閲覧注意!史上最も邪悪で胸糞悪いSCP報告書ベスト7

はじめに

こんにちは、daimaです。

本日は読んでいるだけで
胸糞悪くなって仕方ない邪悪なSCP報告書

ランキング形式でご紹介します。

選出基準の都合上、
読後の気分が最悪になること請け合いですし、
グロテスクな表現もいつもに増して全開です。

それでもかまわないという方のみ
以下より記事内容へとお進みください…

第7位:SCP-2852 従兄弟のジョニー

SCP-2852が参加した家族の集まりでは、結果として本来とは異なる行動が行われ、引き起こされる結果も違う物です。一般に、家族の集まりに現れたSCP-2852の影響は、子供たちに対してより深刻な被害を及ぼしますが、大人も影響から自由ではありません。

scp-2852の写真
▲ ブラック-レベル・イベントにおけるSCP-2852。

SCP-2852 – SCP財団

SCP-2852はカトリックおよび
英国国教会式の結婚式や葬式などに出現する
中年の白人男性の姿をしたオブジェクトです。

SCP-2852は出現時、
イベント参加者の誰とも面識がないにも関わらず
参加者全員から昔からの知り合いであるように
自然に受け入れられ、参加者はSCP-2852のことを
「従兄弟のジョニー」であると認識するようになります。

また、SCP-2852は外見こそ人間のそれですが
その体の中には識別可能な臓器が一切なく、
肉体は繊維性の筋組織で構成されており、
歯と髪はセミなどの昆虫類の体と同じ
キチン質によって構成されています。

SCP-2852は人間の言語を解さず、
適当な単語をつなげたような
めちゃくちゃな喋り方をしますが
それでも他の参加者は
SCP-2852の存在に違和感を抱くことはありません。

加えて財団が試した限りでは
SCP-2852をイベントから排除したり
追跡する試みは全て失敗しており、
オブジェクトクラスを見てわかるように
収容もなされていません。

SCP-2852の出現レポート

続いて実際にSCP-2852が
出現した際の記録を見てみましょう。

ブルー-レベル

ブルー-レベル・イベントと題された例でSCP-2852は
親が子をキリスト教徒として育てることを
表明する儀式である洗礼式の場に出現しています

ここでSCP-2852は本来男女一名ずつで行う
教父/教母に加わって第三の教父として振る舞い、
さらに儀式の最中に洗礼を受ける子供の皮膚が
昆虫が脱皮するかのように剥がれ落ちていき、
続いてその落ちた皮膚を教父と教母が食べるという、
通常の儀式とは異なる異常な行為が行われます。

とはいえ異常なのはそこだけで、
そのあとは通常の儀式の流れに戻り、
脱皮した子供も含め、
洗礼の参加者は最後まで誰も直接的な害は
受けていないように見受けられます。

しかしこの記録にはまだ続きがあります。

財団が儀式の後も参加者の調査を続けた結果、
まず洗礼を受けた子供はその後6ヶ月以内の死亡率が跳ね上がり、
仮に生き延びたとしても
成長につれて人格的な問題が複数現れるなどして
真っ当な人生を送ることができなくなり、
一方で洗礼を施した教父/教母についても
儀式の後から無精子症/不妊の状態に陥り
5年以内に通常は溺死という形で
自殺していることが確認されたのです。

また、洗礼に直接関与していない
参加者についても儀式の後の死産の可能性が
平均より500%も上昇し、無事に生まれた子供についても
そのほとんどが育児放棄されたり
親に殺されたりといった悲惨な末路を迎えています。

そしてもう一つ興味深い点として、
SCP-2852の影響下にある子供は
セミの鳴き声を聞くと極度の不安や口の渇き、
吐き気などを覚え、その反動から時として
暴力行為に走るケースまであったというのです。

SCP-2852の肉体がキチン質であったことといい
このことといい、「セミ」が
本SCPのキーワードであることは間違いなさそうです。

ホワイト-レベル

続いての発生例は結婚式の場です。

長くなってきたので駆け足気味で進めますが
ここでSCP-2850は新郎の付添人の役割で登場し、
花嫁と新郎の付添人たちの歯を1本1本引き抜かせて
それを新郎新婦に食べさせる(もちろんこのことで
新郎新婦の歯と顎はズタボロに)などのマジキチ行為を実行。

その後も式はSCP-2852による
意味不明なスピーチやそれを聞いた関係者の
ヒステリックな反応などで
阿鼻叫喚の限りを尽くしつつも進行し
最後にはSCP-2852が
・様々な色の人間の髪の毛3.5kg
・エゾゼミの一種(Tibicen linnei)の死骸13匹分
・人間の歯23本
が入った段ボール箱を夫婦へ贈呈して閉じます。

そしてやはりというべきか、
このイベントに参加した夫婦はその後2年以内に
家庭内暴力の結果として離婚し、
結婚生活中に生まれる子供も
ブルー-レベルと同じ人格異常や
命を脅かすほどの容姿の欠損を負うことになるなど
これでもかというほどの不幸に見舞われ続けます。

今回の例では先ほどより
全体的なカオス具合が大きくレベルアップしていますが
セミが登場する点と参加者がその後に
不幸になるという点は全く同じでしたね。

ブラック-レベル

いよいよ最後の実例です。
こんどはSCP-2852が
カトリック式の葬儀の場に出現した例です。

このイベントでも参加者がナイフで
順番に手を切って棺に血を流し込んだり
SCP-2852が血液・木材パルプ・セミの死骸が混ざった
ゲロを棺にぶちまけたりと
引き続き生理的嫌悪感を感じさせる描写が続きますが、
これまでの例と違うのは
葬儀が終わった後の家族の集まりにも
SCP-2852が引き続き出現している点です。

この際の様子はとりわけ異様で、
要点だけかいつまんで説明すると
まずSCP-2852が先のと同じゲロを吐き、
それを参加者の子供たちが食べた後に
SCP-2852が意味不明なスピーチを行って、
最後に脱衣してテーブルの上に横たわって
参加者にその肉を食べさせるという
想像しただけでも吐き気を催しそうになるもの。

しかも食べられている最中、
SCP-2852は苦痛を感じている様子で、
それが不可能になるまで苦しげに
話を続けていたというのです。

儀式はこれで終わり、
その後の展開は先のに例と概ね同じで
このイベントに参加した家族は
その後例外なく自殺・転居・離婚などによって分裂し、
さらにその際に発生する家庭内暴力は
人肉食を伴うことがあると記録されています。

そして、報告書の最後でもある
この記録の末尾部分位には
次のような一文が記されています。

カトリックおよび英国国教会信徒であるDクラス職員の約3分の1は、ブラック-レベル・イベントに関与していたことが理論上想定されています。

感想

この報告書はここで終わっており、
最後までSCP-2852の正体が
明らかになることはありませんでした。

単なる正体不明の
不気味なオブジェクトと捉えても良いのですが、
あえて推測するなら
SCP-2852がカトリックおよび英国国教会の儀式にのみ出現し
その信者に害を及ぼしていることを鑑みると
カトリックおよび英国国教会を敵対視する
宗教関連の異常存在といったところでしょうか。

もしくは、悪意はないけれど
結果的に害を及ぼしてしまっているだけの存在
というケースもありうるかもしれません。

また、ブラックイベント中の
SCP-2852が自分の肉を食べさせる行為などは
聖書における以下の
キリストの発言を彷彿とさせるニュアンスがあります。

「わたしは命のパンである。」

「わたしが与えるパンとは、世を生かすためのわたしの肉のことである。」

もしかするとSCP-2852は
セミ人間に生まれ変わった
かつてのキリスト…なのかもしれないですね(流石に罰当たりすぎるか)

第6位:SCP-565-JP 手のひらヒーローズ

SCP-565-JP-A: 地球の子どもたちの強い勇気と希望は、我々にマイクロエネルギーを与えてくれるんだ!何より、[SCP-565-JP-1-3の個人名]くんは大切な友達だからね!



