SCP史上最凶。絶対出会いたくない8体のモンスター達を解説付きでご紹介!

SCP

はじめに

こんにちは、daimaです。

本日は今話題のSCPの中から、
私が特に恐怖を感じた
最凶のモンスターたちを
8体厳選してご紹介します。

怖すぎてもう寝れない!話題のSCPを16体に厳選して紹介してみる - 退屈ブレイキング

オブジェクトクラスなど
財団に関する基本用語については
上記の前回記事にまとめがありますので
そちらをご参照ください。

それでは私と一緒に
恐ろしくも素晴らしいSCPの世界へ
足を踏み入れましょう…!

各SCPの詳細と解説

SCP-049 ペスト医(The Plague Doctor)


SCP-049 - SCP財団

アイテム番号 : SCP-049
オブジェクトクラス : Euclid

SCP-049-2の
詳細な検死解剖によって、
身体の中から[データ削除済]を含む
数種類の珍しい物質が
(大量の一般的な物質とともに)
発見されました。

しかしながら、
幾つかの物質がなお
同定できていません
(Level3以上の研究員は
付録C-1を参照してください)。

SCP-049は、身長1.9m、
体重95.3kgの人型SCPです。

イングランドの██████で
地元の警察に発見され、
その後SCP財団によって
確保、収容、保護されました。

その外見は
15、6世紀ヨーロッパに実在した
ペスト医の衣装に酷似していますが、
セラミック製に見えるマスクは
顕微鏡検査と遺伝子検査によって
筋組織と同様の構造を有することが
明らかになっています。

英語での意思疎通が可能であり、
普段はおとなしいSCPですが、
ひとたび彼が「患者(※注1)」
認識した人間に出会うと、
ある二つの厄介な行動を起こします。
(※注1:患者と認識される条件は現時点で不明)

まずひとつは、
SCP-049が患者に物理的に接触し、
接触された患者は
[データ削除済み]になり即死すること。

そしてもうひとつが、接触行為で
死亡した患者(SCP-049-2)に対し、
特殊な手術を行うことです。

SCP-049は手術に先立ち、
まず目に入る周囲の人間を排除し、
その後、メス、縫合針、縫合糸、
未知の物質が入った薬瓶を収納した
バッグを体の中の
どこかから取り出します。

