退屈ブレイキング

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なぜあなたの文章は伝わらないのか。その苦手を克服するたった5つのコツ


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あなたは文章を書くことが好きだろうか?

私は文章を読むことも書くことも好きで、
一週間に一冊は新しい活字の本を読み、
この2年間毎週平均8000文字程度の
ブログ記事を執筆し続け、
今勤めているWEB制作会社では
毎日様々な目的のビジネス文章を作成している。

そして有難いことに、
私が文章を書くのが好きだということで、
他の社員の方の文章の代筆や添削を
任せていただく機会もしばしばある。

しかしながら、そんな私が
常日頃から強く感じているのは、
世の中には文章の書き方に
悩んでいる人が想像以上に多い
ということだ。

例えば、話し言葉はすらすら出るのに
それがいざ文章となると途端に
言いたいことがまとまらなくなり、
一つのメールを書くのに
何時間も費やしてしまう方

あるいは、文章の意図が
相手に正しく伝わらず、
確認のためになんども
余計なやり取りを繰り返したり、
受け手が内容を誤解して
トラブルの原因になってしまった方
など…

もしかすると、これを
お読みになっているあなたも
同様の経験に心当たりが
あるのかもしれない。

しかしながら
私がはこれら文章にまつわる問題の多くは
ほんの少しの工夫や視点の転換によって
大きく改善することが可能だと考えている。

そして、本日はその方法として、
文章を書くことが苦手な人に向けに
私の経験と観察から導き出した、
簡潔で人に伝わる文章を書くための
たった5つのシンプルなコツ
を、
実例の文章サンプル付きで
ご紹介していきたいと思う。

当記事が想定するターゲットは主に
次のようなお悩みをお持ちの方だ。

  • 手紙やメール、作文を書くことに苦手意識がある方
  • 文章を書くのに人よりも時間がかかってしまう方
  • 複雑な要件を簡潔な文章にまとめるのが苦手な方
  • もっと伝わる文章が書きたい全ての方

あなたは、上記の項目に
いくつ当てはまっただろうか?
1つ以上当てはまった方は
ぜひ続きをお読みいただきたい。
それでは、どうぞ。


悪い文章と良い文章の違いとは?

主題である5つのポイントに入る前に、
まずは私が考える悪い文章と良い文章の
実例
を示してみたいと思う。

次の文章は、WEB制作の案件に関する
よくあるビジネスメールの一例だ。
(※メールの相手はWEBにあまり
詳しくないものとする)

ざっと目を通してみて、
あなたがどのように感じたかを
覚えておいてもらいたい。

[例文1 : リライト前]


Y様。

お世話になっております、Xです。前回の打ち合わせではお世話になりました。前回お話ししていて驚いたのですがY様の方も釣りがご趣味ということで今度ご一緒させて頂ければ嬉しいです。(私は最近××港に行ったのですが、あそこは穴場ですよ)

トップページ最上部で使用するヒーローイメージ用写真を作成しましたのでY様の方でも一度ご確認お願いします。採用ページ内で使用する募集要項とその内容の文章についてもこちらでリライトを行いましたのでそちらも同様にご確認頂きたいと思います。そして、以前Y様から受けた納期を早めたいというご相談についてですが、その点について社内で競技した結果リスケすることでご希望日に公開日を変更することが可能になりました。

以上の点についてご確認とご返答をよろしくお願いします。


さて、あなたはこの文章を読んで
どう感じただろうか?

おそらく何人かの方は
数行で拒絶反応を示し、
場合によっては軽い吐き気や
めまいを覚えたかもしれない。

この文章からは、書き手が伝えたいこと
(=本当に必要な情報)を汲み取ることが難しく、
結果として読み手に負担がかかる
悪い文章の好例になってしまっている。

では、一体この文章の
どこが具体的にまずいのか、
一つずつ箇条書きで書き出してみよう。

  • 本題と無関係な雑談が文の冒頭に置かれている
  • 接続詞が無い、または適切に使われていない
  • 改行がない
  • 誤字・脱字がある
  • 5W1Hの不足
  • 「ヒーローイメージ」「リスケ」などの業界用語が含まれている