▲ 不活性状態のSCP-565-JP。

SCP-565-JP – SCP財団

続いては日本支部より、
ちょっと訳ありなヒーローたちをご紹介します。

SCP-565-JPは戦隊モノのヒーローの
おもちゃのような外観を持つ手のひらサイズの
4体の人形(SCP-565-JP-A〜SCP-565-JP-D)で、
それぞれに異なるカラーリングが施されています。

1年のうち4月はじめから6月末までの
きっちり3ヶ月の間のみ異常性を発揮するオブジェクトで、
4月1日の18時を迎えるとこのオブジェクトは
最も近い距離にいる満7歳から満12歳までの少年(SCP-565-JP-1)の
側へと瞬間移動します。

こうして対象となる少年の元に出現したSCP-565-JPは
続いてその少年と言葉を用いたコミュニケーションを行い、
ごく短い時間の間に少年の信頼を勝ち得ます。

また、この時少年の中に芽生える
SCP-565-JPへの信頼というのが並大抵のものではなく
報告書は対象となった少年がSCP-565-JPに対して
非常に強い友情意識と執着心を抱くようになり、
もし誰かが自分とSCP-565-JPを引き離そうとした場合には
暴力も辞さないといった態度で猛烈に抵抗することが記録されています。
あれ、もしかしてこれってもう洗脳完了してる

麗しき友情の末に待ち受けるものは…

さて、ここまでの流れを読む限りでは
少年の執着ぶりがやや心配にはなるものの
この年頃の子供がヒーローに憧れるのは当然のことであり
SCP-565-JPも喋る以外の異常性を見せていないことから
特に不穏な気配は感じられないように思えます。

しかし今回は何と言っても
「胸糞」特集。
本報告書がこのまま少年とヒーローの
微笑ましい友情話で終わるかといえばそうは問屋が卸しません。

SCP-565-JPは日本標準時の毎年6月30日18:00にサイクル3:終末期に移ります。サイクル3に移行すると、全長2m程度の黒い霧状の物質(SCP-565-JP-2)が付近に発生します。SCP-565-JP-2は上部に黄色い光点が二つあり、眼の様な印象を与えます。SCP-565-JP-2が発生すると共に、SCP-565-JP-1は両手を広げた状態で、中空に固定されます。この際SCP-565-JP-1のバイタルサインは危険な領域まで低下し、極めて強い苦痛を訴えます。サイクル3に入ったSCP-565-JPは外部からの干渉を無視し、一部を除き全く同じ発言、行動を以下の通り行います。

SCP-565-JPの活動期間最終日(6月30日)
を迎えた瞬間に怒涛の急展開。
正体不明の謎の黒い霧が登場して
少年を捕まえてしまいました。

このままでは少年の身が危ぶまれます。
行け!SCP-565-JP!
今こそヒーローの闘う時だ!

(SCP-565-JP-2が発生。SCP-565-JP-1は中空に固定され悲鳴を上げる)

SCP-565-JP-A: 何![SCP-565-JP-1の個人名]くん!

SCP-565-JP-B: 大丈夫か!

(SCP-565-JP-2内から初老の男性の声で) 我が名は宇宙大帝ジゴック、この小僧の命は我がパワーとして吸収してやろう。マイクロファイターズよ、お前らにはもはや為す術はないのだ。

SCP-565-JP-C: [SCP-565-JP-1の個人名]は俺たちの大事な友達だ!そんな事、絶対に許せねえ!!

SCP-565-JP-D:(左腕にあるキーボード状の意匠を触れる) なんてことだ!皆さん、[内容は毎回変動]を犠牲にしてマイクロパワーを得ないと、奴を倒すことはできません!

SCP-565-JP-B: なんだって!そんな事をしたら人類は・・・リーダー、どうすりゃいいんだ!?

SCP-565-JP-A: (10秒ほどの沈黙)例え・・・例え何を犠牲にしても、目の前で苦しんでいる[SCP-565-JP-1の個人名]くんを見捨てることは、俺達にはできない!いくぞ、みんな!

SCP-565-JP-D:(左腕にあるキーボード上の意匠を触れる)  了解!現実エネルギー吸収、マイクロパワー充填します!

SCP-565-JP-C: それでこそ俺たちマイクロファイターズだ!待ってろ、[SCP-565-JP-1の個人名]!今助けてやるぜ!

SCP-565-JP-AからSCP-565-JP-Dは拳を突き上げ跳躍、SCP-565-JP-2の中に飛び込む。

少年を捕らえたSCP-565-JP-2に立ち向かう
マイクロファイターズ(SCP-565-JP)の会話記録。

報告書の調査実例によると
本記録中の[内容は毎回変動]の箇所には
イベントが発生するたびに特定の
人類にとって有益な発見や発明の名称がランダムで指定されるらしく
さらにここで指定されたアイディアは
彼らのいう通り「犠牲」となって
永遠に人類の手から失われてしまうとのこと。

このことにより
過去には特定のウイルスに対するワクチンや
別の危険なオブジェクトの収容方法などの
アイディアが失われてしまったらしく
そのことによって将来的に発生するであろう
犠牲者の数を考えると本オブジェクトの存在は
全人類にとって早急に対応すべきリスクであるといえますね。

ただそれでも少年の命が助かるのなら
少しは救いがあるというものです。

さて、マイクロファイターズの活躍によって
救出された少年はどうなったのか、
報告書の続きを読んでみましょう。

SCP-565-JP-1はサイクル3の終了後2時間以内に死亡します。

は?

いやいや、少年死んじゃってるけど。
だったらさっきまでの茶番劇は一体何だったわけ??

理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能

マイクロファイターズへのインタビュー

…気を取り直して
報告書の最後に添付された
SCP-565-JPへのインタビュー記録を見てみましょう。

もしかしたらこの事態について
私たちがまだ気づいていない
何らかの情報が得られるかもしれませんしね…

███博士: あなた方の名前を教えて下さい。

SCP-565-JP-A: 我々は、特装勇者マイクロファイターズ!

SCP-565-JP-B: 俺たちは、地球の勇気ある子どもたちと力を合わせて、宇宙大帝ジゴックと戦っているんだ!

███博士: あなた方は人類の味方なのでしょうか。

SCP-565-JP-A: 我々は人間が大好きだ!この星にくらすみんなを、ひどい目に合わせる訳にはいかない!

SCP-565-JP-C: 特にカワイコちゃんはな!

SCP-565-JP-D: 貴方は科学者のようですね。我々と力を合わせて悪と戦いましょう。

███博士: 検討しておきます。あなた方が子どもと常に行動を共にするのは何故でしょうか。

SCP-565-JP-A: 地球の子どもたちの強い勇気と希望は、我々にマイクロエネルギーを与えてくれるんだ!何より、[SCP-565-JP-1-3の個人名]くんは大切な友達だからね!

SCP-565-JP-B: ジゴックの好きにさせるわけにはいかないぜ!

███博士: 以前あなた方が”助けた”、[SCP-565-JP-1-2の個人名]くんはあの直後に死亡しましたが。

SCP-565-JP-A: 我々は、特装勇者マイクロファイターズ!

これ以降の質問に対して、有効な回答は得られなかった。

どうやら少しでも
こいつらとまともな会話ができると考えた
私の方が間違っていたようですね。

途中までは普通に話が通じていましたが
話が少年の死の話題に及ぶと完全なるガン無視モード。

極めつきに自分たちが関わらなければ
死なずに済んだであろう少年のことを
「大切な友達」などと呼んでいるのだから
もはや何も返す言葉が見つかりません。

感想

本報告書は上記のインタビューを以って終了しています。

マイクロファイターズとは何者なのか?
なぜ人類にとって重要な発明を奪っていくのか?
なぜ少年が犠牲とならなければならなかったのか?

考えれば考えるほど謎ばかりが深まっていく、
絶妙に胸糞悪い最低の(褒め言葉)オブジェクトでした。

第5位:SCP-2934 マジかよ、ンドレッツ・ゲガ最低だな

SCP-2934-Aを初めて経験した個人は、起きた際に夢のキャラクターに対して「直感的に」心からの思いやりと信頼感を感じたことを報告し、この作用は無期限に続くように見えます。もし「ンドレッツ・ゲガ」が現実に存在し、上司や政治的代表などの権限のある立場に就いたならどう感じるかを尋ねると、被験者は常に非常に肯定的な反応を返します。

scp-2934の似顔絵

▲ DクラスによるSCP-2934-A実体のスケッチ。

SCP-2934 – SCP財団

第5位に選出したのは
異常な改造が施された若い女性の死体と
その死体が齎す奇妙な異常性にまつわる
ミステリ風味の報告書です。

まずは例によって概要を確認していきましょう。

SCP-2934は18歳程度の身元不明女性の保存処理された遺体であり、
その身体には何者かによって以下の「改造」が施されています。

  • SCP-2934の手足は荒っぽく切断されており、
    傷跡の状態から切断行為は数日間かけて行われたものと思われる。
  • ドリームキャッチャー(SCP-2934-1)がテープで
    顔面に固定されている。このドリームキャッチャーには
    未知の種類の鳥の羽が使われ、下側の輪には
    2個の白いレゴブロックで衛星アンテナを模した物体が
    黒い糸で結びつけられている。
  • SCP-2934の額には長さ2センチメートルの切開痕があり、
    そこから長さ56センチメートルのUSBケーブルが伸びている。
  • 発見時のSCP-2934の口内にはそれぞれ「KOMPETENCË」「BESIM」「AUTORITET」※
    の文字が書かれた3個のちぎれた黄色い紙と中年男性の顔の写真を
    髪にコピーしたものが含まれていた。この写真の人物は
    後述するンドレッツ・ゲガだと推測されている。

なんとも猟奇的な内容ですが
特に興味深いのがSCP-2934の口内から
写真のコピーが見つかったという
ンドレッツ・ゲガなる
私たちにはあまり耳に馴染みのない発音の
名前の中年男性の存在です。

果たしてこのンドレッツ・ゲガ氏とSCP-2934との間に
どのような関連性があるというのでしょうか?