続いてSCP-049-2を
メスを用いて解剖し、
さらに遺体の体内に
様々な化学物質を注入します。

そして手術開始から約20分後、
SCP-049はSCP-049-2を
元どおりに縫合し、手術を終えます。

手術を受けたSCP-049-2は、
手術後数分で再び生体反応を取り戻し
外見上は元どおり生き返ったように見えます。

ですが、蘇生したSCP-049-2は
記憶、思考、判断を行う高次脳機能が
失われたように振る舞い

別の生きた人間に出会うまで
ふらふらと彷徨い続けます。

そしてSCP-049-2は
遭遇した人間を見つけ次第殺害し、
その後再度心身喪失状態となり
次の犠牲者を探してさまよう行為を
繰り返し続けるのです。

一度殺害した患者を蘇生し、
殺人マシーンに作り変えるこのSCP。

その目的も正体も
今の所まったく不明ですが、
財団には、彼とある博士が会話した際の
貴重な音声データが残されています。

SCP-049:ここはどこだ?
████博士:何?ここは研究…[████博士が驚いて記録装置を落としてしまったことによる大きな衝突音]
SCP-049:研究施設? 実に素晴らしい。ここで患者を見かけなかったのも不思議ではないな。やっとわかったよ。
████博士:あ…ああ。いや、君は話せないのかと思っていたよ。少し驚かされた、うん、話せるのか。
SCP-049:勿論話せるさ、先生。私はただ会話が好きじゃないんだよ。この病気の患者の殆どはかなりの黒胆汁質で、まったく会話に反応してくれないからね。これで貴方に会うのは何回目かだが、貴方の中にはこの病気が発見できなかった。ということはだ、貴方も医者なのではないかと思うのだが?
████博士:ああ、その通り。[編集済]と呼んでくれ…しかし、君が言っているのはなんの「病気」のことだい?
SCP-049:おいおい、先生、大悪疫の事だよ2。それ以外に何があるというんだい?
████博士:悪疫…ああ、ペストのことか3。当然予想して然るべきだったな。だが、ここではだれも罹っていないよ。私が君に保証する。
SCP-049:いや、先生、保証するのは私が貴方に対してだよ。ここには悪疫がある。私には感覚でわかるんだ。世界から悪疫を無くす事こそが私の生涯の義務だ。私の治療はこの上なく効果的なのだよ。
████博士:君の治療?君の治療のお蔭で我々は何百人もの生命を犠牲にしたんだぞ!君の治療は間違っている!
SCP-049:先生、私の治療はこの上なく効果的なのだよ。

[SCP-049は黙りこみ、話をさせようという更なる試みはいずれも功を奏しなかった。]

上記の内容から、SCP-049は
中世に広く信じられていた
四体液説の知識を持っており、
「世界から悪疫を無くす」という義務感から
手術を行なっていたことが伺えます。

また後日談として
SCP-049は財団に捕獲された後、
収容違反(脱走)を行い、
SCP-035と思われる
別のSCPと接触し、
何らかの会話を行なっています。

SCP-035 - SCP財団

その後SCP-049は
再び財団に捕獲されましたが、
この脱走を境として
SCP-049の口数が急に増え、
手術開始前の患者に
慰めるように話しかけたり、
古い賛美歌を鼻歌で歌っている様子が
観察されたそうです。

SCP-035との会話の詳細については
財団が目下解析を行っていますが、
彼らのそれまでの行いを鑑みると、
なんとも嫌な予感しかしませんね…

SCP-106 オールドマン(The Old Man (AKA Radical Larry) )


SCP-106 - SCP財団

アイテム番号 : SCP-106
オブジェクトクラス : Keter

SCP-106は、腐敗の進んだ
老人の姿をしたSCPです。

動きは鈍く、
同じ場所で獲物を待つ習性があり、
獲物の内臓や筋肉、
腱を傷つけ動けなくしてから、
ポケットディメンションと呼ばれる
自らの住処へと引きずり込み捕食します。

これだけでも十分恐ろしいSCPですが、
こいつの真の厄介さは
こんなものではありません。

SCP-106には
触れたものすべてを腐食させ、
あらゆる物質のを
通り抜ける能力
があるのです。

その性質上、通常の手段による
収容は困難ですが、幸いにして
SCP-106にはある弱点があります。

それは、SCP-106が
非常に複雑、あるいは
多様な構造のものに直面すると
混乱し、その構造体への
侵入が困難になる
というものです。

財団はこの性質を利用して、
SCP-106を40の層からなる
鉛の構造のコンテナに収容し、
さらに収容区画を16の球体のセルで構成、
それらを様々な液体で満たし、
表面や支柱をランダムに組み立た上て、
ダメ押しに同じく弱点である強烈な光を
ランダムに照射し続けるという、
読むだけでもものすごく面倒臭い方法で
このSCPの収容に(一応は)成功しています。

ちなみに財団内には、
このSCPが脱走した場合の
捕獲マニュアルも準備されています。

もっともそれは、
生きた人間の泣き声を囮に
SCP-106をおびき寄せる
という、
あまりにも残酷な方法ですが…

SCP-939 数多の声で(With Many Voices)

