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超厳選!常識レベルの有名哲学者が遺した心震わす至高の名言42選【西洋編】

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出展: Wikipedia : Wanderer above the sea

はじめに

本日は、
西洋哲学史にその名を刻む
21人の有名哲学者が残した、
思わず座右の銘にしたくなるほど
格好良い42の名言
を、
解説付きの生誕年順でお届けします。

選出範囲は古代ギリシアから
今も活躍する現役の哲学者まで。

連綿と受け継がれてきた
哲学の叡智が凝縮された言葉の中に、
きっとあなたの心を打つ一文が
見つかるはずです。



名言集

ヘラクレイトス(Heraclitus)

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「変化」以外に永久なものはない
(There is nothing permanent except change.)

同じ川に二度入ることはできない。
なぜならその川に再び入った時、
その流れも人も既に変化しているからだ。
(No man ever steps in the same river twice, for it's not the same river and he's not the same man.)

ヘラクレイトス[BC540 - BC480]は
古代ギリシアの自然哲学者。

「パンタ・レイ(万物は変化する)」
という言葉に集約される
ヘラクレイトスの思想は、
万物の始原(アルケー)を
常に変化する火であると考え、
またその生成消滅のプロセスである
ロゴス(論理、理法)のみが
永遠不変のものである
と説くものです。

この名言は、
そんなヘラクレイトスの思想を
この上なく簡潔に表したものと言えるでしょう。

ソクラテス(Socrates)

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ただ一つの真実の知とは、
あたなが何も知らないということを
知ることである。
(The only true wisdom is in knowing you know nothing)

ソクラテス[BC469 - BC399]は
古代ギリシアの哲学者。

ソクラテスといえば有名なのが
無知の知のエピソードです。

ある時アポロン神殿で
ソクラテス以上の賢者は一人もいない」
というご神託を受けたソクラテス
謙虚にもそんなはずはないだろうと考え、
自分より賢い人を探すために
街中で知識人として有名な政治家や詩人に
次々に問答を仕掛けます。

しかし、ソクラテスの問答に
知識人たちはみな切羽詰まってしまい、
その様子を見たソクラテス
「知らないことを知っていると
思い込んでいる人よりは、
知らないことを知らないと
自覚している人の方がより賢い」

という無知の知の境地に至ったのです。

吟味されざる生に生きる価値なし
(The unexamined life is not worth livin.)

上記のエピソードには続きがあり、
ソクラテスは問答法を続けるうちに
恥をかかせた人々から恨みを買って
半ば言いがかりに近い罪で
死刑判決を出されてしまいます。

しかし、ソクラテス
逃げるチャンスがあったにも関わらず
その判決を自らの愛した
町(ポリス)の裁きであるとして受け入れ、
最期はイチジクの毒杯をあおって
自ら命を絶つ道を選びました。

真理に生き、真理に殉じた
哲学史上最高の偏屈老人ソクラテス

その真摯な生き様は
弟子プラトンの筆によって記録され、
現代に至るまで全ての哲学者の
模範であり続けました。

プラトン(Plato)

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現実は心によって創造される。
私たちは心を変えることによって
現実を変えることができる。
(Reality is created by the mind, we can change our reality by changing our mind.)

プラトン[BC427 - BC347]は
古代ギリシアの哲学者。

ソクラテスの弟子であり、
芸術論、教育論、国家論、数学、自然学
などについて多くの著作を残しました。

その思想の根幹は、
私たちの生きる物質世界の背後に
イデアと呼ばれる理想世界があり、
現実に存在する「生物」「思想」「色」など
あらゆる物質、想念がイデアの不完全な
写しであるとするイデア論
です。

翻ってこの名言でプラトン
人の心こそが現実世界のイデアであり、
心を変えることで、現実もまた
変えることができるのだ
と説いています。

常に親切でいなさい。
あなたが会う全ての人は、
みんな厳しい戦いをしているのだから
(Be kind, for everyone you meet is fighting a harder battle.)