ザッとこのような感じだ。

そして次に、
今あげた点を踏まえて
最初の文章をリライトした
次の一文を読んで頂きたい。


[例文1 : リライト後]


Y様。

お世話になっております、Xです。

本日は、現在当社で進行している
サイトリニューアルの件について、
3つほど追加でYY様にご確認したい点があり
ご連絡させていただきました。

まず、トップページ最上部に掲載する
アイキャッチ用の写真素材について、
当社で最終的な候補を選定しましたので
Y様の方でもご確認をお願い致します。

二点目は、採用ページ内で使用する
募集要項の項目と内容について、
前回のメールで頂いた原案をもとに
こちらで加筆修正を行いましたので、
同じくご確認をお願い致します。

最後に、以前からご相談のあった
8/4日への納期変更の件についてですが、
社内でスケジュールを再調整し、
ご希望の日にちでの納品が
可能となりましたのでお伝えします。

ただし、スケジュール変更に伴い
予定が前倒しになりましたので、
上記確認事項については
遅くとも7/20までにお返事を
頂きたいと思います。

ご不明な点などあればお尋ねください。
よろしくお願いします。


どうだろうか。

無駄な内容を削り、
接続詞を見直し、
適度な改行を加えただけだが、
リライト前よりはるかに
読む気を起こさせる内容に
なったのではないだろうか。

このように、
基本的なルールさえ守れば
どんな文章でも
ある程度以上は読みやすくなるのだ。

さて、それでは
悪い文章と良い文章の
実例を示せたところで
本題である5つのコツの
解説を見ていこう。


1.まず最初に結論を書こう

最初に、一番簡単で、
最も有効なひとつの
ルールを提示したい。

それは、
まず結論を先に書く
ということだ。

このことを示す例として、
先ほどの例文(リライト後)の
冒頭部分を思い出してほしい。



本日は、現在当社で進行している
サイトリニューアルの件について、
3つほど追加でYY様にご確認したい点があり
ご連絡させていただきました。


読み手の気持ちになるとよくわかるが、
こうした結論が最初に示されていると
「ああこの人はそういう理由で
メールを送って来たんだな」と
頭が切り替えられるので、
それに続く内容の読解も非常に楽になる。
(※ここでメールの目的を示すのは
件名部分も同じだと突っ込まれそうだが、
件名には基本的に短い文しか入れないので
本文の冒頭に結論をおくことはやはり重要だ。)

さて、では一方で
冒頭に結論を置かないと
文章はどれほど読み辛くなるだろうか。
例文(リライト前)を振り返って確かめてみよう。



前回お話ししていて驚いたのですが、YY様の方も釣りがご趣味ということで今度ご一緒させて頂ければ嬉しいです。(私は最近××港に行ったのですが、あそこは穴場ですよ)

トップページ最上部で使用するヒーローイメージ用写真を作成しましたのでY様の方でも一度ご確認お願いします。[以下略]


冒頭に仕事の話と
無関係な雑談の箇所があり、
一番伝えたい二段目以降の内容が
やや唐突で理解しづらいものになっている。

もっともこれは
あくまで誇張した露骨な例であり、
ほとんどの人はビジネスメールの冒頭に
無関係な雑談話を
ねじ込んだりはしないと思う。

つまるところ私の言いたいことは、
読み手が受ける文章全体の印象は
最初の一文に大きく左右されるので、
複雑な内容のメールほど、
読み手の負担を減らすために
結論から書き始めよう、ということなのだ。


2.『文豪的文章』はいらない


寺が寝静まる。私は金閣に一人になる。

月のさし入らぬところにいると、
金閣の重い豪奢な闇が
私を包んでいるという思いになった。

一般的に
上手な文章と呼ばれるものには
ふたつの種類に大別される。

そのひとつは文章を自己表現として捉える
上記例文のような『文豪的文章』であり、
もうひとつは、文章を道具として捉える
簡潔で明快な「道具的文章」だ。

そして、他人に自分の意思を
正確に伝えなくてはいけない場面では、
圧倒的に後者の「道具的文章」が役に立つ。

「文豪的」な文章は
美しくて見栄えも良いけれど、
パリコレの衣装を着て
街中を歩くことが難しいように、
普段使いではそこまで豊かな
文章表現を求められることがない。