アイテム番号 : SCP-939
オブジェクトクラス : Keter

SCP-939は、真洞穴性生物の
特徴を示す外見に鋭い爪と牙、
そして体高2.2メートル
体重250キログラムの巨躯を備えた
四足歩行の肉食生物です。

そしてこの時点でお察しですが、
このSCPも人間を捕食します。

しかもその狩りの方法は狡猾で、
以前に捕食した人間の声を発して
別の人間をおびきよせ、
35メガパスカル以上の力を持つ顎で
一気に噛み砕いて殺害する
のです。

SCP-939がどうやって
人間の発声を習得するのかという
メカニズムは謎であり、たとえば
犠牲者が声を発さず死亡した場合でも、
SCP-939がその人物の声を
発するケースが確認されています。

また、このSCPは定期的に、
AMN-C227と呼ばれる
エアロゾル(期待中に浮遊する微量な粒子)状の
物質を吐き出す習性を持っています。

AMN-C227は無味、無臭、無色で
これを吸引した場合に前向性健忘を引き起こし、
30分ほど記憶を阻害する効果があり、
財団は一時期、記憶処理薬として
このAMN-C227を大量生産し、
財団の業務に利用していました。

しかしAMN-C227には後に
ある致命的な欠陥が発覚し、
現在では完全に利用が禁止されています。

AMN-C227-939事件記録 - SCP財団

その詳細は上記taleにて確認できますが、
そもそもSCP-939が吐き出したものという時点で
こうなる可能性は考慮できたはずであり、
色々とやらかしてきた財団の歴史の中でも
かなりお粗末な失敗だったと言えるでしょう

SCP-953 妖狐変化(Polymorphic Humanoid)


SCP-953 - SCP財団

アイテム番号 : SCP-953
オブジェクトクラス : Keter

ここまでエグい内容が続いたので、
今度は趣向を変えて
美しい女性型のSCPをご紹介します。

SCP-953は体重8kgの
姿を変化させる能力を持った
メスのアカギツネであり、
第二次大戦時の釜山で
最初に発見されました。

様>SCP-953は々な人物や
物質に姿を変えますが、
中でもよく見られる形態は、
狐の特徴(耳、尻尾、瞳など)を持った
魅力的な朝鮮人女性
という、
何とも一部の層が大喜びしそうな神秘的なもの。

人間と会話が可能で
非常に親切な性格をしており、
人間に対して米と野菜、肉を使った
美味しい手料理を振る舞った記録も
確認されています。

ただし、彼女は現地で
「クミホ」(中国に伝わる
九つの尾を持つ妖狐)と呼ばれて
崇められており、「キツネ」
呼ばわりされると気分を害するので、
交流の際はその点に注意が必要です。

俺達は滝の下で女の子が座って
髪を梳かしてるのを見ていた。

裸ってわけじゃなかった。
あの女は薄いローブを羽織っていた。
美しい子だったが、
脚を見てそれが目標だと分かった。

あの女は脚を隠そうとしたがそれには失敗した。
[エージェント1]と[エージェント2]は
それを見て笑ってた。

俺だって俺達が
彼女に太刀打ちできると思ってた。
神よ、俺達は間抜けだった。

しかし、よくよく考えれば
このSCPのオブジェクトクラスは
危険度最悪クラスのKeter

一見友好的な
これらの行為の裏には、
あるおぞましい真実
隠されていたのです。

953インタビューA - SCP財団

その詳細は、公式サイト内の記録と、
SCP-953の捕獲に関わった職員への
上記のインタビュー資料にて確認できます。

ただ、あらかじめ断っておきますが、
なかなかに過激な内容ですので、
お食事中の閲覧は
全くおすすめできません。

最初に趣向を変えると言いましたが、
むしろこれが、今までで一番
エグいSCPだったかもしれませんね…

SCP-076 アベル(Able)