私が一番好きなプラトンの言葉がこちら。

自分だけでなく、
この世に生きる全ての人々が
その人だけの苦悩を抱えて生きている…

そう考えると、いつもより少し
他人に寛容になれる気がしてきます。

アリストテレス(aristoteles)

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教育の根は苦いが、その果実は甘い。
(The roots of education are bitter, but the fruit is sweet.)

アリストテレス[BC384 - BC322]は
古代ギリシアの哲学者。

プラトンの弟子であり
アレクサンドロス3世の
家庭教師も勤めたアリストテレスは、
論理学、天文学、生物学、弁論術、詩学
など幅広い知識を体系的にまとめあげ、
「万学の祖」と呼ばれた人物です。

またアリストテレス
晩年リュケイオンと呼ばれる学園を開いており、
学びの厳しさと喜びを巧みに表したこの名言は
そんな教育者アリストテレスの一面を
感じさせる内容となっています。

全ての人にとっての友は、誰の友にもなれない。
(A friend to all is a friend to none.)

アリストテレスの思索は幅広く、
中にはこのような友情に関する名言も
数多く存在しています。

人は得てして、
誰からも好かれる器用な八方美人よりも、
例え敵を作ってでも自分の道を貫くような
不器用な人間に強く惹かれてしまうもの。
(坂本龍馬や西郷さんなどが好例)

アリストテレスのこの名言は、
そんな人間心理の本質を
鋭く見抜いているように思えますね。

エピクロス(Epikouros)

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わずかなものに満足できない人は、
何を得ても満足できないものだ。
(He who is not satisfied with a little, is satisfied with nothing )

あなたが持っていないものを欲しがることで、
あなたが既に持っているものを台無しにしてはいけない。
あなたが今手にしているものは
かつてあなたが一度は欲することしか
できなかったものだということを忘れてはいけない。
(Do not spoil what you have by desiring what you have not; remember that what you now have was once among the things you only hoped for.)

エピクロス[BC341 - BC270]は快楽主義を掲げ、
エピクロス学派を創設した古代ギリシアの哲学者。

快楽主義という言葉から誤解されがちですが、
その本質は生きるために必要な自然な欲求
(衣服や健康、食欲、友情など)を善とし、
反対に生きるために過剰な欲求(豪華な家や食事、金銭など)を
悪とすることで、「平静な心(アタラクシア)」
得ることを説いた自然主義的思想です。

これら名言にも多くを欲せず、
自分がすでに持っているものを
大事にしよう
という
エピクロスの思想が
よく反映されていますね。

マルクス・トゥッリウス・キケロ(Marcus Tullius Cicero)

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本のない部屋は
魂のない肉体に似ている
(A room without books is like a body without a soul.)
マルクス・トゥッリウス・キケロ

キケロ(AC106- AC43)は
共和制末期のローマの政治家、哲学者。

『国家論』『義務論』『友情について』
など、ラテン後の優れた散文を数多く残した
キケロらしい名言ですね。

友情は幸福を向上させ、
悲惨さを和らげ、
喜びを二倍にし、
悲しみを半分にする。
(Friendship improves happiness, and abates misery, by doubling our joys, and dividing our grief)
マルクス・トゥッリウス・キケロ

キケロの「友情について」より、
友情のありがたさが身に沁みる名言です。

「喜びは分かち合うことによって倍になり、
悲しみは分かち合うことによって半分になる。」

というドイツ・スウェーデン地方の
有名なことわざに通じるものがありますね。

イブン・ルシュド/アヴェロエス(Ibn Rushd/Averroes)

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無知は恐怖を産み、
恐怖は憎しみを産み、
憎しみは暴力を産む。
これが方程式だ。
(Ignorance leads to fear, fear leads to hate, and hate leads to violence. This is the equation.)
—イブン・ルシュド

