ACC内部に)存在すると考えられるが、
実際にその実態や性質を実証することができない」

という極めて特殊な立ち位置にあり、
その危険性を推測することすら
できないことを示しています。

ACC(適応収容チャンバー)について

収容プロトコルの記述に入ると、
本SCPを読み解く上で最も重要な
「ACC(適応収容チャンバー)」が登場します。

SCP-4972はサイト-22にある
適応収容チャンバー内に存在すると推定される
物体、実体または現象です。

前回のチェック実行時、
未使用の区域がサイトの発電機から
大量の電力を消費していることが発覚し、
続く調査の結果
問題の区域でACCが発見され、
さらにそのACCの側面には
内部にSCP-4972が収容されていたことを
示す表示が確認されました。

財団が作った装置であるはずなのに
定期チェックで初めてその存在が確認され、
しかも中に入っているオブジェクトについて
誰も知らないというこの異常事態。

これはこの報告書における
最初の大きな謎の一つです。

ACCは脅威レベル:赤の異常物を
安全に保管するために設計された
実験収容チャンバーです。

続いてこの箇所を読むと、
ACCは財団が危険なオブジェクトを
補完するために作ったもの…
つまりは一種のタウミエル的な
存在であることが分かります。

しかしそうすると
財団が件のACCを偶然発見したこと
(=自分たちで作ったのにその
存在を把握していなかったこと)
は大変おかしい状況です。

そして次の一文が
このおかしさをさらに強く決定づけます。

SCP-4972の発見時、
ACCのプロトタイプはまだ完成して
いなかったことに注意してください。

発見時に試作品すら
完成していなかったはずの装置が
なぜ財団の認知していない場所で
完成してしかも稼働までしていたのか。

この事実からは
何らかのアノマリーによる記憶改編、
もしくは財団自身による職員への記憶処理が
行われた可能性が強く疑われます。

O5-6の警告メッセージについて

適応収容室の封鎖を
解除しようとしないでください。
チャンバー内部に立ち入ろうとしないでください 。
チャンバーから何も取り出そうとしないでください 。
チャンバーの内のものを推測しようとしないでください。
チャンバーの内のものを憶測することもしないでください。
これ以上の情報を明かすことはできません。すみません。
O5-6(コマンドコード ████-████-████-████)

財団は調査の結果、
O5-6が発行したとされる
上記メッセージを発見しました。

しかし当のO5-6は
自分はこのメッセージに身に覚えがなく、
またそのことはO5-6に対して行われた
記憶療法も証明しています。

このメッセージが仮に
O5-6本人のものでなかったとしても、
財団の最高意思決定機関である
O5のメッセージが偽造されるなど
あってはならい事のはずですし、
もし本人のものであれば
O5-6自身が何らかの異常に
曝露したという事でありやはり一大事ですね。

一方でこのメッセージの内容を読むと
ACCの中のもの(=SCP-4972)について
取り出すことはおろか
考えることすらするなという
非常に厳しい禁止事項が記されています。

そのことについて知ったり
考えること自体が危ないというのは
SCP-3125やSCP-040-JPなどの
ミーム的なオブジェクトに
共通する性質ですが
恐らくSCP-4972もそれらと同様の
感染力のあるミーム系オブジェクトなのでしょう。

このことを踏まえると、
職員からACCやSCP-4972に関する情報が
部分的失われていた理由にも何だか
想像がつくような気がしてこないでしょうか。

3つのインタビューログについて

続いて本SCPの肝と言える、
3つのインタビューログを振り返って見ましょう。

テストログ4972-1

他の二つのログに比べて
比較的まともに見えるこのログですが
それでもところどころ
明らかに不自然なやりとりが見つかります。

D-29102:特に面白いものはなかったわ。
私は2分くらい立ち止まって、
それからあんたが言ったようにドアをノックした。
ちょっとひどい朝食の騒音が
した気がしたけれどそれだけよ。
(一時停止)

カレ博士:え、なんですって?

D-29102: ひどい朝食の騒音。なんで聴くの?

カレ博士:ああ、すみません。
あなたが別のことを言ったと思ったんです。

Dクラスが唐突に
「ひどい朝食の騒音(snarky breakfast noise※)」
という明らかに奇妙なフレーズを口にしたにも関わらず、
カレ博士はそれを一度聞き返しただけで、
深く追求しようとしていません。
(※最初は英語に何か
snarky breakfast noiseという
特別な言い回しがあるのかと考えましたが
特にそのような例はないようであり、
これは単に朝ごはんの時に卵を焼いたり
食器を準備したりするときに
発生する音全般を指しているものと思われます。)

ACCとSCP-4972の謎を究明するための
試験のはずなのに、カレ博士が
この明らかに不自然な発言を
さらっと流しているのは明らかに不自然ですね。

またこのログではもう一つ、
その終わりの部分に
明らかな異常が見て取れます。

(カレ博士は立ち上がり、
インタビュールームの彼の側のドアから退出しました。
D-29102は立ち上がり、奥の壁を通過して退出しました。)<ログ終了>

よく読むとDクラスが壁を
すり抜けている
ではありませんか。

しかもこのことは
この報告書内及びその後の部分でも
一切触れられていません。

まるでそれが全く自然のことであるように
不自然なほどあっさりとスルー※されてしまっているのです。
(※Dクラスが壁をスルーしたことと掛けているわけではない)