アイテム番号 : SCP-076
オブジェクトクラス : Keter

SCP-076 - SCP財団

SCP-076-2は我々と
大きく異なる精神を持っているか、
完全に狂気の内にあり、
我々は少しの共感や理解も持てません。

性、愛や平等といった観念は、
それらへの捉え方を見る限り、
SCP-076-2から
完全に失われた考えのようです。

彼は性に無関心で、
見た目の違いなしでは
ほとんど性別を識別できません。

また、彼は殺害行為を大変に
楽しんでいることを認めていますが、
苦痛(精神的、または肉体的な)を
引き起こすことには
魅力を感じていません。

端的に言えば、
完全な社会病質者です。

scp076は、18██年
モンゴルの████████████で
イギリスの考古学者達により
発見されたSCPです。

このSCPは、
3mの立方の黒い変成岩(SCP-076-1)と
20代後半の大柄なセム人の姿をした
人型の実体(SCP-076-2)の
ペアからなり、通常の場合
SCP-076-2は、SCP-076-1の中で
仮死状態となっています。

しかし、SCP-076-2は
時折生命活動を再開させ、
SCP-076-1から外へ出ると、
見つけた人間を
手当たり次第に殺害し始めます。

しかもその強さは尋常でなく、
参考までに財団内に記録のある
スペック情報を記載すると…

  • 銃火器による攻撃を4分間耐える
  • 素手で鋼鉄の扉を引き裂く
  • 64m範囲の敵を3秒で排除する
  • 12.7×99mmのNATO弾を頭部に受けても数分間活動可能
  • 鉄の棒で拳銃やアサルトライフルの弾をはたき落とす
  • 酸素のない状態でも1時間以上生存可能
  • 別次元からブレードを引っ張り出す

という、どこぞの柱の男もびっくりな
化け物ぶりを発揮しています。

この状態の
SCP-076-2を止める方法は
これを殺害する以外になく、
財団はこれまでに様々な方法で
SCP-076-2を殺害しています。

  • 複数の大口径の機関銃からの継続した発砲
  • 窒息
  • 13.6tのSCP-076-1を載せたエレベーターで潰される
  • 胸腔に直接入れられたTH3焼夷手榴弾により焼死
  • 収容エリアを職員ごと巻き込んで爆殺(これまでで最悪のケース)

ちなみにSCP-076-1については
これまでのところ破壊する方法は無く、
殺害方法の最後にある爆破の際も、
SCP-076-1には傷一つ
つかなかったそうです。

アーカイブインシデント 076-2_682 - SCP財団
エージェントAAの個人的記録 - SCP財団

SCP-076は、
その男心をくすぐる設定から
様々なtaleで引っ張りだこであり、
中にはあのクソトカゲ(SCP-682)
とのクロステストや、
財団職員とチェスの対戦をした
実験記録も確認できます。

圧倒的な強さと
身一つで戦う男らしさ、
そして物語を作りやすい
人型SCPである点が
人気の秘訣でしょうか。

SCP-966 眠りを殺すものたち(Sleep Killer)

アイテム番号 : SCP-076
オブジェクトクラス : Euclid

SCP-966 - SCP財団

SCP-966はミイラのような外見をした、
爪先立ちで歩く人型の捕食生物です。

身長は1.4メートルから1.6メートルほど。
体重は30kg程度で肉体的に虚弱であり
骨密度も筋肉密度も低く、手には
最長20cmになる5本のかぎ爪が
生えていますが、それらは脆く
武器として役に立つものではありません。

そんな彼らの武器は、700nmから
およそ900nm(※注1)の間でのみ
見ることができる不可視能力
と、
獲物の睡眠を妨げる
ある特殊な波長にあります。
(※注1:可視光線の上限は780nm前後。
それより上の場合は人間の目に見えず、
一般的に赤外線と呼ばれます)

SCP-966は人間を含む中型から
大型サイズの動物を捕食しますが、
狩りの際はいきなり襲うことをせず、
まず前述した波長を獲物に放出し
その生物から永久に睡眠機能を奪います。

睡眠能力を奪われた獲物は
次第に肉体的にも精神的にも衰弱し、
完全に弱りきったところで
姿を隠して後をつけていた
SCP-966がこれを捕食するのです。

また、SCP-966は
獲物のストレスを高めるため
獲物の周りで脅すような物音を立てたり、
耐久性のある獲物に対しては
弱りきる前に物理的に
襲撃する例も報告されています。