特に、素早く正確な情報共有が
要求されるビジネスメールなどでは、
できれば中学生でもわかるレベルの
単語のみを使って文章を
組む方が無難だろう。

また別の例として、
このようなタイプの文章もある。

私たちのレゾンデートルは、
現代のパラダイムを見極めて、
そこにコミットすることです。

いわゆる意識高い系の
典型のような文章だが、
あなたはこの文章について
ググらずにその意味を
理解することができただろうか?
(ちなみに、レゾンデートル=存在意義 パラダイム=ある時代に支配的なものの考え方 コミット=責任を持って参加する ことを意味する…らしい)

こうした横文字は、
微妙なニュアンスを伝える際や、
権威づけに役立つこともあるが、
TPOをわきまえて使わなければ
かえって意味が伝わりにくくなったり、
相手に単語を調べる負担を押し付けたり、
最悪の場合、嫌味で見栄っ張りな印象を
与えてしまうこともある。

日常の文章に求められる役割は
相手に自分の意図を正しく伝えること
であり、
そのために私たちは、美しい文を書く
文豪ではなく、実用的な文を書く
職人こそ目指すべきなのだ。


3.少ないことは、良いことだ

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20世紀のモダン建築家、
ミース・ファン・デル・ローエ
「Less is more(少ないことは、豊かなことだ)」
という名言を残した。

またWEBアプリケーションの世界においても
近年はフラットデザインに代表されるような
無駄な装飾を廃したシンプルなデザインが
主流となっている。

そしてこのシンプルイズベスト
の法則は、こと文章についても
大いに当てはまる。

例えば、次の二文を
読み比べてみてほしい。

[例文A]


この間、先週の火曜日に
山田くんはお母さんにお使いを頼まれて
山田くんが住んでいる町の
隣町の八百屋さんに行き、
大根2本と大根より一個多い数の
三個のトマトを買って、
最後に八百屋さんから受け取った
120円のお釣りの半分である
60円を自分のポケットに入れた。

[例文B]


山田くんは先週の火曜日、
お母さんに頼まれて
隣町の八百屋さんに行き、
大根2本とトマトを3個買った。

そして、受け取ったお釣りの内、
半分の60円を自分のポケットに入れた。


例文Bの方が明らかに読みやすく
文字量も少ない(前者123文字、後者82文字)が、
実は双方の文章に含まれる情報量は
ほとんど変わりがない。

というのも例文Bは例文Aから
無くても問題ない無駄な記述を
ダイエットしただけなのだ。

  • この間、先週の火曜日に → 先週の火曜日
  • 山田くんはお母さんにお使いを頼まれて → お母さんに頼まれて
  • 山田くんが住んでいる町の隣町 → 隣町
  • 大根より一個多い数の三個のトマト → トマトを3個
  • 120円のお釣りの半分である60円 → 半分の60円

このように、
周りの文章から推測できる部分や
意味が重複してる単語を取り除くことで、
文章全体の情報量を損なわずに、
より読みやすく負担のない文章を
書くことが可能だ。

私もブログの文章を見返す際は
文字を増やすことではなく、
減らすことができないかどうかを
優先して考えるようにしている。

「これとこれはくっつけて
ひとつの文章にできるな」
「これはもっと短い言い回しに
変えられるな」

といった風に文章をこねくりまわし、
最終的に最も効率的な形に
持っていけるよう工夫しているのだ。

また、これは余談だが、
短くて美しい文について学ぶなら
コピーライティングや
俳句の世界に目を
向けてみるのもおすすめだ。



お茶をついでもらう
私がいっぱいになる

例えばこれは、
白血病で26歳で夭折した
自由律俳句の俳人
住宅顕信の句である。

未完成―住宅顕信句集 (顕信文庫)

未完成―住宅顕信句集 (顕信文庫)

お茶碗に注いでもらった
お茶が一杯になる様子と、
そのお茶を貰った詠み手の気持ちが
一杯になることをかけた句だが、
私はこの句を読むたび、
こんなに短く簡単な文章のなかに
どうしてこれほど豊かな情感が
込められるものなのかと
毎回筆舌に尽くし難い感動を覚える。

