SCP財団vs世界、本気で戦ったら勝つのはどっち?【軍事力考察】

SCP

はじめに

日々恐るべき怪物や危険な現実改変能力者、
ミーム災害などから私たちを守ってくれているSCP財団

なんとも頼もしい存在ですが、
私は常日頃そんなSCP財団に対して
あるひとつの素朴な疑問を抱いていました。

「もしSCP財団が現実の軍隊と戦ったらどっちが勝つのだろう」
…と。

日頃戦っている相手が相手だけに
生半可な戦力でないことは確かだと思うのですが、
かといって表立って活動できない制約がある以上、
人員や予算の面では正式な軍隊には及ばないようにも思えます。

報告書ごとに設定のぶれがあり、
答えを出すのがなかなか難しそうなこの疑問ですが、
本日はいくつかの報告書やtaleの描写を参照しつつ
「SCP財団の軍事力」に迫る考察を展開してみたいと思います。

SCP財団の軍事力についての考察

ステップ1 事実ベースで考えてみる

先ほども少し触れた点ですが、
不特定多数の書き手が参加する
シェアワールド型の創作物である
SCP財団を考察を進めるうえでひとつ厄介なのが
「書き手ごとに細かい設定に食い違いが生じる可能性があること」です。

ご存じのようにSCP財団には
「報告書やtaleをサイトに投稿するときは
最低限これだけは守ってね」という基本設定(基本カノン)こそあるものの、
それ以外の細かい設定については
それぞれの書き手の独自の設定=ヘッドカノンに基づいて
自由に書くことが容認されているのです。

つまり、基本カノンで明言されていない事柄については
一読者や一執筆者が勝手にこれが真実だと
言い切ることはできないわけですね。

その前提のもと本考察では
一つの明確な答えを出すことを目的とせず、
「実際に報告書やtaleに書かれている描写を集めて
読者や書き手が暗黙の共通了解としている設定を探っていこう」

という方向性の元、ある程度大まかな答えを出すことを目的として
考察を進めていきたいと思います。

ちなみにSCP財団には投票制度があり、
あまりにもSCP財団のイメージからかけ離れた報告書については
down vote(反対票)によってマイナス評価が可視化される仕組みがあり、
加えてdown voteが一定の割合を超えた上で
一定期間が経過した場合には
その報告書がサイトから削除されるようになっているため、
SCP財団のサイトに削除されずに残っている報告書は
概ねSCP財団に対する共通のイメージが守られている
作品であると捉えても問題ないのではないかと思います。

さて、前置きが長くなってしまいましたが
そのようなわけでいくつかの報告書やtaleから
SCP財団の軍事力を考察するうえで
有用そうな描写をつらつらと書き出してみたいと思います。

SCP財団の軍事力・影響力に関する興味深い描写の一覧

  • 1つの実験に数千万ドル以上をつぎこめる資金力(SCP-1445)
  • 対衛星ミサイルの保有(SCP-1720)
  • 原子力潜水艦の保有(SCP-667-JP、クレフ博士の提言)
  • 核弾頭の保有(SCP-685、SCP-938-JP、SCP-666-KO-D)
  • 水素爆弾の保有(SCP-902)
  • アメリカ、ロシア、中国、日本、フランスなど先進国各国に支部が存在
  • 航空戦力による精密爆撃を実行可能(SCP-1055)
  • 複数の平行宇宙にアクセスできる(SCP-2264、SCP-4242など)
  • 財団のトップであるO5は不死の技術にアクセスできる
  • 各国警察内部にエージェントを潜入させている(SCP-2510、SCP-1574-JP、SCP-1645-JPなど)
  • 先進国各国の政府内部にエージェントを潜入させている(SCP-2955など)
  • 世界中の報道機関、メディアにエージェントを潜入させていて報道内容のコントロールできる(SCP-2489、SCP-3519)
  • 日本の首相官邸にエージェントを潜入させている(SCP-360-JP)
  • 神や悪魔と関係を持ち、戦って勝利したこともある(SCP-4661、スパイク・ブレナンの提言)
  • 高度なAI、信頼性の高い宇宙探索、スクラントン現実錨に代表される現代の水準を超えた技術力