財団の記録によると、
19██年の発見以来、世界中で
野生のSCP-966が発見されており、
その生息数は財団の活動によって
大幅に減ってきてはいますが
依然多くの国で報告例が
挙げられているようです。

もしあなたが
最近急に眠れなくなったり、
正体不明の物音が
聞こえるようになったら
それはもしかすると
このSCPの仕業…

なのかもしれませんね。

SCP-1983 先の無い扉(Doorway to Nowhere)

アイテム番号 : SCP-1983
オブジェクトクラス : Keter (現在はNeutralizedと推定)

SCP-1983 - SCP財団

当該SCPはD-14134によって
無力化されたと推測され、
彼の死に財団の勲章が贈られた
(財団史上、Dクラスで叙勲された2人のうち1人)。

文書1983-15から得られた情報により、
この異常な現象は局地的なものに
留まらないと考えられており、
類似の事案の調査に
新たな人員があてられている。

続いてご紹介するのは、
人の心臓を抜き取る怪物と、
その怪物を討つ銀の弾丸となった
ある名もなきDクラス職員に関する
レポートです。

アメリカのワイオミング州で
不審な連続死の報告を聞きつけた
財団がたどり着いたのは、
かつてカルト教団による
連続殺人が行われ、
1968年以降廃屋となっていた
ある一件の寂れた農家でした。

この農家(SCP-1983-1)は
内部が異空間と化しており、
外部と内部の構造が一致しないという
四次元空間のような性質を有しています。

さらにSCP-1983-1からは時折、
約1.8メートルの二足歩行の
黒い人型生物(SCP-1983-2)
が出現します。

そしてこのSCP-1983-2は
農家の周囲を徘徊して人間を襲い、
未知の方法で心臓を抜き取って
SCP-1983-1内部へと
持ち帰る習性を持っています。

このようにSCP-1983は
人間にとって大きな害となる
恐るべきSCPであり、
そのオブジェクトクラスは
危険度最大レベルのKeter…

だったのです。

というのもこのSCP、
ある事情から現在はその特性が失われ、
そのオブジェクトクラスも
異常性を失ったSCPに
例外的に与えられる
Neutralizedに変更されています。

そしてそれは
ある財団エージェントと、
ある無名のDクラス職員による
勇気ある行動の賜物であったのです。

以下に、そのエージェントが
SCP-1983-1内部に残し、
後に財団が回収したメモ書きを
一部要約しつつ掲載します。

アイテム番号: わかんねえ

オブジェクトクラス: Keter。かわいそうに。

特別収容プロトコル: アンタは死ぬよ、残念だけど。

これは脅しじゃねえ。

オレはエージェントバークレー。
オレはこの呪いの中にいて、
アンタに話してる、
アンタもここに来たのか?
アンタ死ぬよ。
オレはすでに死んでるだろうけどな。

だから出れねえ。
さっさと封印しな。
方法は唯一つ。
呪われた扉を閉めることだ。
その扉を通っても戻れねえからな。

説明: んで、ここから説明だ、
もう知ってるかもな。
財団はアメリカのど田舎で
問題が起きたと知らされる。
牛や野生生物が変死したんだと。
行方不明者の数は増えるばかり。
見つかっても
心臓が無くなった死体で見つかる。
切ったり、
裂かれた痕もなくな。
胸の真ん中がカラなんだと。

ヤツらは真っ黒いカスみたいなのが
浮かんでるのを見つける。
似たようなヤツを見たことがある
財団の秀才野郎が、殺し方を発見した。

神に祈りを捧げた
銀の弾丸をぶち込めばいいってな。

文字通りにな。
なんでかは知らんが、
それでうまく行く。

どの神かは関係ねえ、
アンタが心を込めたかが重要だ。

オレにはもうできねえがな。
巣を見ちまったからな。

とにかく、財団はアレが
すべてどこから来んのかわかってる。
村の真ん中にある、なんかの家だ。
殺人やらカルトやら儀式やら
うわ言喚くやらなんやらあって以来
そこには何年も空き家だ。