夢の中に現れる男

報告書の説明セクションには
SCP-2934が齎すある異常な現象(SCP-2934-A)の
詳細が記されています。

その異常現象とはSCP-2934から
半径0.7キロメートル以内にいる全ての人間の夢の中に、
50歳前後の恰幅の良い中年男性が全く同じ姿で出現し、
さらに対象者がその人物のことを
ンドレッツ・ゲガ氏であると認識するという奇妙なもの。

また報告書には被験者が体験した夢の内容が記されていて
それらの細かな設定は異なっているものの
全ての夢で共通しているのは
ンドレッツ・ゲガ氏が校長や船長などといった
一種の権力者の立場で登場して被験者を危機から救い、
最終的に社会的な名声を得るという点です。

この夢を体験した人は
その際にンドレッツ・ゲガ氏に対して直感的に
心からの思いやりと信頼感を感じたと報告しており、
もし彼が自分の上司や政治家になったとしたら
どう感じるかという問いに対しても
常に好意的な反応を返しています。

しかしこの夢には副作用があるようで
対象者がこの夢を何度も繰り返し見た場合、
次第に夢の内容に対して疑念を抱くようになり
夢を見た回数が5回を超える頃には
ほぼ例外なく恐怖や不安といった
それまでとは全く真逆の印象を
ンドレッツ・ゲガ氏に対して抱くことが確認されています。

信頼させたかと思えば今度は不安にさせるという
一体何がしたいのかよくわからないこのオブジェクト。

その真相は(もしかすると既に察した方もおられるかもですが)
報告書最下部にある補遺を読むことで明らかになります。

極悪人に下った罰

補遺ではついに現実世界における
ンドレッツ・ゲガ氏の消息が明らかとなります。

その記述によるとンドレッツ・ゲガ氏は
2011年5月8日に行われた
町会選挙に立候補したアルバニアの民主党員で
その選挙に立候補したものの大敗し、
選挙の翌々日の2011年5月9日に
高速道路上を180km/hを超える速度で暴走。
終いには道を外れて木に激突して
致命的な重症を負ったと記録されています。

また、彼が落選した理由については
選挙期間中に有権者の間でSCP-2934-Aと
同様の夢が繰り返し発生し、
その結果として有権者の間に
ンドレッツ・ゲガ氏への嫌悪感が広まったことで
票離れが起きたためだと報告書中で纏められています。

そう、ここまでくればもうお分かりかと思いますが
このンドレッツ・ゲガ氏こそが
SCP-2934を作りだした張本人であり、
その本来の目的はSCP-2934-Aの効果を利用して
自分への好印象を有権者に刷り込むことで
選挙に勝つための裏工作だったのでした。

しかしンドレッツ・ゲガ氏のこの作戦には
ひとつだけ大きな穴がありました。

それは彼が「同じ夢を見せ続けると
かえって自分への印象が悪くなってしまう」
というSCP-2934-Aの副作用に気づいていなかったこと。

そのためゲガ氏は有権者に好印象を植え付けるどころか
かえって強烈な悪印象を植え付ける結果となってしまい
悪行に手を染めてまで挑んだ選挙にも大敗。

そのことで正気を失ったゲガ氏は
選挙翌日に自動車を暴走させ
半ば自滅に近い形でその人生に
自ら幕を下ろすこととなったというわけです。

しかしこの話には
もうひとつだけオチが残っています。

事故を担当した検視官の報告によると
事故を起こしたンドレッツ・ゲガ氏の肉体は
かつて自分が殺害した女性と同じように
両手両足が切断された状態で発見されたというのです。

因果応報とはまさにこのようなことを
表す言葉なのかもしれませんね…

第4位:SCP-4666 冬至祭の男

私は病気になった。おもちゃを作れなくなった子は、おもちゃになるの。

SCP-4666の写真
▲ SCP-4666と思われる写真。ヴァイナハト・イベント#057130の現場で発見された携帯電話から回収。

SCP-4666 – SCP財団

第4位に選出したSCP-4666は
異常に長寿な2mを超える長身の痩せ衰えた
ヨーロッパ系の高齢男性として
描写されるヒト型実体です。

このオブジェクトは毎年12月21〜22日の夜から
翌年1月1から日にかけての12夜の間のみに
北緯40度線より北の場所にランダムに出現し、
・孤立した農村地域にあること
・8歳未満の子供が少なくとも1人いること
・イベント期間中に積雪が持続する地域であること

これらの条件を満たした民家において
以下の順序で進行する
“ヴァイナハト・イベント”と呼ばれる
連続した事象を引き起こします。

第1-7夜: 子供は家族の住居の近くでSCP-4666を目撃したと報告します。
SCP-4666は典型的に、近隣の野原や隣接する森の端といった遠距離から住居を見ている様子が観察されます。
幾つかの事例で、子供は夜中に目を覚まし、SCP-4666が窓から寝顔を覗いているのに気付いたと報告します。

第8-11夜: 一家(親を含む)は屋根や屋根裏部屋から聞こえる足音を報告します。
極めて不快な臭気も住居内で頻繁に認められるようになります。
これらの現象の原因は発見されません。
結果として、親はしばしば一家がストーキング被害を受けている、または住居が何かに“憑り憑かれて”いる可能性を疑い始めます。

第12夜: この夜を通して、2種類のシナリオのうち1つが発生します。

・第1の、そして最も一般的なシナリオにおいて、SCP-4666は8歳未満の子供1人を除く一家全員を殺害し、子供を拉致します。
SCP-4666は眠っている家族に傷を負わせて無力化した後、住居の一部屋に集め、お互いの見ている中で殺し始めます。
殺害手段はイベントごとに様々ですが、通常、儀式的な意図があると思われる何らかの拷問が先行します(下記“ヴァイナハト・イベントログ”参照)。

・既知ヴァイナハト・イベントのおよそ15%で発生した第2のシナリオにおいて、SCP-4666は家族に危害を加えません。
家族は住居内で足音を聞いたと報告しますが、何者かが家に押し入った形跡は発見されません。
翌朝、子供はベッドの足元にプレゼントを発見します。
これらは人間幼児の遺体で粗雑に作られた玩具から成ります(下記“SCP-4666-A実例ログ”参照)。

最初は遠くから姿をチラつかせておいて、
少しづつ家に近づいてきたかと思えば
最後には子供だけ攫って他の家族を拷問した上で皆殺しにするか、
あるいは誰も傷つけない代わりに
子供に「幼児の遺体を素材にした特製のおもちゃ(4666-A)」を「プレゼント」する
というなんとも不気味なこのオブジェクト。

しかも財団の調査によると
このオブジェクトの出現例は数百年以上
過去まで遡ることができ、
最古の例ではなんと2000年以上前の
紀元前1世紀のスカンジナビアでも
類似の事例が歴史的文章の中に
確認されているというのです。

補遺4666-01

続いて報告書内の補遺4666-01には
SCP-4666-Aの実例の一つとして
衰弱した幼い女の子を材料として作られた
実寸大の人形を財団が確保した際の
記録が掲載されていますがこの描写がまた壮絶。

・汚れて変色した衣服の様々な切れ端で作られたドレスが身体の周囲で縫われ、また数ヶ所で皮膚に縫い止められていた。
・口は人間の腱で作られた糸で縫い閉じられ、唇は主に人血から成る溶液で赤く塗られていた。
別な子供の指爪が、松脂で身体本来の指爪の上に接着されていた。これらは同じ人血ベースの溶液で赤く塗られていた。身体の指は3本欠けていた。
・頭皮全体が頭から除去され、そこに長い金髪を有する別な子供の頭皮が縫い止められていた。髪は2本の組み紐で結ばれていた。
・両目が除去され、空の眼窩には目が雑に描かれた2つの大きな丸い小石が嵌めこまれていた。

いやーサイコですねぇ。

しかもこの人形にされた少女
エカテリーナ・モロゾヴァ(7歳)は
発見時まだかろうじて息があり※、
病院に搬送されて意識を取り戻した後に
短い時間ですが財団エージェントのインタビューに応じています。
(※インタビュー直後に死亡)

[記録開始]

エージェント コヴァルチック: やあ、僕はアントニ。君のお名前は?