イブン・ルシュド/アヴェロエス(AC1126- AC1198)は
ムワッヒド朝スペイン出身の哲学者。
アヴェロエスはイブン・ルシュドのラテン名にあたります。

イブン・ルシュドは国家事業として
アリステレスの著書をアラビア語に翻訳し、
またラテン語に訳された自身の著書が
今度はヨーロッパのスコラ哲学に
大きな影響を与えたりと、
まさにイスラム世界とキリスト教世界の
架け橋となった人物でした。

そんな見識の深い
イブン・ルシュドのこの名言は、
無知が暴力へと繋がるまでの過程を
見事に言い表しています。

ルネ・デカルト(rene descartes)

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我思う故に我あり
(I think, therefore I am)
—ルネ・デカルト

ルネ・デカルト(1596 - 1650)はフランスの哲学者、数学者。

代表的著書「方法序説」にて、
私たちの感覚や認識など
一見もっともらしく思える全てを疑うことで
最終的に疑いようのない真理に到達する
方法的懐疑を提唱。

そして「見えるもの、感じるもの
全てに疑う余地があるとしてもただ一つ、
疑っている私がここにあるという事実だけは
疑う余地のない真実である」
という
方法的懐疑的プロセスによって到達した
哲学の第一原理がこの
「我思う故に我あり」なのです。

デカルトが切り開いた合理主義思想は
後にニュートンライプニッツにも影響を与え、
デカルト「近代哲学の父」とも呼ばれています。

困難なことはすべて、
扱うことができ、
解決が必要な部分へと分割せよ。
(Divide each difficulty into as many parts as is feasible and necessary to resolve it.)
—ルネ・デカルト

方法序説」でのデカルトの言葉。

「大きな問題を解決できる
小さな問題の集まりに分解する」
という
このメソッドは要素還元主義とも呼ばれ、
私も本業であるWEBプログラミングの業務で
よく利用しています。

そしてデカルトの場合
彼のもう一つの顔であり、
やはり要素還元主義が有効である
数学者としての経験から
この方法論に至ったのではないか
と推測されます。

デカルトの数学者としての功績は
フェルマーの最終定理で有名な
ピエール・ド・フェルマーとの共同研究や
幾何学についての著作の発表があり、
またグラフの問題などでよく見る直交座標システムは、
デカルトの名をとって別名デカルト座標とも呼ばれています。
(デカルトデカルト座標を考案したわけではありませんが)

トマス・ホッブズ(Thomas Hobbes)

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国家は必要なのは、
人間が生まれつき悪だからではない…
人間が本質的に社会よりも
個人主義的であるからだ。
(Government is necessary, not because man is naturally bad... but because man is by nature more individualistic than social.)
—トマス・ホッブズ

トマス・ホッブズ[1588 - 1679]は
イングランドの哲学者。

ホッブズの思想で有名なものといえば
主著リヴァイアサンで提唱した
社会契約説でしょう。

ホッブズは人間は
未来を予想できる能力があるために
欲望にも終わりがなく、
もし人が国家や法律の存在しない
自然状態に置かれたら
互いが永遠に争い続ける
「万人の万人に対する闘争」に
陥るだろうと仮定しました。

そして、人間は
そのような争いを避けるために
人間の生きるための権利(自然権)を、
国家や王という強大な
ひとつの"リヴァイアサン(怪物)"に
委託(契約)することで、
自分たちの自由や生命を保証しているのだ
と考えたのです。

好奇心は心の渇望である。
(Curiosity is the lust of the mind.)
—トマス・ホッブズ

こちらは好奇心に関する
ホッブズの名言です。

「好奇心は猫をも殺す」
なんてことわざもありますが、
それでも知りたいと願うのが
人間の心というものなのでしょうね。

シャルル・ド・モンテスキュー(Charles-Louis de Montesquieu)

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真に偉大な人間になるには、
人々の上に立つのではなく、
彼らと共に立たなければならない
(To become truly great, one has to stand with people, not above them.)
—シャルル・ド・モンテスキュー