テストログ4972-2

第二のログは
前のものよりも更に奇妙です。

D-39112は
インタビューが開始すると
ACCでの体験をほとんど話さず、
代わりに全く関係のない、
子供の頃に見たという
テレビ番組について捲し立てます。

D-39112:そうそうそう、
俺はあんたに言われた通りそこに入って、
周りを見渡して、それで俺はガキの頃よく
元気ウサギのバーナードっていう
テレビ番組を見てたんだ。
あんたは見たことあるかい?

(カレ博士は10秒間メモを取ります。)

カレ博士:いいえ、ありませんが。

これに対しカレ博士は
10秒ほどメモを取り、
D-39112に話を続けるよう促しました。

しかしD-39112の話は
次第に現実と乖離した
支離滅裂なものに変化していきます。

D-39112:俺がガキの頃、
この番組をテレビで見ていた。
あんた理解してるか?
俺のテレビでだ。
空中はアイスクリームのように
空気からそれをすくい上げていた
それはまるで空の夢のような気分だったよ。
あんた、自分のテレビは持ってるか?

またこのログの
おかしい部分として
もうひとつ気づくのが、
カレ博士がメモを取る時間の長さが
段々と過剰になっていくことです。

(カレ博士は7分間メモを取る)

(カレ博士は5時間メモを取る)

(カレ博士は640年の間メモを取る)

常識的に考えて
カレ博士が640年もの間、
メモを取り続けることは不可能のはずですが、
これもまた前のログの壁通過や
不自然な発言と同じく
何の言及もなくスルーしたまま
インタビューが終了しています。

なぜ、明らかにおかしいことを
誰もおかしいと認識できないのか?

本SCPを読み解くカギは
どうやらここにあるようです。

テストログ4972-3

最後のログで被験者となったのは
カレ博士自身です。

カレ博士はサイト22で発生した
収容違反を利用して独断でACCに入り、
今までで最長である
6時間もの間そこに留まりました。

そしてカレ博士がACCを出てから
5分後に行われたインタビューの内容は
今までで最も混沌としたものになりました。

レスティ博士:どうして
あんなことをしたのですかジョン?
一体どういうつもりなのですか。

カレ博士:私は知らなければならなかった。
何かがおかしかったんだ。

前の二つのログでは
異変に気付いていなかったカレ博士ですが、
その後何らかの理由で異変に気付き、
真相を明らかにするために
無断でテストを実施したようです。

カレ博士:私はどっちだろうか?

レスティ博士:何ですって?

カレ博士:私は私なのか、それとも私はあなたなのか?
私にはできない…伝えることは困難なのです。
(笑う)私を助けてくれませんか?

この「どっち」は
後の展開を考えると実に不吉です。
カレ博士はACCの中で
何を見たというのでしょうか?

カレ博士:ああ、いやいや、
全く大丈夫なんかじゃない。
私はしなくてはならない…
それが起こる前にあなたに伝えるために、
私はあなたに伝える必要があるんだ。

レスティ博士: 起こる ?何がですか?

カレ博士:私には分からない。
でも何かが、何かが起きるんだ、
私にはそれが何かは分からないんだが、
私は、私はあなたに
そのことを伝えなければならないんだ。

カレ博士は「何か」を
伝えなければならないと感じていますが、
その「何か」の正体を
自分でも理解していないようです。

カレ博士:私たちはあれを開くべきではなかった。
そう、開くべきではなかったんだ、ノア。
私は…言葉を見た。
私には言葉が見つからない、
それらはあまりに多すぎる。
もう少しだけ減らす必要がある。
必要なのは10個程度だ。
いったい私は何を話しているんだ?
まるで泡風呂の泡のようだ

「言葉(word)を見た」
これはSCP-4972の
正体を推測する上で
ひとつの大きなヒントになりそうです。

「言葉が見つからない、
それらはあまりに多すぎる。」
という発言は自分の伝えたいことを
最低限の言葉で的確に伝えるのが
難しい、という意味でしょうか。

カレ博士:拡散、拡散、あー、希釈、
そうだ、それが言葉だ。
それはそれです-
これを書き留めてはいけない、
これを書き留めてはいけないんだ!
近づきすぎてしまう!

続いてこの箇所、
「書き留めてはいけない」
「近づきすぎてしまう」
この二文からは、SCP-4972が
認識するだけで曝露する情報災害系の
オブジェクトであることが推測でき、
そう考えると先のO5-6の
警告文の内容も筋が通ります。

つまりSCP-4972は
実体を持たない概念的な存在であり、
かつこれについて考えること自体が
曝露の可能性を増やす(=近づきすぎる)
危険な行為となるのでしょう。

カレ博士:私に何をしたんだ!?
私の手が!このくそったれの手を見てくれ!
この場所は何なんだ!?
ここはどこなんだ!?どこなんだ!?