E.M.: あ… あなた、彼の所に私を連れ戻すの?

エージェント コヴァルチック: いいや、そんな事はしない。僕はただ君と話したくてここにいるんだ。

E.M.: (沈黙) 戻りたくない。

エージェント コヴァルチック: 戻らなくていいんだ、今はもう安全なんだよ、 お嬢さんmyshka 。

E.M.: (沈黙を保つ)

エージェント コヴァルチック: 君に何が起きたか教えてくれるかい? 彼が君の家にやって来た夜を覚えているかな?

E.M.: 覚えてる… 彼はママとパパとカーチャとユリアンナを時間をかけて傷付けて、みんな血を流してた… みんなが叫ばなくなった後、彼は私を袋に入れた。

エージェント コヴァルチック: 袋って?

E.M.: 大きい袋を持ってたの。他の子たちも袋の中にいた。他の家にも行ったと思う、夜中ずっと誰かが袋の外で叫ぶのが聞こえた。どの家でも彼は別な子を袋に入れた。それで、夜が終わったら私たちを連れて行った。

エージェント コヴァルチック: 何処に連れて行ったんだい?

E.M.: …地下… [未知の単語]… 深く…

エージェント コヴァルチック: 地下? 地下室のことかな?

E.M.: 深いの… 全部が土と泥と氷。そこら中に骨があった。全部冷たい。寒すぎて眠れない。

エージェント コヴァルチック: そこには君の他にも、沢山の子供たちがいたのかい?

E.M.: 沢山の子供たち… 沢山のトンネル、沢山の穴、でも全部は見えない。他の[未知の単語]は見えない。暗すぎるから。私の穴にはルネとヘクラとサーシャとポールがいた。一緒におもちゃを作った。

エージェント コヴァルチック: 玩具?

E.M.: おもちゃを作らないと、食べさせてもらえない。おもちゃを作るのをやめちゃダメ、眠っちゃダメ。さもないと彼に痛めつけられる。

エージェント コヴァルチック: 痛めつける? どうやって?

E.M.: 殴ったり、火傷させたり… 指を噛み千切ったり。自分の部屋の火で料理して食べちゃうこともある。彼はフィリップとサリーを食べた。

エージェント コヴァルチック: いったい君は、どうして… こんな… 姿になったんだ? これは彼がやったのか?

E.M.: (沈黙) ルネとヘクラとサーシャとポールがやった。やらなきゃいけなかったから。

エージェント コヴァルチック: …何故?

E.M.: 私は病気になった。おもちゃを作れなくなった子は、おもちゃになるの。

[記録終了]

本報告書の内容は以上です。

最後まで目的も正体も不明であり、
SCPオブジェクトというよりは
民間伝承に登場する怪物をそのまま
報告書に落とし込んだような趣のある本オブジェクト。

その正体について考えを巡らせた時、
「老人である」「年末に出現する」
「子供にプレゼントを渡す」といった特徴から
真っ先に名前が思い浮かぶのが
皆さんご存知のサンタクロースではないでしょうか。

しかし「冬至祭の男」という
報告書のタイトルと報告書末尾の脚注にある
保護されたエカテリーナな話していた不明な言語が
ゲルマン祖語以前の言語と関連性があるという情報を
総合して考えるとこれはむしろ
キリスト教が広まる以前から存在していた
北欧ゲルマン民族の冬至の祭りユールと
彼らの民間伝承に登場する
ユールラッズ(通称:悪いサンタクロース)
により近い存在であると考えた方がより的確であるように思えます。
(でなければ、キリスト教誕生以前の紀元前から
SCP-4666の報告例があることの説明がつきません)

もしかするとゲルマン民族に伝わる
こうした伝承は単なる子供のための寝物語ではなく
実際に存在するSCP-4666という脅威から
子孫を守るために古代の人々が考え出した
切実な防衛策だったのかもしれませんね。

第3位:SCP-3002 思考抹殺計画

「私についてどんなことを覚えている?」

「あのプロジェクトは終わった?」

SCP-3002 – SCP財団

さてここからはいよいよベスト3に突入します。

続いてご紹介する
scp-3002「思考抹殺計画」は
全部で4つのパートから構成される報告書です。

第一のパート

第一のパートでは
O5-1の要請を受けてケイ・トーマス博士が送信した
2014年7月20日にダリル・ロイド博士によって作成された 
SCP-3002報告書のコピーの内容という形で
SCP-3002の概要が提示されます。

説明: SCP-3002はインディアナ州ラファイエット近辺に位置するサウス・ロック刑務所の受刑者の85%が共通して有していた特定の記憶です。影響を受けた受刑者は全員幼少時期のある特定の日のことを想起することができます。この特定の日は対象によって大きく異なりますが、大多数は10歳から13歳の間のいずれかの日を思い出しています。

お互いに関係のない複数の人間に
似通った幼少期の記憶が突如出現するというこの不思議な異常。

その内容は「森のある公園を当時最も親しかった友人と歩いていたが、
ある時点で口論となり、学校に転入してきた
金髪の少女(多くの場合スロバキア人または東ヨーロッパ人と説明される)
の話でその友人と口論になる」という点で一致しています。

とはいえ異常らしい異常といえばそれくらいのもので
オブジェクトクラスもSafeであり、
この時点ではまだ目立った危険性は感じられません。

報告書最下部まで進むと
「受信ボックスに未読の新着メッセージがあります!」
というテキストがあり、これをクリックすると
第二のパートへ移動することができます。

第二のパート

彼女が戻って来たということなのか、それとも彼女の記憶の寄せ集めにすぎないのか私には分からない。思考? レテ・プロジェクトが予期せぬ副作用を有していた可能性があるということだろうか? 彼女が戻ってきて我々を害することがないようにしたい。本件には目を光らせておくように。

A・ヴェレス
O5司令部
o5_1@foundation.scp

第二のパートにも前のパートと同じく
SCP-3002報告書が添付されていますが
こちらはそれよりも1年以上後のもの(2015年12月13日作成)で、
オブジェクトクラスもEuclidに訂正されています。

また、このバージョンには他にも
・SCP-3002が伝染性のミーム災害であること
・文章や言葉などあらゆる情報を通じて感染すること
・先の記憶に登場した少女が
リリー・ヴェセルカという名のスロバキア移民の少女であったこと
・複数の財団職員が許可を得ずにSCP-3002の文書へ
アクセスを試みたこと
・↑の職員がSCP-3002に感染していたこと
などの情報が含まれています。

まだまだオブジェクトの全容は見えてきませんが
仮にSCP-3002が感染を持ち、さらに感染した人間の思考を
自由にコントロールできるとすれば
財団にとって非常な脅威となる可能性があります。

また、ページの冒頭で
O5-1がSCP-3002に危機感を抱きつつ、
「レテ・プロジェクト」なるワードに言及するなど
思わせぶりな発言をしていることも興味深いですね。

第三のパート

ヴェレスの思っていた通り、これは副作用ではないようです。彼女はレテを知っている人間を優先して狙っていると思われます。我々がプロジェクトに参加させていた全職員とサイト-Eに残っている全物品を処理するために私の方でrrhを派遣しましたが、時間が足りなかったためrrhは途中妨害を避けるために現地を離れざるを得ませんでした。

E・ペルーン
O5司令部
o5_2@foundation.scp

第二のパートの翌年に作成された
第三のパートの報告書では
とうとうSCP-3002のオブジェクトクラスが
Keterに指定されました。

収容プロトコルの内容も
SCP-3002に関する文字媒体は
公式の報告書を除いてすべて破棄、
被影響者に対しては遠距離武器を持ちた鎮静や
外科手術による当該記憶の強制的な抹消、
場合によっては終了措置(殺害)が許可されるなど
財団の焦りと状況の深刻さが
透けて見えてくるような徹底ぶり。

また、報告書に記載された
感染者の言動を見る限り
SCP-3002は高度な知性を有しているようで
特に先ほど少し名前が出てきた
レテ・プロジェクトに関与した職員を発見することを
その第一目標としているようです。

探査記録3002-5

事態が逼迫するなか、
[編集済]から引き出した情報を元に
2013年頃に放棄されたとみられる
ウクライナのある地下研究施設を調査した財団は
そこで大量の焼却された文章と
記憶デバイスを抜き取られた数台のコンピューターを発見します。

そして焼却された文章のうち
一部を化学処理によって復元することに成功しました。

ヴェレス、

レテ・プロジェクトの活動を積極的に続けていくのはリソースの有効利用とは言い難いと考えています。レテが”壊された虚構”型シナリオを回避する上で極めて有効な手段であることは確かですが、プロジェクトを単一のアノマリーに頼ったことで対象に過度なストレスを与えてきました。手術に侵襲的な機器を用いているせいか、彼女の運動能力と認識機能は次第に低下しています。認識機能の悪化の一例として、彼女は自身のかつての名前や呼称に返答することもそれらを名乗ることもなくなりました。