このステップにおける結論

地味にとんでもない事柄が並んでいますが
中でも戦力を語る上で分かりやすいのが核兵器の私的所有ですね。

第二次大戦以降の世界情勢を鑑みると、
これだけでも敵対者にとって
相当な抑止力になることが予想されます。

また、政府や首相官邸などの
国家の中枢部に多数のエージェントを送り込んでいることから
情報戦においても多くの国家に対して
優位に立っていることが読み取れます。

これらに加えて現代の常識をはるかに超越した
多数のアノマリーを保有しているというのだから
SCP財団にケンカを売ろうという者は
それが個人であれ国家であれ
相当の覚悟を以て望まねばならないことは間違いないでしょう。

ステップ2 MTF(特殊部隊)の皆さんについて調べてみよう

SCP財団の戦力を語るうえで忘れてはいけないのが、
それぞれが中二病風味のカッコイイ二つ名を与えられているMTF(特殊部隊)の存在です。

機動部隊 - SCP財団

彼らはチームごとに異なる得意分野を持つ
プロフェッショナルの集団であり、
一般の職員やエージェントでは対応できない
特殊な状況で呼び出される財団の切り札的存在でもあります。

ここでは、その中でも特に強力な
いくつかごのチームをご紹介します。

機動部隊アルファ-9 ("残された希望")

狂戦士アベル(SCP-076-2)や
写真を通じて遠隔地の現実改変を行える少女
アイリス・トンプソン(SCP-105)などの
人間タイプのアノマリーが所属する機動部隊オメガ-7
…がアベルの暴走によってアイリス以外の隊員が
全員惨殺されたことで解体された後に
やっぱ超能力者チームは財団に必要だよねという流れで
再編成されてできた部隊。

アベルが所属していた頃ほどの破壊力はなくとも、
写真を通じて世界のどこからでも相手を暗殺できる
現実改変能力者が所属している部隊が
財団の敵対者にとって脅威にならない理屈はないでしょう。
(たとえ、彼女はその役回りを望んでいなかったとしても…)

機動部隊タウ-5 ("サムサラ")

財団がタベルナス砂漠で発見した
体重900kgを超える巨大な人間の死体(死した神の肉)から作成した
サイボーグのクローンで構成される機動部隊。

高い知性と身体能力を有し、
パラテック装備(第三法則ハブを参照)と呼ばれる
特殊なサイバネティクスを使いこなすことで
個人で一般的なMTFの1班に相当するパフォーマンスを発揮します。

確認されている装備は奇跡論防御インプラント、
アーガスIII状況認識システム、ヘルゲート局所防御システム、
スペルイーター弾、消退グレネードなど腕部装備型焼夷キャノン、
衝撃吸収拡張脚部、耐熱プレート、
眼内埋込み型スクランブル装置、
その他の多数のサイバネティック強化装備などなど。
(より詳しくは『オペレーション・アズール・ペレグリン』を参照)

機動部隊シグマ-31("ダモクレスの盾"

SCP-2631に登場。

SCP-2631は要約すると
ある時地球の静止軌道上に隠蔽されていた
地球外起源の人工衛星(SCP-2631-A)の存在が発覚し、
さらにそれが実はあるアノマリーの収容違反に呼応して
カイパーベルト内の本部へと「惑星破砕要請」を送り
地球へと亜光速の質量爆弾を撃ち込ませる中継機だったというお話です。
(ちなみに最初の発射事例の際は着弾前に
トリガーとなっていたアノマリーが収容されたことで
射出物の軌道が外れ、地球の破壊は未然に防がれています。)

そしてシグマ-31の役割はこのイベントが発生した際に
質量爆弾の誘導装置の役目も果たす
SCP-2631-Aを破壊することなのですが、
その際にこの舞台には戦術核ミサイルや核弾頭の使用まあ許可されています。

このことからは、財団がその気になれば
部隊単位で核兵器を運用することも可能であるということがわかります。

機動部隊オメガ-12 ("アキレウスの踵")

ヒューム値の異常によって異世界の現実改変能力者が
不定期に出現する様になったオリンポス山山頂(SCP-3480)から
出現した実体の中でも、特に適性があると判断された
クラス-Ⅲ以下の現実改変能力者たちによって構成される特殊部隊です。