シャルル・ド・モンテスキュー[1689 - 1755]は
フランスの哲学者。

モンテスキュー
封建制を否定し、人間性の解放を目指した
啓蒙思想を代表する哲学者であり、
その主著「法の精神」は、後の
アメリカ合衆国憲法フランス革命にも
大きな影響を与えました。

そしてこの名言にも
そんなモンテスキューの平等思想が
はっきりと現れていますね。

この世で成功するコツは、
馬鹿のように見せかけ、
利口者のように行動することである。
(I have always observed that to succeed in the world one should seem a fool, but be wise. )
—シャルル・ド・モンテスキュー

たとえ頭が良くても、それを
周囲にひけらかす人は疎まれますし、
かといってまるっきりの考えなしでは
そもそも成功する見込みがありません。

「能ある鷹は爪を隠す」と言いますが、
周囲にそれと気付かせない優秀さこそが
世渡り上手の本質なのかもしれませんね。

ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau)

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私は奴隷の平和よりも
危険な自由を好む。
(I prefer liberty with danger than peace with slavery.)
—ジャン=ジャック・ルソー

ジャン=ジャック・ルソー[1712 - 1778]は
フランスで活躍した哲学者、作曲家。

1762年に発表した『社会契約論』にて
人間は生まれつき自由な存在であるとする
人民主権を提唱しました。

しかし、それは当時の
ヨーロッパの王制にとって
見過ごし難い危険な思想であり、
出版禁止や逮捕令などの
弾圧を受けたルソーは
亡命を余儀なくされます。

最晩年こそパリに戻れたものの、
精神的に衰弱した
失意のまま亡くなりました。

この挑戦的な名言には、
そんなルソーの反骨精神が
込められているのです。

知らぬものは決まっておしゃべりだが、
知るものは決まって無口である。
(People who know little are usually great talkers, while men who know much say little.)
—ジャン=ジャック・ルソー

ルソーは、こんな
人間の本質を突くような言葉も残しています。

そしてこれは
洋の東西を問わない真理のようで、
紀元前中国の思想書老子にも
似た意味の言葉を見つけることができます。
(知る者は言わず言う者は知らず)。

イマヌエル・カント(Immanuel Kant)

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内容のない思考は空虚であり、
構想のない直感は盲目である。
(Thoughts without content are empty, intuitions without concepts are blind.)

イマヌエル・カント[1724 - 1804]は
プロイセン王国(現在のドイツ)の哲学者。

ヒュームを代表する懐疑主義に絵響を受け
それまで絶対の信頼が置かれていた
人間の理性に疑いの目を向けたカントは
認識と対象の主従関係を
逆転させる発想(コペルニクス的転回)
で、
当時の哲学界に大きな衝撃を与えました。

そんなカントが語ったこの名言は、
考えることの質について
問いかけられているようで、
思わず身が引き締まる思いがします。

道徳とは幸福になる方法の教理ではなく、
どうすれば私たちが幸福に
値するようになるかの教訓である。
(Morality is not the doctrine of how we may make ourselves happy, but how we may make ourselves worthy of happiness.)

カントは道徳論についても
道徳法則に基づく革新的(かつかなり理想主義的)な
理論を展開しており、この名言からは
その厳格な道徳観が伺えます。

動物を残酷に扱う人は
人間関係においても辛くあたる。
私たちは動物への接し方によって
その人の心を測ることができる。
(He who is cruel to animals becomes hard also in his dealings with men. We can judge the heart of a man by his treatment of animals.)

動物好きの私としては、
全力で賛同したいこの名言。

殺人犯の凶行も、
最初は動物の虐待から
始まるケースが多いといいます。

もし、カントが現代に生きていたら、
凄腕の心理プロファイラーにも
なれていたかもしれませんね。

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(Georg Wilhelm Friedrich Hegel)

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この世に情熱なしで
達成された偉大なことなどない。
(Nothing great in the world was accomplished without passion.)
—ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル[1724 - 1804]は
ドイツ観念論を代表する哲学者。