それに加えて彼女は技術者と働くことに対しいっそう消極的になっており、手術を逃れようと自傷行為に訴えるまでに及んでいます。彼女は数日前に自殺を試みたため、現在は常に監視下にあります。具体的な方法ははっきりしていませんが、現時点では食事中に食器を隠し持ち、数週間経った後にそれを自身に刺したと考えられています。

これまでは、彼女が収容以前に楽しんでいた様々な趣味や活動、具体的には写真や読書などをさせてやることでこの種の精神的苦痛を与えないようにしていました。

とはいうもののしかし、私としては”壊された虚構”の際にはコントロール可能な大量記憶処理や記憶改変アノマリーが適していると確信しています。よってこの分野の研究開発の続行は賢明なものと言えるでしょう。知っての通りレテで使用されているミームトリガーはごく一部を除き全ての人類に存在しているため、人類の記憶の基準点として機能させるだけでなく、人類の記憶を操作できるよう改造することもできるかもしれません。このミームトリガーはイエローストーンの神経学的アーキタイプスキャンに組み込んでありますので、人間の被験体に依存しないプロトコルを現在の被験体の寿命より長く継続的に使用することも可能となるでしょう。

– ペルーン

ここに来てようやく今まで謎に包まれてきた
レテ・プロジェクトの全容が見えてきました。

これらの内容を総合すると
どうやらレテ・プロジェクトとは
生きた人間を素材として
財団がコントロール可能な記憶改変能力を持つ
アノマリーを作り出す研究実験であり、
その最大の目的は作り出したアノマリーを用いて
“壊された虚構”型シナリオの回避、
つまり財団の情報が世間一般に認知されることを
回避することだったことが推測できます。

しかしこの実験は素材となる人間にとって
肉体的にも精神的にも非常な
ストレスをもたらすものだったようで、
それは被験者が途中で自殺を図るほどの
耐え難い苦痛であったとされています。

施設の調査中、エージェントは侵襲的神経外科に用いられる器具に合った手術台を発見しました。同室で発見された医学文書と拘束具は、この場所で手術を受けた被験体が手術中も意識を保っていたことを示唆しています。また機器の磨耗から頻繁な使用があったことが示唆されています。

報告書に付け加えられた覚え書き。
ここで悍ましい何かが
行われていたことは間違いないようです。

第四のパート

ついに最後のパートにたどり着きました。
ここでは第三のパートのさらに翌年の
2017年4月20日にコナー・ティーチ博士によって
作成された報告書が掲載されています

特別収容プロトコル: 文書3002-6を参照してください。被汚染者は前任職員、家族、知人も含めて全員殺処分しなければなりません。O5-1またはO5-2による審査を受けた職員でなければ本文書および残存する職員にアクセスしてはなりません。

説明: SCP-3002は知性を持つミーム実体です。SCP-3002はMK-クラス世界終焉シナリオ1を引き起こす試みが可能であり、実際に試みています。

SCP-3002は決まった形態を持っておらず、アクセスしたあらゆる情報や記憶の内部に存在しています。人間の精神の内部にいるとき、SCP-3002はその人間の記憶の擬態、改変、除去が可能です。SCP-3002が起こす改変には限界が存在しないようです。SCP-3002が記憶や情報に擬態する際、元の情報も新たなSCP-3002個体へと変化します。このようにしてSCP-3002は人間のあらゆる情報および記憶の中に存在することが可能です。

SCP-3002は極めて敵対的であり、残存する財団職員を積極的に見つけ、殺害または汚染しようとしています。

のっけから絶望感がハンパないですね。

要約すると、SCP-3002は
思考生命体とでも言うべき存在であり、
それゆえ殺すことも収容することも原理的に不可能で、
非常に容易な感染条件を持ち、
さらに人類を滅亡させる確固とした意思を持っています。

そしてなぜ、SCP-3002が
そこまで人類(特に財団職員)を憎んでいるのかといえば
それはSCP-3002がレテ・プロジェクトの犠牲となった
リリー・ヴェルセカの成れの果てだったからに他なりません。

財団は自分たちに都合の良い道具を作ろうとして、
自分たちを破滅させる死神を生み出してしまったわけです。

現在の仮説では人口の72%が汚染を受け、2014/██/██以降に作成された新しい情報およびその内容の84%がSCP-3002を含んでいると考えられています。

もはや事態は到底取り返しのつかない段階まで
進んでしまったようですね。

O-5評議会の動向

このページの最後には
コナー・ティーチ博士による
SCP-3002への対策提言とそれを受けた
O-5評議会の議決結果が掲載されていますが、
それらを並べてみていくと
背筋が冷たくなるような事実に気かされます。

o-5の評決記録

O-5メンバーのほとんどが
SCP-3002に都合の良い判断を下している上に
議決のたびにO-5メンバーの数が減っているんですよね。

これはこの時点で既にO-5の大部分が
SCP-3002に支配されてしまっていることを暗示しています。
もはや人類に希望は残されていないのでしょうか…

感想

オブジェクトそのものが邪悪というよりは
オブジェクを生み出した財団側が
邪悪だったというこの報告書。

最初は大したことのない異常だと思わせて、
実は人類終焉レベルの大災害だったという
緩急のつけ方が見事でした。

ちなみにこの後人類がそのまま滅んだのか、
それともSCP-2000を起動させて
リセットを図ったのかについては
著者曰く「読者の想像に任せる」とのことです。

第2位:SCP-3017 要注意人物

私は彼に… これまで私たちが吐いてきた嘘のことを全部話した。
どれだけ長く彼をだましてきたかを話して、
彼はそれを気に掛けなかったし、怒りもしなかった。

彼はすごく幸せそうで、家族を一目見に行く準備万端だった。
彼はただ幸せに、彼らと一緒に生きたいだけだった。

scp-3017の顔写真
▲ 20█4年の逮捕に続くフレイザー・メルブルックの顔写真。

SCP-3017 – SCP財団

第二位は
SCP-3017 「要注意人物」です。

アイテム番号: SCP-3017

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル (更新): フレイザー・メルブルックの火葬された遺体は、█ヶ所以上に散在した状態で自動監視下に置かれています。

報告書を開くと最初に目に入るのが
上記の「特別収容プロトコル (更新)」と
フレイザー・メルブルックという若い男性の顔写真です。

このうち特別収容プロトコル (更新)から
読み取れる情報の中で
特に重要だと考えられる情報は以下の通り。

・フレイザー・メルブルックは既に死亡している
・フレイザー・メルブルックの遺体に許可なく近づいた職員には厳罰を与える
・SCP-3017-Aの症状が現れた職員は記憶処理を受けなければならない
・SCP-3017-Aに曝露した人間はSCP-3017報告書やフレイザー・メルブルックの遺体への
アクセスを試みる執着的な行動を取るようになる。

しかしこれだけでは
・フレイザー・メルブルックとは何者か
・なぜ、フレイザー・メルブルックは死ななければならなかったのか
・SCP-3017-Aとは具体的に何か
という肝心の部分が分かりません。

よって以降は実際に起きた事件の記録を時系列順に追いながら
これらの謎の答えを探っていくこととなります。

アーカイブ済特別収容プロトコル、20█7/1/1無効

このセクションには
すでに廃止された古いバージョンの
特別収容プロトコルが記録されています。

しかしその内容は
最新のプロトコルとは全く異なる内容で、
特にSCP-3017が生きている状態を
想定して書かれている点で最も顕著な差異が認められます。
以下要約。

・SCP-3017と交流する職員は交流を1時間以上続けてはいけない
・SCP-3017に対して暴力的または強迫的な行動を示す職員にはクラスA記憶処理が施される。
・SCP-3017-1個体群は財団によって秘密裏に収容、監視される
・SCP-3017-1個体はSCP-3017から更なる情報を引き出す目的で収容下に置かれる場合がある
・SCP-3017が非協力的な態度を示した場合、食事の差し止めや生活に必要な備品の撤去、
睡眠妨害、体罰、およびSCP-3017-1個体に危害を加えるという脅迫を用いても良い。

ここで注目したいのが
SCP-3017-1個体群という新しい要素です。

記述内容からこれは複数の個人を指すものと思われ、
財団はSCP-3017から情報を引き出す目的であれば
このSCP-3017-1に危害を加えるぞという
脅迫をSCP-3017に対して行うことを許可しています。

ということはつまりSCP-3017-1は
SCP-3017にとって脅迫のネタになるくらい
大事な人々であるということでしょうか。
なんだか一気に不穏な気配が濃くなってきましたが
今はまだ何を考えるにしても情報が不足し過ぎていますので
ここは深く考えず先に進みましょう。