肝心なのは、ここの玄関から
ヤツらが出続けてるってことだ。
部隊がそんなか入っていったが
誰も帰ってきやしねえ。

でも、バケモンも出てこなくなった。
正気な奴ならこう言うだろう。
十分だ、目を離すな、
少しでも動くものがあれば殺せ。
だけど、これがこの財団だ。

アンタはどの糞部隊のタフ野郎だ。
スクェーレ・ノースか、
オレみたいに聖歌隊か。
アンタは扉をぶっ壊して中に入る、
それだけ。そしたら終わりだ。

居間は最悪だ。
そこはオブライエンが捕まった場所だ。
捕まるとアイツは突然ぶっ倒れ、
ヤツらの一人が心臓を取ったんだよ・・・
爪で、だったかな?

ヤツらはここでは不明瞭だ。
もう気づいてるだろうが。
ヤツらは影みたいなもんだ。
光から離れろ。
バカみたいな話だけど、
そうしろ。光の中で、影は強くなる。
ヤツらは輪郭を持つ。
暗闇ではヤツらは不明瞭になる。
ヤツらはアンタにほとんど触れられないし、
見ることもできない。
オレはヤツらは影を見てるんだと思う。
わからねえが。正直なところ、
ここじゃ藁にも縋りてえ。

アンタはもう扉で戻ろうとしただろうな、
だけどできねえ。
それはもっと最悪な場所につながってる。
そこにバケモンはいない、
だけど…外に出て家から離れたジョーンズは、
信じられねえかもれないが、溶けた。

アイツの身体から何かがはじけだして、
そして…。

アイツが戻って来なかったってこと
よく覚えておきな。
そして、オレらは扉を閉めた。

それで、オレらは家の中を動き始めた。
気づくまでオレらは光を点け続けた。
3人がそれで殺られたが、
おかげで周囲を良く観察することはできた。

ここがどこかって?でかい。
ただの農家じゃねえ。
ここは…ここはまるでいろいろな場所を
かき集めて継ぎ合わせたようなとこだ。

アパートみてえなとこもあれば
ショッピングモールみてえなとこもある、
信じちゃもらえないかもしれんが、
オレの高校のロッカーまでありやがった。
タイルも何もかも同じやつだった。

ほかにはなんでできてたと思う…ごみだ。
それは黒く、影みたいで、
ほとんどが光りに照らされていた。
明かりが消えれば、アンタも手を入れられる。
止めといたほうがいいがな。
それでトレスは消えた。
なんかがアイツを捕まえると、
引っ張られていった。
穴は小さかったが、
それでもアイツは引っ張られていった。

だから、光は避けろ、暗闇で足元を見続けろ。

もちろん、脱出はできねえ。
オレらもそれは理解した。
アンタが見つける扉は
このキチガイ病院の別の部屋に着くか、
外に出るかだ。
ようやくオレらは死ぬんだとわかった。
そう、ここじゃ餓死するか、
ヤツらに捕まるかしかねえ。
感動的な選択だよなあ、ええ?

ここでアンタがやることは一つだ。
オレはやりきれなかったが、
アンタはできるかもな。

それをしても
アンタが生き残れるとは思わねえ…
でも大事なことだ。
誰かがやってくんなかったら、
ヤツらはいつか外に出てくる。間違いなく。

ここは色々な場所を奪い取ってできたものだ。
それで、オレはこう考えてる。
ここにはまだ他に扉が存在するに違いないと。
オレらは見つけた扉をすべて閉じきった。
だけど、また扉が開いたら?
そのとき財団が
ヤツらを見つけられなかったら?