カレ博士は自分の手に
異常が起きたことを訴えていますが
ログには博士の手にどのような
異常が起きたかの記述がありません。

レスティ博士もカレ博士を心配しますが
手については特に何も発言していません。

(二人目のカレ博士が観察窓に近づき、
身をかがめて大きくニヤリと笑う。
人差し指でガラスをリズミカルに叩き、
7秒後に床に沈んでいった)

ログの終わり際になって唐突に
二人目のカレ博士(The second Dr. Carè )が登場しました。

SCP-4972の影響で
カレ博士が複製されたのでしょうか。

また二人目のカレ博士が
最後に床に沈んでいった描写は
一つ目のログでDクラスが
壁を貫通した描写と類似性があります。

(レスティ博士は振り返りインタビュー室の
彼の側のドアを通ってインタビュールームを退出する。
カレ博士はそうしない)

ともあれ、
最後のインタビューは混乱を極めたまま
不自然になほどすんなりと終わりを迎えました。

ここまでの3つのログに共通していたのは、
明らかに不自然な言動や現象があり、
にもかかわらず誰もそのことを
不自然であると指摘しない
という不気味な奇妙さです。

読めば読むほど謎が深まるこのSCP、
貴方は一体どう見るでしょうか。

それでは引き続き、
ここまでの情報を総合して
私なりの結論を発表することで
当記事の締めくくりにしようと思います。

daimaの見解

本SCPに対して
私が考えうる解釈は二つあります。

一つはACC自体が
SCP-4972に適応するものである
という説。

この説ではまず、
SCP-4972が複数の次元にまたがって存在する
時空間異常のようなものであるという前提を置き、
そのためACCはSCP-4972を収容するために
ACC自身を同じように現実世界と
別の次元にまたがって存在できるように
不自然な形に捻じ曲げる(=適応する)必要があったと仮定します。

ちなみにACCに入っていない
第一、第二のログ時点のカレ博士や
レスティ博士の態度にも異常が見られたのは
ACCが開いたときにその影響を
部分的に受けたためであると考えます。

次にもう一つの説は
ACCが現実をSCP-4972に適応させている
というものです。

この説において
SCP-4972は時空間に異常をもたらす
一種の形而上学的存在であり、
SCP-4972に位置的に近づくこと、
またはSCP-4972に情報的に近づく(=4972に関する情報を知ろうとすること)
はSCP-4972への曝露につながります。

財団はある時SCP-4972を発見したものの
これを完全に無害化する方法を見つけられず、
その場しのぎの代替案として件のACCを開発しました。

ACCの役割は2つあり、
ひとつその中にSCP-4972の影響範囲を留める※こと、
そしてもう一つはSCP-4972が
現実世界に異常を及ぼした際に、
ACCの方からも現実を改変することで
人々に異常を異常であると認識させなくすること
です。
(※ただしSCP-4972について考えることで発生する
情報的な認識災害は封じ込め不可)

これは言うなれば
SCP-4972について考えること自体が危ないなら、
SCP-4972のやったことを誰も認識出来ないようにして
それ以上の曝露を防ごうぜ
、という
その場しのぎを繰り返すような危うい対策に他なりません。

そしてもしこの仮定が正しければ
ログの中でDクラスが壁をすり抜けたり
カレ博士が700年もの間メモをとったことに
特に言及がなかった事に説明が付きますし、
現実の方を4972に適応させるという意味で
ACC(適応収容室)の名にも一応筋が通ります。

O5-6を含む全職員が
ACCやSCP-4972について記憶を持っていなかったのは
その記憶がある時点でSCP-4972によって
改ざんされて失われたか、
あるいはそれ以上の曝露の進行を防ぐために
財団の方から記憶処理が行われた可能性を考えます。

もっともこれら考察は
何かしら突っ込みどころが残りますし、
そもそもオリジナルの投稿者による見解が出ていない以上
どこまで行っても推測の域を出ません。

ちなみに本SCPについては
その難解さから本家ディスカッションや
reddit等に多くの考察があり、
中にはACCの中身は本当は空っぽで、
ログ内で起きていた様々な異常は
ACCがなにもない「無」を」「正しく」修正しようとした
結果による一種のバグだった
とする面白い説もありました。

ちなみに多くの方が気になっているであろう
4972の正体ですが、報告書内で明言されていない以上
残念ながら全くの不明という他ありません。

ただ、ログの描写を見ると
壁をすり抜けたり
同じ人間が二人現れたりするのは
どこかテレビゲームのバグを思わせます。

もしかすると現実世界の「コード」を
部分的に書き換えてバグらせる
クラッカーのような存在なのかもしれませんね。

f:id:ama46572222:20190922131510j:plain
↑※イメージです。

あるいは…

そうだ、私は小さい頃
三輪車に乗って怪我をしたことがありました。
この前お話したように頭から
壁にぶつかって何針も縫ったのですが、
それでも自転車に乗ることをやめたりはせず
今では週末の趣味としてよく自転車に乗っています。

それではまた次の機会に。

参考

www.reddit.com

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