説明: (20█7/1/1無効)

続いておなじみ説明セクションですが
ここにも(20█7/1/1無効)の但し書きがついており、
やはり古い情報であることが分かります。

さて、この資料に目を通してみると
そこにはSCP-3017がフレイザー・メルブルックという名前の
25歳の男性であること、また複数の異常な団体と深く関わっていて
さらに強盗、暴行、殺人を犯した疑いがあり、
おまけに過去23回もの逮捕歴があるという
にわかには信じがたい情報が記載されています。

もしこれが全て本当であれば
財団が多少非人道的な方法を使ってでも
SCP-3017から情報を引き出そうと
した行動にも合点がいきます。

また、この資料は
SCP-3017の持ついくつかの異常性にも言及しています。

その一つはSCP-3017の近くにいる人間に
1分間に1~5%という確率でSCP-3017の持つ犯罪歴や
その暴力的な人間性を知覚させるという
一種の「サトラレ」的な異常性です。

これは明らかにSCP-3017にとって
不利にしかならないように思えるのですが
この時点では単にそういう異常性がある
という以上のことはまだ何も分かりません。

加えてこの効果は
SCP-3017との接触時間に比例して強まるらしく、
SCP-3017に1時間以上曝露した対象者は
SCP-3017が一刻も早くしかるべき場所に
収監されなければならないという強い強迫観念に支配され、
時には暴力を用いてそれを遂行しようとするとのこと。

続いてSCP-3017の持つ第2の異常性は
SCP-3017が他者によって収監された場合に、
その収監が長期に及ぶことを回避するというものです。

これについてはどういう理屈でそうなるのか
という明確なプロセスは明かされていませんが、
報告書の執筆者はSCP-3017が自発的に
この能力を行使しているのではないかと疑っています。

3017-1について

このセクションでは
特別収容プロトコルにて言及されていた
SCP-3017-1の概要も記載されています。

そこに書かれているのは
SCP-3017-1がSCP-3017の主要効果に対して
完全な免疫を持つ人々のグループであり、
またSCP-3017-1を収監する、殺す、傷つける、
といった類の脅しがSCP-3017の第2の異常性を
抑制する上で非常に効果的であるという見解です。

加えて報告書には
SCP-3017-1の具体的なリストも掲載されており、
そこにはSCP-3017の父母や兄弟といった
血縁者から元交際相手や隣人に至るまで
日頃からSCP-3017-1と深い関係があったと
推測される人々の名前がずらりと並んでいます。

ここまで読むと、もうだいたい
本事件のカラクリが読めてきた方もおられるかもしれませんね。

続いて、財団施設で行われた
ライアン研究員によるSCP-3017への
インタビュー記録に目を通してみましょう。

補遺: SCP-3017副次効果の緩和

ライアン: その… 私たちは、貴方のお祖母様が肺癌と診断されたという知らせを受けたのです。

SCP-3017: …何?

ライアン: 彼女は病院に行って…

SCP-3017: それはもう聞いた!

ライアン: 動揺しているのは分かります、しかし…

SCP-3017: ああ動揺してるさ! 動揺しない訳ないだろ! こんな事が起きてるのにアンタたちが俺をここに閉じ込めてるんだからな! 祖母ちゃんのために俺はそこにいなきゃならないんだ! 家族のために!

[中略]

ライアン: 今は無理です、申し訳ありません。貴方が彼女を気に掛けていることは分かります、しかし彼女を助けたいのであれば、逃走の試みは全て停止してください。

SCP-3017: せ… せめて祖母ちゃんがどうしてるか、俺に伝え続けてくれるか?

ライアン: 善処します。

SCP-3017: 分かった。アンタたちの言う通りにしてやるよ。

財団の定めた収容プロトコルに従って
SCP-3017を脅すライアン研究員。

報告書にはこの後実に4ヶ月の間
SCP-3017が脱走を試みなくなったことが記録されています。

しかしこうして側から見ていると
SCP-3017は危険人物どころか
家族思いの普通の好青年にしか見えませんね。

補遺: 覚え書き、20█6/02/19

SCP-3017-1は異常な存在として分類されているので、必要に応じて我々の裁量で収容できます。必要に応じて一時的に各個体を収容し、後に記憶処理を施して解放することを提案します。ごく僅かなリソースの出費で、すぐにも膨大な情報にアクセスできるようになるでしょう。

-キラン博士

次の資料はSCP-3017の担当者である
キラン博士の手によるもので、
内容を要約するとSCP-3017は情報の金鉱だから
脅迫を含むどんな手段を使ってでも
厳しくSCP-3017を絞り上げることを推奨する
といった旨の提言です。

この提言はエリア-55の管理官によって
2016/02/21に承認されています。

どうやら風向きはSCP-3017にとって
悪い報告に向かいつつあるようですね…

インタビュー尋問-3017-13:

キラン博士の提言を受けて行われた
続いてのインタビュー記録内容は
前回にも増してその過激さを増しています。

SCP-3017: 何だかよく分からねぇけど、とにかく俺はそれが何なのか知らないってことは言い続けるつもりだ。

キラン: いいでしょう。それならば、こちらの画面を見て、何が見えるかを教えてください。

(SCP-3017はキラン博士のコンピュータの画面を見る ― SCP-3017-1-07の収容室のライブ映像が表示されている。対象はショックを受けている様子を示す)

SCP-3017: なんで俺にこれを見せようと思った?

キラン: 質問に答えなさい、SCP-3017。画面には何が映っていますか?

SCP-3017: アンタら病気のクソ野郎どもが俺のガールフレンドを誘拐したと思わせたがってるのが映ってるよ。アンタはマジもんの狂人なんだな。

キラン: SCP-3017、非協力的な態度を取り続ければ彼女に何が起こるかを知りたいですか?

(SCP-3017は手で顔を覆い、数秒間沈黙した後に返答する)

SCP-3017: 俺… 何かしら話してみるよ。あれについちゃあまり知らないけれど、話せる限りは話す。

SCP-3017の元カノを誘拐して
それを脅しのネタにするという
安っぽい映画の悪役のような行動に出たキラン博士。

しかしこの揺さぶりは効果覿面だったようで、
SCP-3017はキラン博士に対し、
彼と繋がりがあるとされる要注意団体についての
情報を暴露します。

しかし財団が事実関係を洗ってみると
すぐにそれが単なるデタラメだったことが露呈し、
このことに業を煮やしたキラン博士は
さらに過激な方法でSCP-3017を締め上げることにします。

キラン: そしてあの部屋にあるのが、発砲の的にした物です。御覧になってください。

SCP-3017: (不明瞭)

キラン: 何ですって?

(SCP-3017が立ち上がる)

SCP-3017: ブチ殺してやる、クソ野郎!

(キラン博士は即座に拳銃を抜き、SCP-3017に狙いを合わせる。数秒の沈黙)

キラン: 座りなさい。今すぐに。

(SCP-3017は再び座り直す。呼吸は荒い)

キラン: 私たちに嘘を吐くとこういうことになります。

はい、もうこれは完全にヤクザですね。

もっともこれは脅しであり、
幸いSCP-3017-1-10(元カノ)が
傷つけられることはなかったものの
このことがSCP-3017に与えた精神的ショックは大きく、
こうした行為の積み重ねが
のちにおきるある悲劇を引き起こすきっかけとなるのでした。

ライアン研究員の提言

横暴とも取れる取り調べを続ける
キラン博士でしたが、
財団の中にもそのやり方に異議を唱える人物が
まったくいないわけではありませんでした。

その人物とは、
最初のインタビューに登場したライアン研究員です。

SCP-3017から情報を得るためのこれ以上の努力が徒労であるというだけでなく、私は現在の試みが倫理規程に違反しているのではないかと感じています。現在もSCP-3017は祖母が癌を患っていると思い込んでいますし、私たちは対象の元ボーイフレンドを目と鼻の先で狙撃したのです。この件に関して言えば、2週間前のキラン博士の行為が配置換えの根拠にすらなっていないというのは一体どういう事ですか?

より詳細な調査ができるようになるまで、全てのSCP-3017-1個体を解放するよう正式に要請します。いくらなんでもこれはやり過ぎです。

ライアン研究員はこの状態が以上だと考え、
少なくともSCP-3017-1については
即座に解放すべきだと主張しました。

しかしライアン研究員はこの提言の直後に
当のキラン博士によってSCP-3017-1の一体だと見なされて
自身も収容対象となってしまいます。

果たしてSCP-3017に
救いが訪れることはあるのでしょうか?