最初は毒をもって毒を制すの発想で
同じくSCP-3480から出現した敵対的な実体に
対処する目的で結成されたこのチームですが、
その後有用性が認められる形で活動範囲が広がり、
後にはSCP-3221やSCP-4455など
SCP-3480以外のアノマリーの収容任務にも従事しています。

彼らの能力である現実改変とは
より高いヒューム値でより低いヒューム値の対象を
「上書き」することによる現象であり、
活躍が描かれたtale(オリンポスの斜面にて)では
念動力による攻撃やあるいは
局所的に時間の流れる速度を遅くしたり、
弾丸を花に変えたりといった形で能力を行使していました。

このステップにおける結論

これまでの情報を踏まえて
財団と現実の軍隊との差を考えたとき
最も分かりやすいのがオメガ-12に代表される
現実改変能力を有した部隊の存在です。

もし、現実の戦争にこのような人員を動員できた場合、
敵対組織に対する諜報や暗殺は
はるかに容易なものとなることでしょう。

例えばこれらは財団が被害者となった例ですが
過去には神(SCP-343)やジェームズ・フランクリン(SCP-2996)といった
現実改変能力者が厳重な秘密保護の対策が施されていたはずの
財団施設に易々と侵入してデータベースの改ざんまでしてみせた例がありました。

現実改変能力の研究を行っている財団ですらこうなのですから、
異常性に対する耐性のない現実の国家や軍隊が
このような脅威にさらされれば
彼らの機密情報などまたたくまに
ガラス張りの状態にされてしまうでしょう。

そして、暗殺に関しては
先に述べた機動部隊アルファ-9所属の
SCP-105の存在などがまさに格好の証明です。

彼女はターゲットの映った写真さえあれば
例えターゲットが地球の裏側の核シェルターの中に隠れていようが
問答無用で殺害することが出来る能力があり、
財団に敵対する組織のトップはそれこそO5のように
徹底的に自分の正体をひた隠しでもしないかぎり
常に暗殺のリスクに晒され続けることとなります。

また、仮にトップの写真が手に入らなくても
重要なポストにいる人物の写真を入手した上で
いつでも殺せることを伝えて脅せば
そこから相手側の内部情報を引き出すことが出来る可能性が高まります。

要するにここまでの話を纏めると
財団は現代の科学的常識を超越した
能力を持つ人員を多数戦力に組み込んでいるために、
そういった能力に対する知識や防衛手段を持たない相手に対して
圧倒的なアドバンテージがある
ということですね。

一方で機動部隊に関して
弱みだと言えそうな点としては
現実の軍隊ほどの人員数はない印象があり、
大規模な作戦を展開することは難しそうだということでしょうか。
(現実改変能力にも出来ることとできないことの境界はちゃんとありますしね)

また、単独で強力な力を持ちながらも
機械と違って自我があり未解明の部分も多い
人間型のアノマリーを自軍に加えることは
オメガ-7におけるアベルの例を紐解けば分かるように
生業不能に陥った場合に財団側にも大きな被害を
与えかねないリスクが伴います。

このようなことから、機動部隊は確かに強力ではあるものの
使う側のリスクの問題もあり
それだけで全体の勝敗を決定できるほどの
要因ではないと私は考えます。

ステップ3 SCP財団が手段を選ばなければどうなるか?

ここまで、「SCP財団が現実の軍隊と戦ったらどうなるか」
という視点で考察を進めてきましたが、
実はつい前年、そのまま今回の考察への
ひとつの回答となりうる内容の報告書が
投下されていたことはご存じでしょうか。

その報告書はSCP-5000『どうして?』

記念すべき5000番目の報告書であり
既にチェックした方も多いかとは思いますが、
簡単にあらすじを説明すると
この報告書ではある理由から
人類を滅ぼすことに決めた財団が
手段を選ばずほぼ一方的に人類を蹂躙していく様子が描かれています。