そしてきっとそれは、
この句に使われている言葉に無駄がなく、
字面から語感まで、これ以上はないというほど
徹底的に選び抜かれているからだろう。

シンプルであることは何よりも強い。
もし、あなたが自分の文章に
納得がいかないときは、
まずはその文字量を減らすことから
始めてみてほしいと思う。


4.『推敲』を極める

良い文章を書くには、
自分の文章に対して、
常に疑いの目を持つ必要がある。

というのも、
集中して文章を書いていると、
次第に自分の文章に脳が慣れてしまい、
他人がその文章を見たときに感じる
微妙な違和感や言葉遣いのおかしさに
気づけなくなってしまうからだ。

(あなたは、徹夜で作った渾身の
プレゼン資料や傑作のイラストが、
朝起きて見直してみると
なんだか微妙に思えた経験がないだろうか?)

そこで私がオススメする
効果的な推敲の方法は、
書き上げた文章をすぐに
人に送ったり発表したりせずに、
1〜2時間ほど休憩をとって
脳の状態を一旦リセットしてから
自分の文章におかしな点がないか
確かめてみることだ。

実際に、
私もブログに記事を投稿する際は
最低1時間の休憩を取ってから
見直しをすると決めているし、
それによって防げたミスや
言い間違いは今までに
数えきれないほどある。

また、推敲の際はその文章を
受け取る相手の立場に立って
行うことを強くお勧めしたい。

母親に感謝の手紙を送るなら
母親の身になって読み返し、
上司に業務連絡をするなら
上司の立場になって読み返し、
ブログ記事を書くなら
想定する読者(ペルソナ)
の立場に立って読み返す。

私自身の体験上、
この客観視というプロセスは
相手に応じた最適な文章を書く上でも、
語弊によるトラブルを避ける上でも
間違いなく最も優れた
パフォーマンスを発揮してくれる。

言葉はコミュニケーションの道具であり、
コミュニケーションには
相手の立場を思いやる想像力が欠かせない。

自分の言葉を相手に間違って
受け取られがちな方は、ぜひ一度、
この客観的推敲術を実践して頂きたい。


5.あなたの語彙力を高める冴えたやり方

前の章で私は難しい言葉を
無理に使う必要はないと言ったが、
それでもやはり文章を作る上で
ある程度の語彙力というものは必要になる。

そして、語彙力を高める上で
最も大事なことは、
インプットとアウトプットを
習慣化することにある。

インプットとは、新しい言葉を
自分の中に取り入れること。

読書はもちろんのこと、
ネット上で知った言葉や
人との話や映画で聞いた言葉でも、
知らない言葉を覚えることは
そのまま語彙力のアップに直結する。

アウトプットとは覚えた言葉を
実践的に利用すること。

英単語をいくら覚えても
実際に話さなければ生きた
ことばとして身につかないように、
書き言葉も実際にそれを使って
人に何かを伝えることができたときに
初めて本当の意味で自分の血肉となる。

そしてこのインプットと
アウトプットを効率的に行うために
最も有効なことは、それらを日々の
生活の中で習慣化することだ。

インプットについては
毎月の読書量の目標を決めたり、
ネットでわからない単語を
調べる癖をつけるなどして
習慣化することができるし、
アウトプットについては
インプットより少しハードルが高いものの、
ブログで自分の意見を発信したり、
日記をつけたり、いつものメールを
より丁寧に書くことなどで習慣化が実現できる。

習うより慣れろという言葉があるように、
文章のうまさはこれまでに書いた文章量に比例する。
(ただし、良い文章を書くことを
常に意識するかしないかで
その成長率には大きな差が出る)

特にアウトプットは
非常に重要なので、
日頃文章を書く機会が
なかなか無いという方は、
まずは身近な家族や友人に向けて
文章で自分の想いを
伝えてみることをおすすめする。


終わりに

本記事には、
子供の頃は学校の夏休みの
作文が大嫌いだった私が、
今までに文章で苦労してきたことや、
その苦手を克服するために行った
いくつもの実践的アイディアが盛り込まれている。

もしこの記事が存在することで、
世の中の誰かの文章に対する苦手が解消され、
それによって、その人の思いやアイディアが
より広い世界へ広まるきっかけになれば
私にとってこの上ない幸せだ。

それでは、お元気で。