クソが、
あいつらは扉を閉めることすら知らねえんだ。
また誰かこの中に入れば
ヤツらを止められるってことに
気づいてくれるのを願ってる。
もっとも、入ったヤツが
みんな扉を閉めるくらいには
頭が回るって仮定の話だがな。

そうか、オレはこれを止める方法を見つけたと思う。それは巣だ。

オレは一度だけ、
2, 3分見ることができた。
デニングの心臓を抜き取った
クソ野郎をオレらは追った。
オレはこの部屋が
すべての中央にあるんだと思う。

それは真っ黒で、
どんな灯りも
吸い込むことができるんだと思う。

ランプ、懐中電灯、ロウソクなんかもな。
他のヤツらも運んでいったのをオレらは見た。
とにかく、中央にたくさんの心臓でできた塊がある。

心臓はどれもこれも山に投げ込まれて、
引き裂かれてた。
ヤツらはデニングの心臓を放り込むと、
それは鼓動し、脈打ち、のたうちまわった。
それから引き裂かれて、
心臓を一つ引きぬいた。

それは震えて、成長し、動き始めた。
塊がバラバラになっても
心臓は鼓動し続けた。
オレの胸も疼くのを感じた。

そこは影の集まり。
バケモンってことじゃねえ、
本当の人間の影の集まりだ。

人間から伸びてる影は一つもない。
影は心臓から伸びていた。
そして、新しい影が現れると同時に
バケモンが産まれた。
影の奴は心臓から離れようとしていたが、
離れられなかった。

オレは逃げた。
オレは耐えられなかった、
分かるか?
オレはこのクソッタレな状況に
対処する訓練なんて受けてねえ。

オレの後ろでなにか聞こえた。
それがオレを呼び止める仲間の声なのか、
バケモンがオレらを見つけた
音なのかわからないが、
オレは皆と別れた。
オレは隠れるのに
ちょうどいいクローゼットを見つけ、
それ以来ずっと隠れ続けている。

オレはこれをペンライトで書いている。
ヤツらが近づく音が聞こえたら、
オフにしてる。今の所、
このやり方で上手くいっている。

オレはここから動けない。
オレの銃には弾が少し残ってるが、
意味なんてねえ。もう祈れない。
巣を見ちまった。

だけど、アンタ、
これをアンタが見つけたら、
オレに代わって、やり遂げてくれ。

多分、アンタはオレよりも強い。
決心がついたら、巣に行ってぶち壊してくれ。
すべての心臓をぶっ壊すんだ。
そしたら、ヤツらを殺せるかもしれねぇ。
これがオレが考えられる唯一の方法だ。
アンタは死ぬだろう、
でも何やってもここじゃ死ぬんだ。
だからなんの問題もないだろ?

オレ、オレはこれから居間へ向かう。
アンタがこれを
見つけてくれることを祈って。

もちろん、
オレの心臓はヤツらに使わせない。

幸運を。死にゆく者より敬礼を。

上記のメモからは
エージェント・バークレーが
一人だけ生き残った恐怖の中で、
このSCPを倒す方法をメモとして残し、
その後、自分の心臓を使わせないために
自害したことが読み取れます。

そして、
エージェント・バークレーら
犠牲となった職員らの後に
SCP-1983-1の調査を任ぜられた人物こそ
前述したDクラス職員(D-14134)だったのです。

D-14134がSCP-1983-1内部で
実際にどのような行動を
とっていたのかは明かされていません。

ですが、D-14134の潜入後に
SCP-1983が無力化した事実からみて、
D-14134は
エージェント・バークレーが託した
銀の弾丸(シルバー・バレット)を
確かに引き継ぎ、SCP-1983を
撃ち抜いたものと推測されます。

財団はこの結果を受けて、
D-14134の死に対し、
Dクラス職員としては異例の
勲章を授与しました。

普段は使い捨ての
駒でしかないDクラス職員が
人類の英雄になったという、
何とも胸の熱くなる話ですね。

SCP-597 全ての母(The Mother of Them All)