ヘーゲルといえば、
「テーゼ(命題)」が「アンチテーゼ(反命題)」
と対立してより高度な「ジンテーゼ(合)」を
産み出すという弁証法論理学の思想や、
歴史の大局的な法則性に着眼した
歴史哲学の業績などが特に有名です。

その思想はヘーゲル以降の
西洋哲学の流れを一変させ、
マルクスニーチェキェルケゴール
フォイエルバッハハイデッガーなど
数多くの哲学者に影響を与えました。

そしてこの名言は、
大学の講師でもあったヘーゲルの生徒が
ヘーゲルの死後にその講義録などをまとめ
出版した歴史哲学の講義(1837)の一節です。

ミネルヴァの梟
迫り来る黄昏に飛び立つ
(The owl of Minerva begins its flight only with the coming of the dusk.)
—ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

1821年のヘーゲルの著書
『法の哲学』の序文に添えられた一節。

ここで言うミネルヴァの梟とは、
ローマ神話の女神ミネルヴァの
従える梟であり、知の象徴です。

ヘーゲルは哲学がその性質上、
どうしても時代の変化(現象)の
後追いにならざるを得ない事実を、
黄昏=夕暮れ前に飛び立つ
フクロウの習性に
準えて指摘したわけですね。

しかしその意味合い以上に、
なんとなく口ずさみたくなる
格好良さがこの言葉にはあります。

漫画の知的キャラにこれを呟かせたら
すごくサマになるのではないでしょうか。

ジョン・スチュアート・ミル(John Stuart Mill)

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私は自分の欲望を満たすのではなく、
制限することによって
幸せを探す方法を学んだ。
(I have learned to seek my happiness by limiting my desires, rather than in attempting to satisfy them)

ジョン・スチュアート・ミル[1806 - 1873]は
イギリスの政治、経済、哲学者。

師であるベンサム功利主義を推し進め、
幸福には量だけでなく質が大事だとする
質的功利主義を提唱しました。

また近年ではマイケル・サンデル教授の
ハーバード熱血教室で取り上げられたことで
その名前を知った方も多いかもしれません。

そしてミルはこの名言で、
禁欲こそが幸せを見つける
近道だと語っています。
察するに、根っから生真面目で
厳格な性格の持ち主だったのでしょうね。

カール・マルクス(Karl Marx)

マルクス

哲学者はこれまで世界を
解釈してきたにすぎない。
だが大切なのはそれを変革することだ。
(The philosophers have only interpreted the world, in various ways. The point, however, is to change it.)

カール・マルクス[1818 - 1883]は
ドイツ・プロイセン王国出身の哲学者、思想家。
代表的な著書は資本論

資本主義に変わる
新たな社会体制である
共産主義の思想を生み出し、
後の世界に大きな変革を起こすきっかけを
作ったマルクスにとって
これ以上ふさわしい名言はないでしょう。

惜しむらくは、その変革が
多くの独裁体制を生み出し、
多くの人命を奪う悲惨な結果に
繋がってしまったことですが…

全てを疑え
(Everything must be doubted)

これは元は
De omnibus dubitandum(全てのものは疑いうる)という
ラテン語の名言であり、マルクス
娘イエニーが生前のマルクス
遊びで行ったインタビューの
「一番好きな言葉は?」という
質問に対しての返答です。

短いながらも
哲学の本質を穿つような名言ですね。

フリードリッヒ・ニーチェ(Friedrich Nietzsche)

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神は死んだ。
神は死んだままだ。
そしてわれわれが神を殺したのだ。
(God is dead. God remains dead. And we have killed him.)
—フリードリッヒ・ニーチェ

フリードリッヒ・ニーチェ[1844 - 1900]は
ドイツの哲学者。

ニヒリズム(虚無主義)に基づいて
近代の道徳や自我を否定し、
当時の西洋文明やキリスト教への
鋭い批評を行いました。

ニーチェの思想は
あまりに急進的であったため
存命中はほとんど評価されなかったようですが、
その死後にハイデガーバタイユ
フーコーなど多くの哲学者に影響を与え、
今では日本でも広くその名が
知られる哲学者の一人となっています。