それはこの報告書で財団は一体どんな手段を用いたのか、
その中でも特筆すべき事例を以下に記載します。

関連アノマリー財団が取った行動
SCP-096SCP-096(シャイガイ)の顔の画像をソーシャルメディアネットワークに流布。画像が削除される前に、数百人に及ぶ死者を出した。
SCP-169財団は海底に潜む超巨大生物(SCP-169)の背中の内側と上で核爆弾を爆破させ、それによってSCP-169が身じろぎしたことで発生した地震と津波によって世界各地で相当数の沿岸集落が壊滅した。
SCP-662SCP-662はそれを鳴らすことで異常な能力を有するランプの魔人的な存在である執事風の男性(デーズ氏)を呼び出すことができるハンドベル。財団はこのオブジェクトを使用してデーズ氏に数ヶ国の首脳の暗殺を依頼し、その依頼は速やかに遂行された。
SCP-610SCP-610は感染者を凶暴な怪物に変貌させる伝染性のアノマリー。財団はSCP-610のサンプルを潜入エージェントの手を介してニューヨークやデリーを始めとする数多くの大都市で散布し多くの市民に感染させた。
SCP-682解放。
SCP-1048SCP-682(ビルダーベア)は凶暴な自分のコピーを作成する能力を有した動くクマのぬいぐるみ。財団は一時期収容違反していたこのアノマリーをどうやってか捕獲してパリの町に解き放った。
SCP-2466メガリザードンXと戦うテキストベースの異常なゲームアプリケーションがインストールされたスマートフォン。アプリ起動時に
カリフォルニア州█████████出身者にゲームの進行に応じて異常な行動を起こさせる効果があり、財団はこの性質を利用して同地区出身者が周囲の他の人間に対して敵対的な行動をとるように強制していた。
SCP-3078見たものを強制的に笑わせて最終的に窒息死させる電子画像。財団はほぼ全ての利用可能な媒体を通して3078のコピーを数千枚アップロードし、壊れた神の教会が一部の地域で復旧させたインターネットを速やかに叩き潰した。
SCP-3199SCP-3199は恐ろしく凶暴で強力な鶏人間の卵。財団はこれをありとあらゆる場所に空中投下した。その後に何が起こったかについてはSCP-3199の報告書を読んだ上で是非ともご自身で想像してみてほしい。
SCP-4666SCP-4666はクリスマスの日に民家に侵入して住人をさらい、信じられないほど残酷な仕打ちをする正体不明の人型アノマリー。財団は時間異常を利用して事実上あらゆる場所をクリスマスにし、この恐るべきアノマリーが365日働けるようにした。

特に被害規模の大きかった事例のみを
ピックアップしたこともありますが
それにしても凄まじい被害の度合いです。

これを見てしまったら
どんな国や要注意団体であっても
正気を保っているうちは財団と刃をまじえよう
間違っても思えなくなることでしょう。

ただしSCP-5000における財団はかなり特殊な状況にあり、
これらの行動は通常の財団ならば
そうしなければ確実に世界が滅亡するという場合でもない限り
まず行わない行為であることを念の為補足しておきます。

このステップにおける結論

このステップから導かれる結論は、
財団は仮に自分たち以外の世界全てを一度に相手取っても
手段を選ばなければ勝利することが
可能である可能性が極めて高いというものでした。

あくまでもifの世界の話だったとはいえ、
一つのシミュレーションとして完成度が高く
今回の考察においては非常に参考になる内容でした。

最終的な結論

SCP財団強すぎ!
終わり!閉廷!

米軍どころか世界中の軍隊が束になったところで
真正面から立ち向かったのでは
財団様の手にかかれば一日も持たず存在自体この世から抹消されるでしょう。

GOCとか壊れた神の教会などの
異常現象に通じた要注意団体が一致団結すれば
なんとか勝てる可能性があるかもしれませんが、
SCP-5000の内容を見るにそれもあまり期待はできなさそうです。

もっとも、財団の使命は人類の存続だから、
それに反する行動を行わない限りは
財団から攻撃を受けることはないので
(大多数はそのことを自覚する機会すら無いけれども)
安心して引き続き財団に守ってもらえばよいのではないかと思います。
ヨカッタネー

完全なる敗北。SCP財団が勝てなかったアノマリー13選
Kクラスシナリオの発生や異常の看過など、SCP財団が敗北した描写のある報告書を解説付きでご紹介します。

え?
財団のセキュリティは想像以上にガバガバ
世界終焉級の爆弾をいくつも抱えつつ
そのほとんどに対して根本的な解決法を見つけられずにいる…だって?

そんなときは、
もう、
笑おう! ひたすら笑おう!

僕らと一緒に笑おう!
僕らと一緒に笑おう!
僕らと一緒に笑おう!

笑おう! 笑おう!
笑って僕らの仲間になろう!

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