アイテム番号 : SCP-597
オブジェクトクラス : Euclid

SCP-597 - SCP財団

文書597-XX-23

現在61種の動物が
597のそばで母乳を飲んでいるのが
発見されています。それらは:
・エリアの最下部でひと腹の
子犬のように横たわる4匹の犬。
・6匹の猫。
・正面にぶらさがる27匹のネズミ
(野生の群れも群がり問題になりますが、
27匹はSCP-597-SS-19と
SCP-597-SS-24以外は
研究所で飼育されたものであり、
引き剥がして除去しようとすると
強く抵抗します)。
・背面を覆うように群がり、
常に羽ばたいて
そよ風を引き起こす15匹のコウモリ。
・8人の人間
(Dクラス4名、博士3名、警備員1名)。

ここまで、エグい話の連続に
お付き合いいただき
誠にありがとうございました。

最後に、
生物の本能的な恐怖に訴えかける
とびきり恐ろしいSCP
をご紹介して
本日のお別れとしましょう。

SCP-597は、高さ5.8m、
幅10.67mの巨大な肉塊であり、
全体に何百という
様々な形状の乳首がついた

グロテスクな形状のSCPです。

このSCPには
強力な精神汚染作用があり、
これに近づいた哺乳類は
年齢、性別、種を問わず、
その乳首から母乳を飲みたい
という強烈な欲求に襲われます。

SCP-597の母乳には、
通常の母乳と同様の成分に加えて
このSCPが排出する
未知の成分が含まれており、
成熟した個体でも母乳の摂取のみで
2〜3年は生きることができますが、
飲み続けるうちに歯が抜け
運動不足で筋肉が萎縮し、
最終的にSCP-597の近くで
丸く横たわって窒息死します。

さらに母乳を摂取した対象者は
肉体のみならず精神的にも
大きな悪影響が見られ、
SCP-597に対してお辞儀、
跪き、這い、合唱をする等の
儀式をゆっくりと行い、
1時間以内に全ての言語能力、
知性、意思を失って
幼児退行することが確認されています。

財団が脳機能を失う前の
対象に尋ねたところ、
「非常に快適で」「これまでになく
安心できる」
と答え、
さらに子宮ベビーベッド
遡ったイメージ、記憶、感覚を感じ、
特に両親の匂いと顔を思い出す
と答えたそうです。

また、さらに恐るべきことに、
このSCPは目にするだけでも
精神的影響を及ぼします。

財団の記録によると、
SCP-597と関わった
財団スタッフのIQ、集中力、理性は
その度に下がっていき、
4〜5週間ほどで自分の仕事が
できなくなるほどに悪化したそうです。

加えて、SCP-597に対する
職員の呼称も、"SCP-597"から
"お母様""お母さん""母ちゃん"
"ママ"と次第に変化・退行していき、
目にしたものを何でも口に入れ、
際限なくものを食べるようになるなど
行動までも赤ん坊じみたものに
変化していきます。

程度が酷くなると、
対象の社会性は完全に損なわれ
強姦、殺人、[データ削除済]。
これらの人格は[データ削除済]も楽しみ、
SCP-597へのアクセスを強引に求めます。

こうなればもはや手遅れであり、
対象は周囲への危険を考慮して
財団により隔離、
あるいは終了させられます。

かつてはある寺院の中で
[データ削除済]のために
多くの人間ができるよう
はしごを立て掛けられ、
足場と階段に囲まれた状態で
発見されたというこのSCP。

母親への愛着という
生物の本能的な弱さをつく点が、
他のSCPとはまた一味違う
粘っこい恐ろしさを醸し出していますね…

おわりに

SCP特集記事も
今回で3回目になりました。

最近ではニコ動やtwitterを中心に、
SCPネタを見かけることも
多くなってきた感がありますが、
当ブログが微力ながらでも
SCPワールドの普及に
貢献できていたら嬉しいですね。

それでは、
また次回の記事でお会いしましょう!

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