そしてこの言葉は
ニーチェ中期の著作である
「悦ばしき知識」において、
伝統的な宗教との離別を宣言した
あまりに有名な一文です。

人間は綱だ、
動物と超人との間に掛け渡された―――
深淵の上に掛かる、
一本の綱だ
(Man is a rope stretched between the animal and the Superman--a rope over an abyss. )
—フリードリッヒ・ニーチェ

ツァラトゥストラかく語りき』より、
ニーチェの提唱した、既存の価値観を破壊して
新たな価値を創造する「超人」の思想
を、
主人公のツァラトゥストラが街で見かけた
見世物の綱渡り師にかけて表現した一文です。

ニーチェの超人思想には
来世を信じるキリスト教への批判が前提にあり、
「来世のために今を生きるな、
自分の意思で今この瞬間を力の限り生きよ」

というメッセージが込められています。

社会の中で自分の意思を
貫き通すことは大変ですが、
それでも自分の核となる信念だけは
曲げずに生きていきたいものですね。

怪物と闘うものは、その過程で
自らが怪物とならぬように
用心しなければならない。
深淵をのぞく時、
深淵もまたこちらをのぞいているのだ
(Whoever fights monsters should see to it that in the process he does not become a monster. And if you gaze long enough into an abyss, the abyss will gaze back into you.)
—フリードリッヒ・ニーチェ

こちらも非常に有名な一文。

「ミイラ取りがミイラになる」という
有名なことわざを思い起こさせられますね。

www.taikutsu-breaking.com

ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン(Ludwig Wittgenstein)

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語り得ぬものについては、沈黙しなければならない
(Whereof one cannot speak, thereof one must be silent)

ウィトゲンシュタイン[1889 - 1951]は、
オーストリア出身の哲学者。

言語哲学分析哲学の礎を築いた
ウィトゲンシュタインの思想は
前期と後期でその内容が大きく異なっており、
本名言が登場する論理哲学論考
前期ウィトゲンシュタインに区分されます。

ここでいう「語り得ぬもの」とは
神の存在や美についてなど
論理の対応可能な範囲を逸脱した
形而上的ものごと全般を指しており、
ウィトゲンシュタインはそれらを扱う
過去の哲学全ての無効を宣言したのです。

そんな「論考」に対する当時の反響は大きく、
ウィトゲンシュタインの名を
一躍学会で有名にしたほか、
哲学の科学化を目指したウィーン学団
結束するきっかけにもなりました。

私の言語の限界が
私の世界の限界を決定する
(The limits of my language means the limits of my world.)

こちらも非常に有名な名言。

ウィトゲンシュタインの思想は
同時代の論理学者ゴットロープ・フレーゲ
バートランド・ラッセルの影響が強く、
特にラッセルはケンブリッジで共に研究生活を送り、
論理哲学論考」出版の際には
ラッセルが序文を書くなど、
ウィトゲンシュタインの生涯にわたって
深い関わりを持った人物でした。

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マルティン・ハイデッガー(Martin Heidegger)

人は存在の支配者ではなく、
存在の羊飼いである。
(The human being is not the lord of beings, but the shepherd of Being.)

マルティン・ハイデッガー[1889 - 1976]は、
ドイツの哲学者。

ハイデッガー
主著存在と時間で、
それまであまり考えられてこなかった
「存在の意味」について
改めて深く追求しました。

その手法には
師であったフッサール
現象学的なアプローチが
用いられています。

思考は、
それまで何世紀も
賛美されてきた論理が
実は頑固な敵であると
認識した時に始まる
(Thinking begins only when we have come to know that reason, glorified for centuries, is the stiff-necked adversary of thought.)