事案I-3000 20█6/05/17

収容開始から3ヶ月以上が過ぎたある日、
自体を大きく動かす事件が発生します。

かねてからSCP-3017に同情的だった
ライアン研究員と保安職員のルドルフの手引きによって
SCP-3017が財団施設から脱走したのです。

長きに渡る理不尽な勾留から逃れて
ようやく自由を取り戻したSCP-3017。

しかし、冒頭ですでに示されているように
その先で彼を待ち受けていたものは
より深い絶望と、そして死でした。

事案I-3017-1 N

20█6/05/23の現地時間03:00頃、SCP-3017の旧家で火災が発生しました。火災は急速に広がり、問題の家屋と2軒の隣家を全焼させました。この火災により、SCP-3017-1-01から-07、および-11、並びに2名の一般人が死亡しています。火災の原因は調査中です 人為的な放火であると判明しました。

20█6/05/24、SCP-3017は死亡した状態で発見されました。対象は旧家跡からおよそ1km離れた橋から飛び降り自殺を図ったと考えられています。SCP-3017-1-13が近隣で発見され、抵抗することなく再収容に応じました。

SCP-3017の脱走から5日後に
SCP-3017の旧家で火災が起き、
家族全員と婚約者、隣人が死亡。

脱走後、旧家を目指していたSCP-3017は
その光景を目の当たりにしたことで
完全に生きる希望を失い、
旧家からほど近い橋から身を投げたのでした。

そしてこのセクションには
この時何が起きたのかを考える上で
重要なもう一つの情報が記載されています。

保安職員らはSCP-3017やSCP-3017-1-13を捕縛することができず、どちらも施設内を脱出したと考えられます。保安職員カリダッドはSCP-3017-1-14に指定され、収容されました。この事件に続いてキラン博士の失踪が報告されましたが、20█6/05/25に再びエリア-55に帰還しました。

SCP-3017に特に厳しかったキラン博士の失踪、
そして人為的な放火と思われる実家の全焼。
これらの符号が意味するものは…

キラン博士によるSCP-3017-1-13へのインタビュー

事案I-3000の後、
SCP-3017の脱走を手助けしていた
ライアン研究員(SCP-3017-1-13)が確保され、
キラン博士によるインタビューが
実施されることとなりました。

SCP-3017-1-13: 私たちは[編集済]までヒッチハイクで向かって、彼の家は焼け落ちて、彼は橋から道路に飛び降りた。これについては話したくない。

キラン: 具体的な内容が必要なんです。

SCP-3017-1-13: OK、分かったわ。知りたいことを指定して。

キラン: [編集済]に着いた後のことを教えてください。

SCP-3017-1-13: そうね、郊外に着いたのが朝の3時か4時頃だった。もうその時に火災は始まってて、私たちの場所からも光が見えた。フレイザーは道を先導していたけれど、ますますパニックになっていって、私も火災が彼の家の近くで起きていることに気付いた。彼は走り始めて、少しの間見失ったけれど、炎の方角に向かって行ったら、現場を見つめている彼を見つけたのよ。

SCP-3017-1-13: 私は… 彼を少し近くのモーテルに連れていって、ルディがくれた現金の一部で部屋を借りた。彼が十分落ち着いた時点で、彼を部屋に残して火災の情報が得られないか、逃げ延びた人がいるかを確認しに行ったけれど… 正直彼には嘘を吐きたかった、彼を傷付けないような何かをね。でも皆…

SCP-3017-1-13: 貴方には彼が見えてなかった。何一つ見ようともしなかった、でも私は見たのよ。彼は… その晩私が眠って、翌朝目を覚ました時、彼は姿を消していた。もう死んでいたわ。

キラン: 何故SCP-3017が自らの命を絶つことにしたのか、どんなものでもいいです、貴方には考えがありますか?

SCP-3017-1-13: さぁ、分からないわ。彼は家に帰って家族を一目見るために5日間費やして、ただ彼らが火に巻かれて死ぬのを目の当たりにした。多分それが理由じゃないかしら? 或いは、もしかしたら、彼らはもう大丈夫なんだ、とうとう家族は命の心配をしなくても良くなったんだと思ったからかもしれない。これで十分な理由になるでしょう? そうでしょう?!

ここまでに確認した全ての経緯を知りながら、
それでもなおSCP-3017が自殺した理由が
理解できないというキラン博士と
SCP-3017の脱走を手助けして
最後まで彼の心を心配していたSCP-3017-1-13(ライアン研究員)。

どちらが異常か、
もはや悩む必要もないでしょう。

説明 (更新)

報告書の最後には
これまで省かれていた
最新バージョンの説明が記載されています。

説明 (更新): SCP-3017は、フレイザー・メルブルックという名の、死亡当時27歳だった男性の指定名称でした。メルブルックを直接的に目視した/会話に従事した対象者は、1分あたり1~5%の確率でSCP-3017-Aを発症する可能性がありました。

SCP-3017-Aは、影響者に対して、SCP-3017を拘留しなければならないという強制衝動を植え付ける認識災害効果の名称です。SCP-3017-Aに影響された人物はSCP-3017のことを、監禁状態から脱走するための異常能力を有する危険な犯罪者として知覚しました。SCP-3017-Aはしばしば対象者をメルブルックに執着させ、彼の近くから引き離そうとする試みに対して抵抗させる結果を招きました。クラスA記憶処理はSCP-3017-Aを緩和させることが示されていたものの、その後SCP-3017に再曝露すると症状は即座に再発していました。

そう、最初の説明に記されていた
SCP-3017の異常性とは全て
SCP-3017を異常な能力を持った
凶悪な犯罪者だと認識させる認識災害(SCP-3017-A)
によって認識をねじ曲げられた結果の産物であり、
その一点を除けばSCP-3017は
全く無力な一般人に過ぎなかったのです。

そして、彼が自殺を選ぶ理由となった
例の火災は担当研究者として
長期間SCP-3017と関わったことで
SCP-3017-Aに極度に曝露したキラン博士が
その手で実行したものでした。
(このことは報告書中に明言されていませんが
状況を考えるとほぼ間違いないものと考えられます。)

また、この事件後
ライアン研究員とルドルフを含む
残り全てのSCP-3017-1は解放され、
SCP-3017、つまりメルブルックに関する
全ての調査も打ち切られることとなりました。

感想

財団職員が認識災害に汚染され、
無関係な一般人を多数殺害、および
自殺に追い詰める結果になったと言う
なんとも救いのないこの報告書。

そのオチの胸糞悪さもさることながら
新旧バージョンの報告書を部分的に見せる手法や
読むものに衝撃を与える構成の巧みさも素晴らしく、
全体的な読み物としての完成度の高さも含めて
この順位を進呈せていただきました。

第1位:SCP-2996 ERROR / ERROR

« WARNING WARNING WARNING »

当記録のセキュリティは侵害されています。以下に記されている情報は正確でない可能性があります。

財団情報保安部門による調査中のため、当記録は[凍結]されています。当記録へのあらゆるアクセスは監視され、当記録への編集は一切禁止されます。

詳細に関しては、下記の”特別補遺2996.A”を参照してください。

DATA MISSINGと表示された画像
▲ ERROR

SCP-2996 – SCP財団

ERROR / ERRORという不思議なタイトルと
報告書を開いた時にいきなり目に飛び込んでくる
物々しい警告文がなんとも不穏な気配を感じさせるこちらの報告書。

ともあれ読み始めの段階では
まだ警告の意味はまだ不明ですので
ひとまず本オブジェクトの概要を確認してみましょう

SCP-2996の概要

SCP-2996はインディアナ州のナッシュビルの
廃屋で発見されたヨーロッパ系の少女の霊的実体(幽霊のようなもの)であり、
財団はこれをnPDNという装置で
「固定」※することによって収容を可能としています。
(※のちの記述に照らし合わせてみると
この時点で生きた人間と変わらない
肉体を獲得したものと思われます)

また、SCP-2996は自分が1929年に
発見地と同じ州で殺害された8歳のEmily Nashであり、
近所の親しい友人である13歳の
James Franklinという少年に殺害されたのだと主張していてます。

しかし財団が「様々な情報源」から得た記録には
少女が自殺したことが示されており、
1929年のナッシュビルに同様の少女が
存在したという事実を確認することもできていません。

SCP-2996はこうした自身の主張に反する
記録内容に強い反感を示しており、
また自分のことをJames Franklinに復讐するために
この世に蘇った霊魂だと信じていることから
財団はSCP-2996の行動を抑制するために
精神面へのアプローチを進めることを決定しました。

鑑定インタビュー記録

Rudolph博士: そうか。さて、私の名はRudolph博士だ。これから君の問題の診断を担当す―

SCP-2996: …あいつと同じクソみたいな世界で生きてる屑野郎いつかあいつを見つけた時みたく喉からお前の心臓引きずり出してお前をぶっ殺してやる…

—補遺2996.1: 第一回精神鑑定インタビュー 2012/06/05より

報告書記載のSCP-2996への精神鑑定インタビュー記録には
SCP-2996がはじめのうち暴れながら憎悪の言葉を撒き散らし
担当の博士とも会話が成り立っていない様子が記録されています。

しかし、インタビュー開始から
2ヶ月ほど経った時点から徐々にSCP-2996が
財団職員との会話に応じるようになり、
最終的にはお互いに冷静な話し合いができる状態にまで
その態度は落ち着いたものとなりました。

SCP-2996:ただ…憎しみが増してゆくのを感じてた。私の内にはJimmyのやつから命を搾り取ろうとする思いしかなかった、けど…証拠を見たわ、博士。渡されたレポートを読んだの。

Kidwell博士: あなたにとっては本当に難しいことだったでしょうね、SCP-2996。だけど、それこそ我々の研究の目的なの。あなたや、あなたのような存在に、正常な意識を取り戻そうと試みているのよ。

SCP-2996: (SCP-2996はしばらく黙り込む) あなたの言う通りなのかもしれない。多分わたしはただ怒って、混乱していただけで、死んでもその気持ちは治まらなかった。だからこんな、こんな風になってしまったのかも。

Kidwell博士: 今の状態があなたにとって辛いものだということは分かっているわ。だけどこれは大きな一歩で、あなたが選択すべき道だと私は思う。あなたは得難い機会を与えられているの。怒りを過去のものとして、最初からやり直すためのね。

SCP-2996: あなたは… あなたは本当にやり直せると思う?

Kidwell博士: もちろん。

SCP-2996:(微笑んで)わかった。あなたを信じてみる。

—補遺2996.4: 精神鑑定インタビュー 2012/08/04より

解放、そして

SCP-2996が財団に確保されてから
3ヶ月が経過した2012年08月28日。

それまでのカウンセリングが実を結び、
自分の死に対して折り合いをつけることが
できるようになったSCP-2996は
身も心も普通の8歳の少女に戻り、
ある家族の養子縁組を受けて
第二の人生を歩んでいくこととなりました。

報告書の最終記録には、
彼女がその後財団による記憶処理を受けて
財団のフロント組織である
養子縁組斡旋団体に
身柄をゆずりわたされたことまでが記録されています。

これで一件落着…と思いきや

本報告書がここまで語ってきたのは
「少女の霊が恨みから解放されて
第二の人生を踏み出す物語」であり、
少女の死の真相と犯人の消息という
2つの大きな謎こそ残っているものの
全体的には救いの感じられる内容でした。

しかし、この報告書にはまだ続きがあります。

それは先述したインタビュー記録の下に
「特別補遺2996.A」という
折りたたみ式のセクションで、
中を開くとサイト-19所属の管理職員経由で送信された
サイト-81(SCP-2996が収容されていたサイト)所属の管理職員による
レベル4職員向けの自動化メッセージを読むことができます。

その内容はサイト-17で発生した幾つかのエラーによって
SCP-2996に関する情報が何者かによって改ざん
されていたことが判明したというもので、
特に以下の点について著しい相違が認められました。


・サイト-81におけるSCP-2996の存在(サイト-19の記録と矛盾)
・Kidwell博士のサイト-81におけるプロジェクトへの配属
・Aktus管理官のそのような実体がサイト-81内に収容されていることについての認識
・”Samantha Pendleton”の存在

つまり、これまで私たちが見てきた
SCP-2996の立ち直りのストーリーは
何者かの手によって作り出されたダミーだったということ。

しかも報告書はこのメッセージで終わっており、
一見報告書からはこれ以上の
情報が得られないように見受けられます。

果たして、私たちはこのまま
心に何もわからないモヤモヤを抱えたまま
次の報告書を読み始めるしかないのでしょうか?

「履歴」に隠された真実

この報告書の隠された真実を知るには、
SCP財団を普通に読んでいる限りは
あまり気にしない「History(履歴)」機能に
注意を向ける必要があります。

履歴を見るには
報告書を一番下までスクロールして
Historyをクリックし
編集履歴一覧を表示させます。

次に今回はその中でも最も古い、
16 Feb 2016(by gnmee)の行の
action直下にある四角の枠にVの文字が入った
ボタンをクリックしてこのバージョンの
報告書を表示させてみましょう。

scp-2996のhistory
▲ 旧バージョンを見るには上記キャプチャの赤丸で囲んである位置をクリックします。

そうすることで私たちがこれまでみてきた
「改竄後」の記事ではなく、何者かによって
完全に改ざんされる前のオリジナルの報告書を
確認することができます。

さて、上記の手順で
オリジナルの報告書を表示したときに
まず一番最初に気づく違いは
精神鑑定インタビュー 2012/08/04以下の
内容が全く別の内容になっていることです。

そこには改竄後のバージョンにはなかった
生体解剖を含むSCP-2996実体への
検査記録があり、さらにその直下には
以前はなかった2012/08/19時点の
インタビュー記録が確認できます。

双方がおよそ3分間に渡って沈黙を保つ。

Kidwell博士: 昨日の件は誤解よ、あれは検査を行う予定だった医師ではなかったの。

SCP-2996: (被験体は反応しない)

Kidwell博士: SCP-2996、私は―

SCP-2996: 私に嘘の真実を教えていたのね。あなたは私の憎悪を消し去ろうとした、私の復讐を瓶詰めにしようと、私が狂っているって信じさせようと、でもあそこにいたのは彼で、彼だった! なんでよ、あなたはなんで…

Kidwell博士: 我々は彼を捜索しているわ。

SCP-2996: (被験体は反応しない)

Kidwell博士: 本当にごめんなさい。

これらの内容を総合すると
「生体検査の際に施設に侵入した
James Franklinが財団の担当医師とすり替わり、
SCP-2996に残酷な拷問(生きたまま解剖)を加えた」
という残酷な事実が浮かび上がってきます。

そう、例の「改ざん者」とは
他ならぬJames Franklinであり、
彼は凶悪な殺人犯であると同時に
財団の目を欺けるほどの力を持った
強力な現実改変能力者でもあったのでした。

例の悪漢、SCP-2996の未解決事件に関連していると思しき素性不明の人物がサイト-81へと侵入、サイトの医師3名と看護師4名の消失への関与が疑われている。この人物はクラスIII以上の異常な人型存在であると思われる。

知的な人型存在に対し、意識がある状態で違法な生体解剖を執り行ったこの人物を財団倫理委員会もまた捜索している。

対象は武装しており、危険性を有するものと推測される。全職員は白人男性、身長1.8m、茶色の髪と茶色の目を持つ男性に注意すること。特徴として対象は右目の下と首の周りに傷が見られる。

あらゆる目撃情報はサイト-81の保安職員へと報告して貰いたい。

– サイト管理官Aktus

こちらはJames Franklinの侵入が発覚した後に
サイト管理官によって出された指令ですが、
「例の悪漢」という言葉選びからして
侵入を許してしまった財団側の強い
危機感と怒りが伝わってきますね。

果たして財団がこの凶悪な殺人鬼に
然るべき報いを与えられる日は訪れるのでしょうか…?

感想と後日談

「履歴」機能に目をつけた
斬新などんでん返しが秀逸だったこの報告書。

一人の少女を二回に渡って殺害するという行為と
その手口の残虐さを評価して、
映えある(?)第一位の報告書とさせていただきました。

ちなみに日本支部には
このJames Franklinの
後日談を描いたtaleが存在しています。

人でなしどもの願い事

内容はSCP-2996報告書改ざん事件の後に
紆余曲折を経て財団と敵対する要注意団体「蛇の手」に加入した
James Franklinが再び財団サイトに侵入して
同じく強力な現実改変能力者である
SCP-650-JP(「ひとでなし、でく人形」)を勧誘しにくるというもの。

基本的に財団に協力的であるものの、
異常存在としての
人生に疲れているようにも思えるSCP-650-JPが
「俺はあんたに安全と自由を提供できる」
と語るJames Franklinの誘いに乗るかどうか、
狭い収容房の中で現実改変能力者同士の
手に汗握る駆け引きが展開されます。

おわりに

これぞ本来のSCP財団と言うべきか、
今回の「胸糞」特集は以前執筆した「感動系」特集や
「おもしろ系」特集よりも圧倒的に候補となる報告書が多く、
その分よりすぐりの胸糞悪い報告書を集めることが
できたのではないかと思います。

ちなみに胸糞度では4位としましたが
この中でどれが一番怖かったかと聞かれれば
私はSCP-4666(冬至祭の男)を挙げますね。

特に第1-7夜の「窓から覗いている」という描写が不気味すぎて、
この部分を書いた日の夜は無駄に自分の部屋の戸締りを確認してしまいました(笑)

それはまた、次の記事にて。

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