常識は時に、
変化にとって最も手強い敵となります。

ハイデッガーのこの言葉には、
そうした敵を恐れず、
乗り越えることによってのみ
新たな道が切り拓けるのだという
哲学者としての気概が感じられますね。

ジャン=ポール・サルトル(Jean-Paul Sartre)

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人は自由であることについて非難される。
なぜなら、一度この世に投げ出された
人間はその行動の全てに対して
責任を負わねばならないからだ。
(Man is condemned to be free. because once thrown into the world, he is responsible for everything he does.)
—ジャン=ポール・サルトル

ジャン=ポール・サルトル[1905 - 1980]は
フランスの小説家、哲学者。

『実存は本質に先立つ』
掲げて実存主義を自称し、
アンガージュマン(社会参加)
を実践した行動派の哲学者でした。

また、神格化されたくない
という理由で、史上初めて
自分の意思でノーベル賞を辞退した

エピソードも有名ですね。

人類普遍のテーマである
『自由意志』について
深く模索したサルトルは、
私たちが普段ポジティブに捉えがちな
『自由』に伴う責任を指摘します。

裁判において、判断能力(自由意志)
の有無が判決を左右するように、
私たちは自由に対して生まれながらに
全責任を負う義務がある

サルトルは言うのです。
(そしてそうした思想は先述した
アンガージュマンとも密接に繋がっています。)

金持ちが戦争を起こし、貧乏人が死ぬ。
(When rich people fight wars with one another, poor people are the ones to die.)
—ジャン=ポール・サルトル

戦争についてのサルトルの名言。

二度の大戦を経験したサルトル
生涯反戦を貫いており、
1960年代にアメリカが
ベトナム戦争への介入を決めた際は
強い非難の声を上げています。

ミシェル・フーコー(Michel Foucault)

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私は預言者ではない。
私の仕事は壁があった場所に
窓を取り付けることだ。
(I'm no prophet. My job is making windows where there were once walls.)

ミシェル・フーコー[1926 - 1984]は
フランスの哲学者。

1966年の著書『言葉と物』
構造主義の考古学』という
副題がついていたことから
当時流行していた構造主義の書として読まれ、
フーコー自身も構造主義の旗手として
その名を広く知られました。

しかしフーコー自身は
構造主義を強く批判していたため、
後にポスト構造主義者に分類されています。

まばゆい照明と監視者の眼は
暗闇よりも良く人を捕える。
可視性は罠なのだ。
(Full lighting and the eye of a supervisor capture better than darkness…Visibility is a trap.)

こちらは、フーコーの著書、
『監獄の誕生 監視と処罰』からの抜粋。

この本でフーコーは、
かつてベンサムが考案した
全展望監視システム
パノプティコンに着目し、
その自動化された監視システムが、
軍隊、学校、工場、病院など
現代のあらゆる場所に
組み込まれていることを示唆しました。

権力の姿をあえて可視化し、
監視しているぞと伝えることで
人々の自由な行動を制限する…
なんだか、ジョージオーウェル
1984」を彷彿とさせる話ですね。


ノーム・チョムスキー(Noam Chomsky)

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もし私たちが、私たちの嫌悪する人々の
表現の自由を信じていないならば、
それは私たちが表現の自由
全く信じていないことと同じだ
(If we don't believe in freedom of expression for people we despise, we don't believe in it at all.)

ノーム・チョムスキー[1928 -]は
アメリカ合衆国の哲学者。

その専門は言語学であり、
中でも言語習得の過程には
あらゆる言語に共通する「普遍文法」と
言語ごとに異なる「個別文法」が
存在すること
を提唱した
生成文法理論」が特に有名です。

またチョムスキー
熱烈なリベラリストとしても有名で、
この名言にもその思想が
色濃く反映されています。

色を持たない緑色の概念が猛烈に眠る
(Colorless green ideas sleep furiously.)

この一見意味不明な文章は、
チョムスキー生成文法理論を
解説するために文法的には正しいが、
文章としては意味をなさない文の例として
創作したものです。

しかし、そういうふうに
はっきり無意味だと言われると
逆に意味を見出したくなるのが
人間のサガというものなのか、
かつてスタンフォード大学では
あえてこの文章に意味を持たようとする
文学コンテストが開催されたりしています。